必読!公庫の創業計画書をマネしてはいけない3つの理由。

公庫の創業計画をマネてはいけない3つの理由日本政策金融公庫

これから創業融資を受けたいと考えている方の中には
「 どうしても融資が欲しいけど、何をすればよいかわからない 」
「 本当に自分でも融資が下りるのだろうか? 」
というお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?

そんな時につい頼ってしまうのが日本政策金融公庫の創業計画の見本です。
しかし、これを鵜呑みにしてしまうと後で「こんなはずじゃなかった」ということになりかねません。

ここでは、「なぜ、日本の創業計画書をマネしてはいけないのか?」その理由についてお話しします。

理由1 内容に熱意を感じられない

日本政策金融公庫に限らず、制度融資でもそうですが、政府系の金融機関では「本人のやる気」がどれだけあるかに重点をおいた審査が行われます。

特に創業融資ではその傾向が強く、もし、これがうまく伝わらない場合には審査にも影響が出ることになります。

しかし、日本政策金融公庫の創業計画の見本では、「何となく○○の事業をしてみたいけど、お金が足りないから貸して!」といっているのと大差ありません。

なので、もし、あなたがこの程度の内容の事業計画書で融資を申し込んだとしても、よくて獲得できるのは希望額の50~60%程度、もしくは0%ということもあり得ます。

実際、私のところに相談に来たお客様の中にも、この記載例を真に受けて創業計画書をつくり、その結果、融資に失敗したという方がけっこういらっしゃいますので、しっかりと「自分の熱意」が伝わるように内容を書く必要があります。

理由その2 内容に説得力や根拠がない

これから融資を受けようとお考えの方の中には、日本政策金融公庫の創業計画書の見本を見て
「えっ、思っていたより簡単な内容じゃない?」
と思った人も多いのではないかと思います。

この計画見本では、項目ごとの内容が2~3行程度にまとめられており、そこで問われている内容もさほど難しいものではありません。なので、この見本を参考にして形だけもこのフォーマットを埋められれば、それらしいものができると思ってしまいます。

しかし、実はこれが「落とし穴」なのです。

もし、あなたが本当に500万円以上の融資を得たいのならば、この見本は参考にしない方がよいでょう。

なぜなら、この見本のように作ると、審査ではあまり高い評価を得られないという不思議なことが起こるからです。

創業計画書で一番重要なのは、「説得力」です。

特にその中でも売り上げに関する説得力があるかどうかは、融資審査の上でも非常に大きなウエートを占めます。逆に言えば、十分な売り上げが立つということを金融機関に納得させられるのであれば、融資はほぼ出たも同然といってよいでしょう。

しかし、公庫の見本には、この部分についての説明がほとんどありません。
なので見本と同じようなものを作ると高い評価が得られないわけです。

金融機関を納得させるためには、次の3点が書けているかどうかが重要なカギとなります。

販売戦略のポイント

◆  事業を開始までにどんな作業をするのか?(調査)
◆  どんな売り方をするのか?(販売方法)
◆  どうやってお客を集めるのか?(集客)

事業を開始までにどんな作業をするのか?(調査)

事業を開始するためには、次のような調査が必要となります。
〇 商圏調査
〇 競合調査
〇 立地調査

これらの調査なしでは、売り上げ以前に本当にそこが商売のできる環境なのかどうかわからないということになってしまいます。
このような調査はおろそかにされがちですが、最終的な数字に説得力を持たせるためには欠かせないものとなります。

商圏調査

お店を出店する予定地の半径200m程度について、そこがどのような環境となってるのかについて調査します。
調査すべき項目の例としては次のようなものがあります。

◆ 電車の駅や道路といったインフラの状況
◆ 主要施設の乗降客数
◆ その地域のおよその世帯数、人口比、年齢層、男女の別
◆ デパートやショッピングモールといった集客施設の状況

これらは鉄道会社のHPや国勢調査 都道府県・市区町村別統計表、または各市町村のHPなどを見ればそのエリアでのデータを得ることができます。

これらの資料を活用することにより、およその見込み客の数や構成を推定することができるので、これをもって計画の基礎的な根拠とします。

競合調査

商圏調査と同じ範囲について、自分と同種または類似のお店がどのくらいあるのかについて調査します。
調査の方法としては、まずは住宅地図や検索などで大雑把に調べますが、できればしてほしいのが「自分の足で歩いて調べる」ということです。

実際に歩いて調べると聞くと大変そうですが、半径200~300ḿ程度あれば半日程度でできてしまいます。
そして、住宅地図などで調べきれなかったお店などがあれば、それを地図のコピーに落とし込んでいきます

これは確かに面倒な作業ではあるのですが、こうして作成した資料は金融機関に対して大きなインパクトを与えることができるとともに、いざ開店してみたら同業者が強くて商売にならないという事態も防ぐことができます。

立地調査

立地調査というと専門家でなければできないイメージを持たれますが、自分でもそれなりのことをすることはできます。主なポイントとしては次の通りです。

 立地調査のポイント ※飲食店の場合

〇 周囲の競合の状況
〇 最寄りの集客施設(駅やデパートなど)から自店までの人の流れ(導線)
〇 店舗のデザイン
〇 周辺地域の住人の状況(およその職種や所得など)
〇 昼・夜、平日と土日での環境の違い

なお、この調査についてはいっそのこと専門家に任せてしまうというのもありです。
確かに多少費用はかかりますが、10~20万円程度でできますので、立地に不安がある場合にはぜひ検討してもらいたい選択肢の一つです。

特に1,000万円以上の費用をかけて開業する場合は、失敗すると取り返しがつかなくなりますので、一種の保険と思って調査を受けておいた方がよいでしょう。

また、飲食店を開業する方の中には、「家賃が手ごろだったから」とか、「外見が自分のイメージに合っていたから」などといった理由でテナントを選んでしまう方がいますが、このような選び方をすると後々、必ず後悔することになりますのでシッカリと調査をしてください。

どんな売り方をするのか?(販売方法)

販売方法については、単に店舗での販売などとするのではなく、例えば「近辺には高齢者が多いため、これをターゲットにした〇〇のような商品を開発して販売する」とか、「〇円以上の購入者については宅配を行う」などといった、その店独自のオリジナリティのある戦略が求められます。

もし、チラシの見本などがあれば、金融機関に対してイメージを伝えやすくなります。

どうやってお客を集めるのか?(集客)

集客については、単に「店舗のHPを作成する」、「周辺の家にチラシをまく」といっただけでは、集客ができる根拠にはなりません。

もし、HPを作るのであれば、「どんな手法でアクセスを増やすのか?(たとえばリスティング広告の活用)」、「それによりどの程度の効果が見込めるのか?」、「そのためにどのくらいの予算が必要なのか?」などといった実際の戦略や数値レベルにまで落とし込むことが求められます。

例 リスティング広告利用の場合

一般的な反応獲得率        〇%
最終的な見込み客獲得率 〇%
予算の目安       〇万円
想定される顧客獲得数  〇人

理由その3 ボリュームが少なすぎる

公庫の見本を見るとA4の1枚にすべてが収まっています。
しかし、これではどんなに書きたいことがあったとしても3~4行程度がせいぜいでしょう。

けれど、普通に考えればその程度ですべてを書ききれるわけがないということはお分かりいただけると思います。

中には、この見本の通りすべてをこの用紙に収めて書かなければならないと思っている方もいますが、そんなことはなく書く用紙は別紙であってもまったく問題ありません。

自分の場合には創業計画書として次のような資料を提出しています。

〇 創業計画書の用紙
〇 別紙に書いた計画の内容
〇 予定の商圏や立地場所の地図
〇 店舗がある場合には店舗の写真
〇 設備等の見積書

創業計画書には一応、「内容については別紙のとおり」として提出する場合と、これさえも出さない場合があります。 ※この点については、その時の公庫の担当者の意見を聞いて決めています。

また、別紙とした計画はA4の用紙で5~6枚、それにこれとは別に各月ごとに作った収支計画書2枚(1、2年目分)を提出しています。

もちろん、数が多ければよいというわけではありませんが、相手を納得せるものを作ろうとすればこのくらいのボリュームになってしまいます。

なので、計画を作るときには、公庫の見本に縛られるのではなく、どうすれば金融機関に自分の思いを伝えられるのか?ということを考えて作成するようにしてください。

 


プロフィール
融資コンサル

Ichigo(一期)行政書士事務所 代表 引地修一
行政書士・宅地建物取引主任・事業再生アドバイザー
著作:「確実に公的創業融資を引き出す本」他 アマゾンレビュー評価4.2

創業者、経営者からのご相談に、ベストな提案を即答します!

引地 修一をフォローする
日本政策金融公庫
飲食店の開業資金と創業融資なら119番資金調達NET
タイトルとURLをコピーしました