融資の面談で聞かれた「実例14の質問と模範回答」を公開。

金融機関との面談日本政策金融公庫

これから融資を受けようとされる方の中には、金融機関との面談が怖いという方が少なくありません。

「どんなことを聞かれるのだろう?」
「うまく計画内容を説明できるだろうか?」
「質問に答えられなかったらどうしよう!」

初めての経験でこんな不安をお持ちになるのはよくわかります。
しかし、金融機関との面談はシッカリ対策をして臨めばさほど怖いものではありません。
実際に面談を受けた方の印象としても、「思ったほど大したことなかった」というケースがほとんどです。

とはいえ、やはり初めての方にとっては緊張するものですし、また、言ってはいけないことなどもあります。

ここでは実際に日本政策金融公庫などの面談で聞かれた15の質問を例に、面談までの流れや、回答のポイントについてご説明します。

融資の面談の概要と注意点

日本政策金融公庫との面談の流れと概要


日本政策金融公庫との面談は、次のような流れや体制で行われます。

面談の連絡
融資を申し込むと「その場で面談日の希望を聞かれる場合」と、「何日かしてから連絡が来る場合」の2つのケースがあります。

また、その際には、金融機関から面談の予定日や場所が告げられます。
しかし、必ずこの通りにしなければならないわけではなく、自分の希望があればハッキリ伝えて構いません。  

場  所
あらかじめ指定された場所で、面談を行います。この時には指示された資料を持参します。
面談の場所は、金融機関のカウンターや応接で行われることが多いですが、申込人の事務所が指定される場合もあります。

体  制
通常は、金融機関の担当者1~2名、こちら側1名(本人)という体制で行われますが、制度融資を利用した場合にはさらに信用保証協会の人間がこれに加わることがあります。
また、実際の面談は、日本政策金融公庫の方がいくつかの質問をし、本人がそれに答えるという形で進められます。事業計画書に関する資料がある場合には、事前に提出するか、もしくはこの面談の際に持参するかのいずれかとなります。

時  間
面談の時間は、約30分~40分程度というのが普通ですが、内容に不審な点がある場合には、これ以上の時間をかけて行われることもあります。

質問の内容
質問の内容は、事業に関する基本的な項目がほとんどで、いずれもこれから行う事業の中身がシッカリと頭に入っていれば、特に問題ないものがほとんどです。
とはいえ、ときにはすぐに答えにくいものや、意地悪な質問がされることもあるため、しっかりとした対策を準備しておく必要があります。

絶対聞かれる2つの質問


様々な質問がされる中で、必ず聞かれるのが

「自己資金をどうやって作ったか?」
「お金の出入りに関する経緯」

という2つの質問です。

特に新創業融資制度を利用する場合には「創業にかかる経費の1/10以上の自己資金が必要」という条件があるため、この点についてはかなり深掘りした質問がされることも少なくありません。
したがって、特にこの2つの質問については、必ず聞かれると思って対策をしておいた方がよいでしょう。

「自己資金をどうやって作ったか?」

自己資金については、

➀ 実際に事業で使用している通帳
 (法人は法人名義の通帳)

➁ 事業の元手が入っている個人の通帳

の両方を見て確認が行われます。

自己資金の中に親などから贈与された資金が入っている場合には、親への確認がされる他、場合によってはその親の通帳の提出を求められることもあります。

また、申込人が個人か法人かにより、確認される資料も次のように異なります。


お金の流れに関する経緯はどうなっているか?

このお金の経緯に関する質問については、次の点を説明する必要があります。
◆ どうやってそのお金を貯めたかの経緯
◆ 
公共料金や家賃、税金などの支払いの状況

「どうやってそのお金を貯めたかの経緯」
この点については、通帳の過去の流れをみればおおよその説明がつくものがほとんどだと思います。(例えば、給与・賞与の振り込みの記録など)

しかし、一時的なアルバイトや副業による入金などについては、通帳にその記録が出ないので、個別に説明する必要があります。
このような場合には、アルバイトの給与の明細や控えの記録、副業をした時の入金の記録などを添えて説明する必要があります。


「公共料金や家賃などの支払いの状況」
公共料金や家賃などといった定期的に引き落とされるものや税金については、毎回、期限までに支払いがされているかが確認されます。

通帳の流れを見て、もし、過去に引き落しがされていない月があったり、支払いが遅れている月がある場合には、それだけで融資が出なくなってしまうことがよくあります。
なお、確認される通帳の範囲としては、「直近より約1年程度前」までとなる場合が多いので、この期間については支払い忘れ等をしないよう注意が必要です。

その他の聞かれやすい質問とポイント


以上の他に、面談で聞かれやすい質問としては以下のようなものがあります。

Q1 自己資金はいくらなのか? どうやって貯めたのか?

自己資金がある場合には、これが入っている通帳や預金・定期の残高証明などを提示します。
また、貯めた経緯については通帳などの過去の記録を見てもらいますが、親からもらった資金などが入っている場合にはその箇所を提示するとよいでしょう。親からの贈与について「贈与税の支払いまで確認されるんじゃないか?」と心配される方がいますが、そのようなことはありませんのでご安心ください。なお、具体的にどのようなものが自己資金となるのかや、自己資金の範囲については、 「80%以上の人が知らない!自己資金がなくても新創業融資制度は借りられる!」に詳しく説明しているので、こちらをご参照ください。

Q2 公共料金や家賃の支払いは、どうやっているのか? 支払いに問題はないか?

公共料金や家賃を口座引き落としで支払っている場合には、その箇所を提示します。
また、コンビニ払いの場合には支払った用紙の残票や家賃の支払い帳などを提示します。なお、この際には毎月の支払いの経緯が連続していることが重要となります。
もし、その中で支払いが連続していない月や遅れた月がある場合には、融資に不利となりますので事前に確認しておいてください。

Q3 営業場所はどこなのか?

営業場所については、口頭で答えるだけでなく、その証明としてテナントの賃貸契約書や不動産屋の間取図などを提出します。必ずしも正式な契約までしている必要はありません。また、住宅地図のコピーを用意する、建物外観の写真を何枚か用意しておくなどすると好印象となります。
ただし、面談の時までに営業場所となるテナントが他に借りられてしまったり、契約が効力を失ってしまったような場合には、その融資の申込みもやり直しとなってしまうことがあるのでご注意ください。

Q4 なぜ、この事業を始めようと思ったのか?

これはほぼ聞かれる質問の一つですが、ここで重要なのが「公利」という視点です。
その動機が単に自分の金儲けだけを考えたものではなく、多くの人に利益を与えることを目的とした、いわゆる「公利」にも配慮した点をアピールできれば、金融機関の評価は高くなります。
【回答例】
「私は子供の時、誕生日のお祝いで食べたオムライスを食べてこんなにおいしいものがあるのかと感動したのと同時に、それを家族が一緒に喜んでくれたことが飲食業にあこがれを持ったきっかけです。今後の目標はおいしいものを提供するだけでなく、あの時と同じように多くの人に笑顔になってほしいという思いで飲食店を始めることにしました。」

Q5 これまでに何か自分で事業をしたことはあるか?

この質問には、チョット注意が必要です。
なぜなら、一見、過去の経験を聞いているように思えるので、うっかり「YES」と答えると創業融資が受けられなくなってしまう可能性があるからです。なぜなら、新創業融資制度を利用できるのは「開業前、または開業後二期以内」の方だけだからです。なのでもっと以前に事業経験があったことがばれてしまうと、創業融資の適用外となってしまいます。
もし、何らかの事業経験が過去にあったとしても、ここでは「NO」と答えてください。
なお、アルバイトや他人に使われて働いた経験は、ここでの事業経験には当たりません。

Q6 テナントは借りるのか? なぜその場所で営業するのか?

テナントを借りて営業する場合は、それを証明する資料を提出します。
しかし、契約までしてある必要はなく、不動産屋の間取り図(住所や家賃、保証金の額が記載されているもの)を提出してここでする予定ですと答えても構いません。また、「なぜその場所を選んだか?」については、「単に家賃が手ごろだったから」とか「来客が見込めそうだから」といったあいまいな回答ではなく、しっかりと根拠ある回答が必要です。
【回答例】
この場所は大通りからは一本奥に入った通りですが、次のようなメリットがあるためこの場所を選びました。
➀ 大通りから見込み客を誘導できる場所であること。
➁ 近隣に同じような業種の店が少ないこと。
③ 統計調査の結果から、比較的購買力の高いターゲット層が見込めること。
④ 同じような条件の他地域と比較して、家賃相場が安いこと。

Q7 営業時間は? 定休日は?

飲食店で営業時間や定休日が決まっているのは当然ですが、これらは売上げの試算にも直接かかわってきます。
たとえば営業日を月~土の6日間(月24日)
営業時間を17:00~23:00の6時間
平均来客数15人、平均客単価3,000円
とした場合の売り上げ見込額は
6h×15人×3,000円×24日=648万円/月
となります。収支の計画にこれと違った金額が書かれているような場合には、つじつまがあわなくなるだけでなく、資料自体の評価も低いものとなってしまいます。

Q8 主力となる商品は何か?

サービス業や小売業などでは、
◆ 主力商品が売り上げに占める割合
◆ 仕入先
◆ 掛け率
◆ 掛けの支払いの期間(サイト)
などについても答えられるようにしておいた方がよいでしょう。また、仕入先は、できるだけ一社に絞らず、複数業者を用意しておくようにしますが、居酒屋のように特定の主力商品がない場合には、自分で想定する客単価をベースに説明するようします。
具体的な事例については「事業計画書の成功実例を完全公開!」の記事で解説していますので、ご参照ください。
【回答例】
今回、予定しているのは居酒屋なので、主力商品といったものはありませんが、客単価は2700円程度を予定しています。この金額の根拠としては当店メニューでいえば、ドリンク@500円×2、メインメニュー600円×1.5、サブメニュー400円×2の組み合わせを想定しています。

Q9 月の売上や経費の見込み額はいくらか?

月ごとの売り上げ目標を立てる際に最も気をつけるべきなのは、根拠もなく右肩上がりの数字にしないということです。
通常、どんな商売でも季節的に売れる、売れないの変動(季節変動)やその業種特有の波がありますが、これを無視した計画は信ぴょう性の乏しいものとなってしまいます。売上げを作る際の注意点については、「創業融資を引き出す売り上げの作り方」の記事で解説していますが、例えば、座席についても常に満席になるということはなく、デットチェアーが生じることについても想定した計算式とするなどの必要があります。

Q10 取引先はどういう会社なのか?

取引先の商号・本店・事業内容などの他に、口頭でもどの程度の仕入れや販売をする予定なのかを答えられるようにしておきます。
なお、もし、仮にその会社に問題がある、非合法的なことをしているというような場合には、審査の上でも大きな不利となりますので仕入れ先選びにはご注意ください。
【回答例】
食材のうち、精肉については〇〇商店から約〇万円を、野菜については〇〇株式会社から約〇万円を、その他食材については〇〇物産から約〇万円を仕入れる予定です。

Q11 なぜ、計画通りの売り上げを達成できると思うのか?

このような質問をされた場合には、過去に行った同種の事業の経験から十分可能と考えているということを前面に出して自信を持って説明します。
また、できないことや経験がないものについては無理に「できる、頑張る」などと主張するのでなく、その点については他の人材にまかす、外注するなどといった現実的なプランを考えておきましょう。
フランチャイズに参加予定の場合には、本部から同程規模の店舗の平均的なデータをもらい参考にすると話に信ぴょう性が増します。
【回答例】
私は実際の経営に携わってきたことはありませんが、以前の飲食店勤務でホールと調理を担当してきたことから、メニュー作成、原価計算、接客については自ら対応します。また、これまで担当した店舗の中で赤字を出したことがないことから、今回の営業についても同様に黒字化することは可能と考えています。しかし、経理については経験がないので、この点については経理の実務経験者を採用して対応したいと考えています。

Q12 もし、計画通りにいかず、返済ができなくなったらどうするつもりか?

通常は、ここまで突っ込んだ質問はあまりないのですが、以前のお客さんの例ではこのようなケースもありましたので、以下を参考に事前に回答を準備しておいた方がよいでしょう。

【回答例】
現時点でそのようなことは考えていませんが、もし、経営がうまくいかなくなった場合には、何らかの原因があると思われるので、まずはその原因を究明し赤字になる前に対策を講じたいと考えています。

Q13 営業に必要な許認可の見通しは?

飲食店の営業に必ず必要となるのは、保健所の営業許可と食品衛生管理者の資格なので、この2点については早めに対策をしておくべきです。
しかし、保健所の営業許可は内装設備および電気、水道の開通ができた後でないと行うことができませんので、この点については、工事会社との調整も必要となります。通常、営業許可の取得には申請から10日〜14日程度かかるので、この点もスケジュールに組み込んでおいたほうがよいでしょう。営業許可の取得の要件や流れについては、「飲食店の営業許可の申請・書き方マニュアル」の記事に詳しく書いてありますので、ご参照ください。また、深夜営業をする場合には、これらとは別に「深夜酒類提供の届け出」を警察に提出する必要があるためこれについて対応予定を伝える必要があります。

【回答例】
保健所の指導により、営業許可の申請は開業10日までに出すこととなっているので、工事業者との調整の上、〇月〇日頃には取得する予定です。

Q14 信用保証協会融資(制度融資)への申込みはしているのか?

たまに、担当者から「制度融資の利用はしているのか?」と聞かれることがあります。
制度融資との併用自体については問題ないのですが、これを伝えると「2つを合わせた融資額が多すぎでは?」とか「制度融資ではどのような申し出をしたのか?」などと追及される可能性があります。
なので、このような場合には下記の回答例のように話していただくのがよいと思います。
なお、日本政策金融公庫側では、制度融資への申込みをしているかどうかはわからないので、ご安心ください。
【回答例】
現時点では制度融資の申込みは考えていませんが、今回の申込みで不足が出る場合には補充的に、制度融資の利用も検討したいと考えています。

以上が主な面談時での質問例とその答え方となります。
このすべてが聞かれるわけではありませんが、最低でもこれらのことは聞かれる可能性がありますのでの、きっちり頭に入れて面談に望んでいただきたいと思います。

まとめ

以上のように、金融機関との面談で質問される項目はほぼ決まったものとなっていますので、事前の準備や対策を怠らないことが面談成功のカギとなります。

しかし、これ以外に聞かれやすいものとして、その会社独自の状況についての質問というものがあります。例えば、飲食店であれば「なぜ、この場所を選んだのか?」や「このスタッフ人数は多すぎるのでは?」といった質問がこれにあたります。

このような質問に対しては、それぞれのお店の計画を踏まえながら回答していく必要がありますが、「自分の店の場合にはどんなことが聞かれるのだろう?」といった心配がある場合には、ご相談いただければ予想される質問や回答を一緒に考えさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

 


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