実例資料付きで飲食店の営業許可を一発で取る!申請・書き方マニュアル

営業許可許認可

飲食店を経営するうえで必ず必要となるのが、保健所が発行する「営業許可」です。

ひょっとするとあなたは「飲食店の許可なんて簡単!」と思っていませんか?

しかし、営業許可がないと「お店はできたけどオープン予定日に営業ができない!」というだけじゃありません。下手をすると「銀行からの融資がおりない」ということにもなってしまいます。

また、その申請手続きも用紙に記載して「はい、終わり!」というわけではありません。
許可をとるためには、実際の店舗の検査を受けるなければならないため、はじめての方はかなりとまどうのではないかと思います。

そこで、ここでは未経験の方でも一発でとれる営業許可申請のノウハウと、検査のポイントを実例資料付で解説いたします。

営業許可の取得の要件と手続きの流れ

「飲食店営業」と「喫茶店営業」の違い

飲食店の場合の営業許可には、「飲食店営業」と「喫茶店営業」の2種類があります。

「飲食店営業」では、通常の飲食物やアルコールの提供ができるのに対し、「喫茶店営業」では、飲み物の提供はOKですが、お酒の提供をすることはできません。

また、喫店営業では、トーストなどの軽食は提供できますが、調理が必要な料理(ハンバーグやパスタなど)を提供することは不可となっています。

なお、「飲食店営業」と「喫茶店営業」では、喫茶店営業の方がやや申請手数料が安い程度の違いしかありません。

このように「飲食店営業」は、「喫茶店営業」の上位区分となりますので、喫茶店での営業をする場合でも、飲食店での営業許可を取っておくことをお勧めします。

営業許可の取得のための条件

「食品営業許可」を取得するためには、次の2つの条件を満たす必要があります。

1.食品衛生責任者の配置
各店舗には、食品衛生責任者またはこれに代わる資格を持った人を1人以上置かなければなりません。
食品責任衛生者は、1日の講習を受講すればこれを取得することができます。
しかし、時期によっては定員が満席となることも少なくないため、事前に受講の準備をしておいた方がよいでしょう。
詳しくは「飲食店の食品衛生責任者になるには?資格は難しい?」をご参照ください。

2.施設基準の順守
飲食店は、各都道府県の条例で定められた店舗施設の基準(施設基準)に適合した店舗で営業しなければなりません。
施設基準は、内壁・天井・明るさ・衛生設備などといった細かい基準があるため、保健所の事前確認の際にチェックしてもらうようにすれば安心です。
施設基準の詳細については、こちらをご覧ください。

営業許可の取得の流れ


営業許可を取るまでの手続きの流れは、次のとおりとなります。
ここでは「飲食店営業」のケースで説明いたします。

 ➀ 事前相談

工事の着工前に図面等を所轄の保健所へ持参し、許可基準にあっているかを相談します。
なお、貯水槽(マンションやビルのタンク)や井戸水等を使用する場合は、水質検査証の提出が必要となります。
また、営業許可の取得の前には「食品衛生責任者」の資格を取っておくことも必要です。

 ➁ 営業許可の申請(書類の提出)

店舗が完成する予定日の10日くらい前に必要書類と図面をつけて保健所へ申請します。

 ③ 施設検査の打合せ  

この時点で、あらかじめ、店舗の検査の日時を担当者と決めておきます。

  ④ 施設の確認検査

施設が申請のとおりの配置・構造となっているか、基準に合っているかを保健所の担当者が確認します。この時には、営業者が検査に立ち会う必要があります。

  ➄ 営業許可書の交付

検査に合格した場合には「営業許可書交付予定日のお知らせ」が交付されます。
交付予定日になったら保健所で営業許可書を受け取ります。  ※ 受領には要印鑑

  ⑥  営業開始

許可証が交付されても、それだけでは営業はできません。
実際の営業をするためには、この許可証を店内に掲示する必要があります。

 

ポイント
◆ 営業許可の手続きには、通常、申請から施設の検査まで5~7日、検査~許可証の受領まで2~7日程度の時間がかかります。
申請から許可証の交付までは、トータルで2週間程度の時間を見込んでおけば問題ないでしょう。

◆ 既存店で営業許可を取得している場合でも、別の施設で新たに営業を行う場合は、新たに許可を取得する必要があります。
◆ 居抜き店舗で営業をする場合も、新たに営業許可を取得する必要があります。
◆ 店舗の検査には、営業者も立ち会う必要があります。
◆ 営業の開始ができるのは、許可証の交付の時ではなく、許可証を店内に掲示したときからとなります。
◆ 深夜営業を同時にされる場合には、別の期間や手続きが必要となります。
 詳しくは【スナックの許認可】スナック開業に必要な許可と風営法の適用をご参照ください。


提出に必要な書類について

営業許可証の申請には、以下の書類が必要となります。

〇 営業許可の申請書
〇 営業設備の大要・設備図
〇 登記事項証明書(法人の場合)
〇 水質検査証明書(貯水槽・井戸水の場合)
〇 食品衛生責任者の資格を証する資料

以下、それぞれについて説明します。

1 営業許可の申請書(1通)

保健所には地域ごとの管轄があるので、事前に提出先を調べておくことをお勧めします。
申請書に記載する住所は、省略しないで記載するようにします。

 

2 営業設備の大要・配置図(2通)

壁や床などの詳細な材料がわからないときには、工事業者に確認して記入します。
営業時間や定休日は、事業計画書の内容と齟齬を生じないように注意してください。

 

「営業設備の配置図」は、設備の種類やその位置関係がわかるように作図します。
この図面は、手書きでも構いません。また、内装業者の工事図面で代用できる場合もあるので、詳しくは保健所に確認してください。
周辺の見取り図については、グーグルマップなどの地図で代用することができます。

 

3 登記事項証明書(1通:法人の場合のみ)

登記の目的には、必ず「飲食店の経営」や「飲食店業」などを入れておくようにします。
また、住所や役員などといった登記の項目に変更があるときには、その変更登記を済ませたものを提出します。

 

4 水質検査成績書(1通:貯水槽、井戸水使用の場合のみ)

使用する水が貯水槽(マンションなど)、井戸水使用の場合に提出します。
この書類は大家さんか管理しているものなので、申請の際には大家さんに依頼して発行してもらうようにしてください。

 

5 食品衛生責任者の資格を証明するもの(原本提示等)
申請の際には、「食品衛生責任者手帳」などの食品衛生責任者の資格を証明するものを提示するか、またはコピーを提出します。

申請の手数料 

営業許可の申請手数料は、都道府県や営業の種類によって異なります。東京都の場合の手数料は、以下の通りとなっています。

◆ 飲食店営業 18,300円
◆ 喫茶店営業 15,800円

 

施設検査時のチェックポイント

「共通基準」と「特定基準」

 

 

施設の検査では、あなたのお店の設備や配置が、食品衛生法の基準を満たしているかをチェックします。施設の検査の基準は、「共通基準」「特定基準」の2つからなります。

いずれも難しそうに見えますが、前掲の「営業設備の概要」ですべての項目を記入できれば、基本的にはOKです。

【共通基準】
自動販売機以外のすべての業種に必要な施設の基準となります。

営業施設の構造場所・建物・区画・面積・床・内壁・天井・明るさ・換気・周囲の構造・ねずみ族、昆虫等の防除・洗浄設備・更衣室
食品取扱設備器具等の整備・器具等の配置・保管設備・器具等の材質・運搬具・計器類
給水・汚物処理給水設備・便所・汚物処理設備・清掃器具の格納設備


【特定基準】
業種ごとに定められた基準です。

飲食店営業冷蔵設備・洗浄設備・給湯設備・客席・客用便所
喫茶店営業冷蔵設備・客席・客用便所


検査の主な項目の注意点

施設の検査では、かなり細かな部分まで見られますので、保健所で事前に確認するようにしてください。

1.検査でみられる主な箇所とかかる時間
検査では、壁、天井、床といった店舗の構造や、戸棚、トイレ、手洗い器といった衛生設備を中心に検査がされます。また、検査時には電気と水道が実際に使用できるようになっていなければなりません。
検査の時間は、約1時間程度というのが一般的ですが、設備の内容や担当官によっては、それ以上の時間がかかることもあります。
また、設備の配置は、提出した配置図と同じになっているかどうかもポイントです。

2.厨房床が洗浄、清掃しやすいかどうか?
素材との関係もありますが、継ぎ目のある床などの場合には、衛生面での問題がないか注意が必要です。

3.汚れの取れやすい壁であるか?
壁については、油性塗料や耐水性塗料仕上げ、またはステンレス鋼板などであれば特に問題ありません。

4.天井は作られているか?
天井は、清潔に保ちやすく、ホコリ等が落下してこないものであれば、原則OKです。
しかし、スケルトン天井の場合には、地域や担当によってNGというところもあるので、事前の確認が必要です。

5.照明は全体を照らすものとなっているか?
バータイプの飲食店にありがちですが、スポットライトやダウンライトを使用している場合には、部分的に暗くなる箇所ができてしまいます。しかし、このような場合には照明の追加や変更などの指摘がされることがあるので注意してください。

6.二槽式シンクがついているか?
設置するシンクは、食材と食器の洗浄を別々にできる二槽シンクである必要があります。
また、各シンクについては、確認時にそれぞれのから水・お湯が出ることが必要です。

7.手洗専用設備があるかどうか?
いわゆるL-5タイプといわれる手洗い器が一般的です。なお、配置場所については、メインの箇所にあればよいというケースと、水場のすべてに設置しなければならないケースがあるため、事前に保健所へ確認してください。
また、ガールズバーなどでは、女性が配置されている調理場部分のいずれにも、水の出る手洗い場を作る必要があります。

8.厨房と客席の間間仕切りや扉
お客が内部に入れないように、厨房と客席の間には腰高以上の間仕切りやスイングドアをつける必要があります。

9.更衣室
更衣室は、厨房内にあるパターンだとNGとなるため、別の場所に確保します。

10.その他
その他として、「温度計付の冷蔵庫となっているか?」、「食器収納棚は扉つきのものか?」、「換気設備はあるか?」、「消毒器は固定のものとなっていること」などが検査の主なポイントとなります。

11.1m以上の設備がないこと(深夜営業の場合)
これは営業許可の要件ではありませんが、深夜営業で深夜酒類提供営業の届出を同時にする場合には、室内に1mを超える仕切りや椅子の背もたれなどがあると届出が受理されません。
したがって、設備を作るときには、この点にも注意して、1mを超えるものを作らないようにしてください。(ただし、壁沿いに作られたボトル棚などを除く)

検査後の手続きと指摘がされた場合の対応

検査が問題なく完了した場合には、保健所から「営業許可書交付予定日のお知らせ」が交付されるので、交付予定日になったら保健所で営業許可書を受け取ります。
この時には受領の印鑑が必要となるので、忘れずに持参してください。

なお、検査で設備の構造や設置について指摘がされた場合には、その改善をしなければ営業許可は交付されません。
具体的な対応としては、修正後の写真を提出すればOKとなる場合と、再度、現場の検査が必要となる場合があるので、担当官の指示に従ってください。

深夜営業をする場合

飲食店で午前0:00を超えて営業をする場合には、営業許可とは別に「深夜酒類提供飲食店営業開始の届出」を警察に提出しなければなりません。
この届出には、風営法の規則で定められた方法で実測・作図した図面を提出しなければなりません。
そのため、営業許可よりも高度で専門的なスキルが必要となります。

「深夜酒類提供営業開始の届出」の主な内容は次の通りです。

営業できる区域商業地域・近隣商業地域(市町村で一部異なります)
主な要件客室の床面積が9.5㎡以上※1であること
客室に見通しを妨げる設備(概ね1m以上※2がないこと
ショーなどの客に遊興させないこと
営業所内の照度が20ルクス以上であること
騒音・振動を条例で定める数値以下とすること
提出書類申請書、店舗の測量図面※3
提出期限営業開始の10日前まで
提出先店舗を管轄する警察署
届出の費用0円

※1 部屋全体が一室となっている場合を除きます。
※2 椅子の背もたれや、パーティションなどについても1m未満であることが必要です。
※3 「営業所平面図」、「営業所求積図」、「客室平面図、「照明・音響配置図」など

深夜営業をする場合の届出は、提出先、提出期限、提出資料が異なりますので、保健所の営業許可の手続きと同時に進めていく必要があります。
「深夜酒類提供飲食店営業開始の届出」の手続きについては、こちらをご参照ください。

行政書士に依頼する場合

ご相談・ご依頼の流れ

119番資金調達NETを主宰するIchigo(一期)行政書士事務所では、保健所の営業許可だけでなく、飲食店のオープンに関する融資手続き、深夜営業の届出を一括して行っています。なお、当事務所に営業許可の取得をご依頼いただいた場合の手続きの流れは、以下のようになります。

➀ ご相談(お電話、メール、ご面談いずれも初回無料です。)
➁ 店舗や工事予定等のヒアリング
③ ご契約及び費用のご入金
④ 必要書類のご案内
➄ 保健所への事前相談
⑥ 保健所への書類提出
➆ 保健所担当者による店舗の現地調査
⑧ 営業許可の受領と許可証の交付

この中で➄、⑥、⑧の手続きについては、すべてこちらで対応させていただきます。

ご依頼いただいた場合の報酬

当事務所にご依頼をいただいた場合の費用は以下のとおりです。

飲食店営業許可取得手続き45,000円(税別) ※
営業許可申請手数料(保健所)16,000円~ (自治体によって異なります。)
実費店舗等への交通費他

対応地域:東京23区および一部の都内市町村、埼玉・千葉の一部区域。※ 詳しくはご相談ください。
※ 40㎡まで。以降15㎡を超えるごとに3,000円が追加となります。
※ 納期や難易度によって追加料金が発生する場合があります。
  融資と同時のお申込みで大幅割引あり。 詳しくはこちらをご参照ください。

まとめ

保健所の営業許可は、提出する書類の数も比較的少なく、また、手続きにかかる日数も少ないため、比較的取得しやすい許可といえます。

しかし、申請〜許可までには7~14日程度の日数がかかるため、あらかじめこの期間を見込んでおかなければなりません。また、融資とのタイミングにも注意が必要です。

何度も申請のやり直しをしていると、「期限までに許可が取れない」→ 「融資が出ない」→「予定日にオープンできない」ということになってしまいます。

なので、「申請に自信がない」、「時間の余裕がない」という場合は、時間と手間を節約しながら、間違いのない手続きをすることができるプロに依頼することをお勧めします。


プロフィール
融資コンサル
引地 修一

119番資金調達NETの引地です。

創業者・中小企業経営者の方向けに、
● 融資の申込みの計画・申請、
● 事業計画書の作成、金融機関との交渉
● 契約・許認可手続き、経営の再建
などの「中小企業のお金と経営」をサポートしています。

特に、融資関係については、すぐに問題解決の提案をする「即効提案」がお客様から好評をいただいています。

【経歴】
2005年に金融・経営を専門とするIchigo(一期)行政書士事務所を開設。
2008に業界初の融資ノウハウをまとめた「確実に公的創業融資を引き出す本」を出版。異例の6刷増刷を達成。※現在も継続中。

コンサルティングでは、2020現在、累計相談者数2,000人を突破。6億2,000万円の資金調達額を達成中。
2008年に創業者支援団体ドリームゲートにて「資金調達部門」最優秀アドバイザーを受賞

【資 格】
行政書士、宅地建物取引主任、事業再生アドバイザー、品川区武蔵小山創業支援センター公認アドバイザー

【出版実績】
2008.12 「確実に公的創業融資を引き出す本」(TAC出版)を出版
     アマゾンレビュー評価4.2
2011.08 「銀行格付けアップ術」
2014.07 「飲食開業のための公的融資獲得完全マニュアル」

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