融資の面談の質問の傾向について


このコラムでは、「融資の面談」を取り上げてみたいと思います。

よくうちの事務所に来る依頼者の方の中にも「書類の作成はともかくも、面談が怖い」とおっしゃる方が結構います。

特に初めて融資の申し込みをされる方や、人前で話すのが苦手な方にとっては、金融機関との面談はとても堅苦しい、いやなものというイメージであることが多いようです。しかしそれとは逆に実際の面談を受けた方の中には「たいしたことなかった」、「思ったより簡単で拍子抜けした」という方たちも大勢いらっしゃいます。

では、実際の融資の面談とは、どんな感じで行われるのでしょうか?

体 制>
通常、融資審査の一環として行われる面談は銀行員1~2名、こちら側1名(本人)という少人数の中で、銀行員の方がいくつかの質問をし、本人がそれに答えるという比較的ザックバランな雰囲気で行われます。
<時間>
面談の時間は、約30分~1時間程度というのが普通ですが、内容に不審な点がある場合などにはこれ以上の時間をかけて行われることもあります。
<場 所>
面談の場所は申込人の事務所で行う場合と、金融機関の窓口で行う場合のいずれかとなります。
<質問の内容>
質問の内容もほとんど同じような内容が多く、あまり難しいことは聞かれないのが普通です。いずれも自分で行う事業の中身がシッカリと頭に入っていれば、すぐに答えられるものが中心です。
なお、融資に関する資料については、借入申込書は申し込みの時点で預かるが、他の資料については面談時に持参するというパターンが多いようです。

 

最も注意すべき2つの質問


様々な質問がされる中で、最も注意すべきなのは
「自己資金をどうやって作ったか?」と「お金の出入りに関する経緯」についてです。

特に日本政策金融公庫では、1/10以上という自己資金の最低条件あるがあるため、この点について疑問がある場合にはかなり深掘りして聞いてきます。

① 「自己資金をどうやって作ったか?」

これについては、
 ・実際に事業で使用している通帳(法人ならば資本金の入っている法人名義の通帳)
 ・事業の元手が入っていた個人の通帳
の両方を見て確認がされます。

また、自己資金の中に親などから贈与を受けた資金が入っている場合には、親へ確認の連絡がされる他、場合によってはその親の通帳までも確認されることがあります。

    具体的には、以下のものが確認の対象となります。

なお、確認される通帳の範囲としては、「直近より約6ケ月~1年程度」まで遡った内容となる場合が多いです。
さらに、自己資金として認められるのは、給料、ボーナス、退職金などのいわゆる「コツコツ貯めたお金」であることが原則ですが、定期の解約金や生命保険の解約金、株式や土地などの売却金の他、相続により取得した財産などもこれを自己資金とすることができます。

さらに、よくある事例で、現金をいきなり通帳に入金し、「これは金庫にあったお金を入金したもの」という説明をされる方がいますが、残念ながらこのようなお金は自己資金としては認めてもらえないので注意してください。

なので
、親から自己資金の足しとして贈与を受ける場合には、親からいきなり現金をもらってそれ
を入金してはいけません。
このようなやり方をすると、通帳の記録からはそれが親からの贈与なのかタンス預金の入金なのかの区別がつかなくなってしまうからです。(いずれも、通帳上では単純な現金の入金として反映されるため) 

したがって、親から資金の贈与を受ける場合には、必ず、親の通帳から振り込んでもらうことが必要となります。

 

➁ お金の流れに関する経緯はどうなっているか?

このお金に関する経緯については、その流れが説明できるだけでなく、公共料金や家賃などといった定期的に引き落とされるものについても注意が必要です。

たとえば、通帳の流れを見て、過去にこれら引き落とされるべきものが落とされていない月があったり、支払いが遅れている月がある場合には、「支払いについてルーズな人」という判断をされ、それだけの理由で融資が出なくなってしまうことがよくあります。

また、他の金融機関から借入れしたお金は当然ですが、家族や知人から借りたもの(もらったものはOK)についてはいずれも自己資金とは認められません。したがって、通帳の記録の中にこのようなものがないかどうかについては、かなり詳しく調べられることになります。

 

その他の聞かれやすい質問


以上の他に、面談で聞かれやすい質問としては以下のようなものがありますが、いずれも自分の
事業の内容が理解できていることが前提となります。したがって、単に答え方を覚えるのではなく、ご自身の計画をよく理解した上で答えられるようしておく必要があります。

Q1 営業場所はどこなのか?

営業場所については、場所を口頭で答えるだけでなく、賃貸契約書や重要事項説明書の他、これが明らかとなるような間取りや賃料が記載された資料等をあわせて提出します。また、住宅地図のコピーを用意する、店舗についてはその外観の写真などを何枚か用意しておくなどすると好印象となります。

Q2 営業時間は? 定休日は?

営業をする上でこれらのことを決めてあるのは当然ですが、特に飲食などの事業では、営業時間や定休日は売り上げにも直接かかわってきます。これはどういうことかといえば、たとえば営業日を月~金の5日間(月20日)、営業時間を17:00~23:00の6時間、平均来客数20人、平均客単価5,000円とした場合の売り上げ見込額は6×20×5,000×20=1,200万円/月となります。

にもかかわらず収支計画上は1,000万円となっていたり、1,500万円などとなっている場合には計画との整合性がないものとなってしまいますので、注意が必要です。

Q3 主力となる商品は何か?

サービス業や小売業などでは、主力商品が売り上げに占める割合や仕入先についても明記しておいたほうがよいでしょう。
また、仕入先については、何らかの理由により納入ができなくなることもありますので、できるだけ一社に絞らず、複数業者を用意しておくようにします。

Q4 月間の売上見込み額はいくらか?

月間の売り上げ目標を立てる際に最も気をつけるべきなのは、根拠もなく右肩上がりの数字にしないということです。
通常、どんな商売でも季節的に売れる、売れないの変動(季節変動)の他にその業種特有の波というものがあります。
この波を無視した計画は信ぴょう性が薄いということになってしまいます。したがって、計画を立てる場合には、事前にこの波を知った上で、これを取り入れることも重要となります。

Q5 取引先はどういう会社なのか?

取引先の商号・本店・事業内容などの他に、できればどの程度の仕入れや販売をする予定なのかを押さえておきます。
もし、仮にその会社が非合法的なことをしている会社や過去に金融事故を起こしている会社などである場合には、審査の上でも大きな不利となりますのでこの点についてもご注意ください。

Q6 月々の収入と経費はどうなっているのか?

どのような事業においてもその業種に特徴的な経費のかかり方(特に原価率)というものがありますので、基本的にはこれに沿った計画としますが、もし、これを大きく逸脱するような場合には、その根拠をキチンと説明できるようにしておくことが必要です。

Q7 見込んでいるお客様はどのような客層なのか?

販売先が特定できる場合にはそれでよいのですが、小売業などのように不特定多数を相手とする場合には、自分の商品にあった顧客の属性をハッキリとさせておくことが必要です。
たとえば飲食の場合などでは、20~50歳代のサラリーマンというだけでなく、できれば、男女別の比率の予想や時間帯別の客層の変化などまでも答えられるようにしておきたいところです。

Q8 従業員は何人雇用するのか?

実際にはすぐに従業員を雇用する予定がない場合でも、できれば最低1名以上を雇用する計画としておくべきです。
また、従業員を雇うこととした場合には、正社員なのかバイトなのか、時間とシフトはどうなっているのか(支払賃金に影響する)などについて、あらかじめ資料(シフト表など)を作っておくとより効果的となります。

Q9 将来の展望は?

現時点での考えはいろいろとあるとしても、あまり話を大きくしすぎないように注意してください。
創業したばかりだというのに、いきなり2号店のことまで計画にいれる方もいらっしゃいますが、答える内容はあくまでも目先の事業をどう成功させるかといったことに絞って話すべきです

基本的には、現在行っているサービスを中心に売り上げ拡大をさせて返済資金の確保と安定化を図るというような内容でのストーリーが望ましいでしょう。

Q10.なぜ、計画通りの売り上げを達成できると思うのか?

基本的には、過去に行った同種の事業経験から十分可能と考えているということを前面に出して自信を持って説明します。
ランチャイズに参加の予定である場合には、本部から同程規模の店舗の平均的なデータをもらい参考にするようにします。

また、可能ならば、出店予定地の近傍の類似店や、知り合いが経営している類似店の売り上げを根拠に説明すれば、さらに説得力を増すことができます。

Q11.なぜ事業を始めようと考えたのか?

ここでは、まさに事業開始の動機を聞かれることになりますが、その考えが単に自分の金儲けだけを考えたものではなく、多くの人に利益を与えることを目的とした、いわゆる「公利」にも配慮したものであるかどうかがポイントとなります。 

以上が主な面談時での質問例とその答え方となりますが、このすべてが聞かれる訳ではありませんが、最低でもこの程度のことは「聞かれて当然」なので、きっちり頭に入れて面談に望んでいただきたいと思います。

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