融資の面談で聞かれた「実例14の質問と模範回答」を公開。

金融機関との面談日本政策金融公庫

これから融資を受けようとされる方の中には、金融機関との面談が怖いという方が少なくありません。

「どんなことを聞かれるのだろう?」
「うまく計画内容を説明できるだろうか?」
「質問に答えられなかったらどうしよう!」

初めての経験で、こんな不安をお持ちになるのはよくわかります。
しかし、金融機関との面談はシッカリ対策をして臨めば、思うほど怖いものではありません。
面談を受けた方の印象としても、その多くは「思ったほどではなかった」というものです。

とはいえ、やはりはじめての方にとっては緊張するものです。
また、言ってはいけないことなどもあります。

ここでは実際に日本政策金融公庫の面談で聞かれた14の質問を例にして、面談までの流れや、回答のポイントについてご説明します。

融資の面談の概要と注意点

日本政策金融公庫との面談の流れと概要

日本政策金融公庫における面談は、次のような流れや体制で行われます。

面談の連絡

融資を申し込むと

➀「その場で面談日の希望を聞かれる場合」
➁「何日かしてから連絡が来る場合」

の2つのケースがあります。

いずれの場合も、金融機関の都合も加味した上で、面談日や場所が決められます。

けれど、必ずそれに従わないといけないわけではありません。
もし、それが自分の都合に合わなければ、ハッキリ自分の希望を伝えましょう。


場  所

面談はあらかじめ指定された場所で行われます。

面談の場所は、通常、金融機関のカウンターや応接で行われますが、申込人の事務所が指定される場合もあります。

 

体  制

面談は、通常、金融機関の担当者1~2名、こちら側1名(本人)という体制で行われます。
しかし、制度融資(信用保証協会付融資)の場合には、さらに協会の人間がこれに加わることがあります。

なお、面談は公庫の方がいくつかの質問をし、本人がそれに答えるという形で進められます。

事業計画書などの資料がある場合には、事前に提出するか、この面談の際に持参するかのいずれかとなります。

 

時  間

面談の時間は「約30分~40分程度」というのが一般的です。

しかし、内容に不審な点がある場合や具体的に聞きたいことがあるような場合には、さらに時間をかけて行われます。

 

質問の内容

質問の内容は、事業に関する基本的な項目がほとんどです。

なので、事業の中身がシッカリと頭に入っていれば、特に問題ありません。
とはいえ、ときにはすぐに答えにくいものや、意地悪な質問がされることもあるため、しっかりとした対策を準備しておく必要があります。

 

絶対聞かれる2つの質問


いろいろな質問がされる中で、特に注意しなければならないのが

「自己資金をどうやって作ったか?」
「家賃や公共料金などの支払いの遅れについて」

という2つの質問です。

特に新創業融資制度を利用する場合には
創業にかかる経費の1/10以上の自己資金が必要
という条件があるた
め、この点についてはかなり深掘りした質問がされます。

なので、この2つの質問については、必ず対策をしておいた方がよいでしょう。

 

「自己資金をどうやって作ったか?」

自己資金については、

➀ 実際に事業で使用している通帳
  (法人の場合は、法人名義の通帳)

➁ 事業の元手が入っている個人の通帳

の両方を見て確認が行われます。
もし、対象となる通帳が複数ある場合は、そのすべてを持参します。

ケース別 必要となる通帳の種類


ここで確認がされるのは、

「 自己資金をどうやって作ったのか? 」

という経緯についてです。

確認されることは、ケースによって異なります。

➀ 自己資金が給与などを貯めたものである場合
自己資金が給与や退職金などを貯めたものである場合には、その経歴が通帳でわかるため、それ以上聞かれることはないでしょう。
➁ 給与等が現金の場合
給与等が現金で支給されている場合には、通帳の記録だけではその経緯はわかりません。
そのため、この場合には給与明細などの提出が必要となります。
③ 自己資金の中に親などから贈与された資金が入っている場合
自己資金の一部を親などから贈与されている場合は、その事実を説明しなければなりません。
そのためこの場合には、親への確認がされる他、その親の通帳の提出を求められることもあります。

 

家賃や公共料金などの支払いの遅れについて

家賃や公共料金などといった定期的に支払うものに遅れがある場合には、必ずその経緯を聞かれます。

この確認の対象となるものとしては、以下のものがあります。

● 家賃
● 公共料金
● クレジットやローンの支払い
● 携帯電話の料金
● 住宅ローンや固定資産税の支払い

これらの中に、支払いがなかったり、遅れている月がある場合には、それだけで融資はかなり厳しくなってしまいます


また、確認される通帳の範囲は、「直近より約1年程度前」
までというのが一般的です。

なので、もし、最近の支払いにこのようなことがある場合には、しばらく申込みを見合わせるということもした方がよいかもしれません。

なお、通帳の確認で重要となるのは「期限までに支払いがされているか?」ということです。

したがって、申込みの時までに遅れ分まとめて払うというのは、あまり意味がありません。

 

その他の聞かれやすい質問とポイント


以上の他に、面談で聞かれやすい質問としては以下のようなものがあります。

Q1 自己資金はいくらなのか? どうやって貯めたのか?

自己資金は、これが入っている通帳や預金・定期の残高証明などを提示します。

親からもらった資金などが入っている場合にはその箇所を提示するとよいでしょう。

具体的にどのようなものが自己資金となるのかや、自己資金の範囲については、 「80%以上の人が知らない!自己資金がなくても新創業融資制度は借りられる!」に詳しく説明しているので、こちらをご参照ください。


Q2 公共料金や家賃の支払いは、どうやっているのか? 支払いに問題はないか?

公共料金や家賃を口座引き落としで支払っている場合には、その箇所を提示します。
また、その場合には支払った用紙の残票や、家賃の支払い帳などを提示します。

なお、この際には毎月の支払いの経緯が連続していることが重要となります。
もし、支払いが連続していない月や遅れた月があると融資に不利となりますので、事前に確認してから申し込んでください。


Q3 営業場所はどこなのか?

営業場所については、その証明としてテナントの賃貸契約書や不動産屋の間取図などを提出します。しかし、この場合、必ずしも正式な契約までしている必要はありません。

この際に住宅地図のコピーや、建物外観の写真を用意しておくと好印象となります。
ただし、面談の時までにそのテナントが他に借りられてしまったりすると、その融資の申込みもやり直しとなってしまいますのでご注意ください。


Q4 なぜ、この事業を始めようと思ったのか?

これはほぼ聞かれる質問の一つですが、ここで重要なのが「公利」という視点です。
その動機が単に自分の金儲けだけを考えたものではなく、多くの人に利益を与えるもの、いわゆる「公利」にもつながるという点をアピールできれば、金融機関の評価は高くなります。

【回答例】
「私は子供の時、誕生日にオムライスを食べてこんなにおいしいものがあるのかと感動しました。それと同時に、それを家族が一緒に喜んでくれたことが飲食業にあこがれを持ったきっかけです。今後は自分でおいしいものを提供するだけでなく、あの時と同じように多くの人に笑顔になってほしいという思いから飲食店を始めることにしました。」


Q5 これまでに何か自分で事業をしたことはあるか?

この質問は、一見、過去の経験を聞いているように思えますが、うっかり「YES」と答えると融資が受けられなくなってしまう可能性があります。

なぜなら、新創業融資制度を利用できるのは「開業前、または開業後二期以内」の方だけだからです。なので、以前に事業経験があったことがばれてしまうと、創業融資の適用外となってしまう可能性があります。

もし、何らかの事業経験が過去にあったとしても、ここでは「NO」と答えてください。
なお、アルバイトや社員として働いた経験は、ここでの事業をしたことには当たりません。


Q6 テナントは借りるのか? なぜその場所で営業するのか?

テナントを借りて営業する場合は、契約までを締結しておく必要はありません。
不動産屋の間取り図(住所や家賃、保証金の額も記載されているもの)を提出するのでもOKです。

また、「なぜその場所を選んだか?」については、「単に家賃が手ごろだったから」とか「自分の好みにあったから」などのあいまいなものではなく、しっかりとした根拠ある回答が必要です。【回答例】
この場所は大通りからは一本奥に入った通りですが、次のようなメリットがあるためこの場所を選びました。
➀ 大通りから見込み客を誘導できる場所であること。
➁ 近隣に同じような業種の店が少ないこと。
③ 統計調査の結果から、比較的購買力の高いターゲット層が見込めること。
④ 同じような条件の他地域と比較して、家賃相場が安いこと。


Q7 営業時間は? 定休日は?

営業時間や定休日は、単にこれを決めてあるだけというでなく、以下のように売上げの計算にも直接かかわってくるので注意してください。

【例】
営業日:月~土の6日間(月24日) 営業時間:17:00~23:00の6時間
平均来客数:15人 平均客単価:3,000円
売上げの見込額:6h×15人×3,000円×24日=648万円/月


Q8 主力となる商品は何か?

サービス業や小売業などでは、
◆ 主力商品が売り上げに占める割合
◆ 仕入先
◆ 掛け率
◆ 売掛・買掛の期間(サイト)
などについても答えられるようにしておいた方がよいでしょう。

また、仕入先は、できるだけ一社に絞らず、複数業者を用意しておくようにします。もし、特定の主力商品がない場合には、自分で考えた客単価などをベースに説明します。
具体的な方法については「事業計画書の成功実例を完全公開!」の記事で解説していますので、ご参照ください。

【回答例】
今回、予定しているのは居酒屋なので、主力商品といったものはありませんが、客単価は2,700円程度を予定しています。この金額の根拠としては当店メニューでいえば、ドリンク@500円×2、メインメニュー600円×1.5、サブメニュー400円×2の組み合わせを想定しています。


Q9 月の売上や経費の見込み額はいくらか?

月ごとの売上げの目標を考える際に気をつけるべきなのは、「根拠なく右肩上がりの数字にしない」ということです。

通常、どんな商売でも季節的に売れる、売れないの変動(季節変動)やその業種特有の波があります。しかし、これを無視した計画は信ぴょう性の乏しいものとなってしまいます。

売上げを作る際の注意点については、「創業融資を引き出す売り上げの作り方」の記事で解説していますが、例えば、座席についても常に満席にするのではなく、死席なども想定した計算式とする必要があります。


Q10 取引先はどういう会社なのか?

取引先の商号・本店・事業内容などの他に、そこからどの程度の仕入れや販売をする予定なのかを答えられるようにしておくのが望ましいです。

なお、もし、仮にその会社に問題がある、非合法的なことをしているなどの場合には、審査の上でも大きな不利となりますので仕入れ先選びには注意してください。

【回答例】
食材のうち、精肉については〇〇商店から約〇万円を、野菜については〇〇株式会社から約〇万円を、その他食材については〇〇物産から約〇万円を仕入れる予定です。


Q11 なぜ、計画通りの売り上げを達成できると思うのか?

このような質問をされた場合には、過去に行った同種の事業の経験から十分可能と考えているということを前面に出して自信を持って説明します。

また、できないことや経験がないものについては無理に「できる、頑張る」などと主張するのでなく、その点については他の人材にまかす、外注するなどといった現実的なプランを考えておきましょう。
フランチャイズの場合には、本部から同程規模の店舗の平均的なデータをもらい参考にすると内容に信ぴょう性が増します。

【回答例】
私は実際の経営に携わってきたことはありませんが、以前の飲食店勤務でホールと調理を担当してきたので、メニュー作成、原価計算、接客については自ら対応します。また、これまで担当した店舗の中で赤字を出したことがないことから、今回の営業についても同様に黒字化することは可能と考えています。しかし、経理については経験がないので、この点については経理の実務経験者を採用して対応したいと考えています。


Q12 もし、計画通りにいかず、返済ができなくなったらどうするつもりか?

通常は、ここまで突っ込んだ質問はあまりないのですが、以前のお客さんの例ではこのようなケースもありましたので、以下を参考に事前に回答を準備しておいた方がよいでしょう。

【回答例】
現時点でそのようなことは考えていませんが、もし、経営がうまくいかなくなった場合には、何らかの原因があると思われるので、まずはその原因を究明し赤字になる前に対策を講じたいと考えています。


Q13 営業に必要な許認可の見通しは?

飲食店の営業に必ず必要となるのは、保健所の営業許可と食品衛生管理者の資格なので、この2点については早めに対策をしておくべきです。

しかし、保健所の営業許可は内装設備および電気、水道の開通ができた後でないと行うことができませんので、この点については、工事会社との調整も必要となります。

また、深夜営業をする場合には、これらとは別に「深夜酒類提供の届け出」を警察に提出する必要があるためこれについての予定も伝える必要があります。

【回答例】
保健所の指導により、営業許可の申請は工事完了の10日までに出すこととなっているので、工事業者との調整の上、〇月〇日頃には取得する予定です。


Q14 信用保証協会融資(制度融資)への申込みはしているのか?

たまに、担当者から「制度融資の利用はしているのか?」と聞かれることがあります。

制度融資との併用自体については問題ないのですが、これを伝えるとそちらの状況をいろいろと聞かれる可能性があります。
なので、このような場合には下記の回答例のように話していただくのがよいと思います。

【回答例】
現時点では制度融資の申込みは考えていませんが、今回の申込みで不足が出る場合には補充的に、制度融資の利用も検討したいと考えています。


以上が主な面談時での質問例とその答え方となります。

このすべてが聞かれるわけではありませんが、最低でもこれらのことは聞かれる可能性がありますのでの、シッカリと頭に入れて面談に望んでいただきたいと思います。

まとめ

以上のように、金融機関との面談で質問される項目はほぼ決まったものとなっています。
なので、事前の準備や対策を怠らないことが面談成功のカギとなります。

しかし、一般的な質問以外にも、その会社独自の状況に関する質問のがあります。
例えば、「立地が良くないのでは?」とか「この広さでスタッフの人数が多すぎるのでは?」などがこれにあたります。

このような質問に対しては、それぞれのお店の計画を踏まえながら回答していく必要がありますが、「自分の場合には何を聞かれるのだろう?」といった心配がある場合には、ご相談ください。
予想される質問や回答を一緒に考えさせていただきます。

 


プロフィール
融資コンサル
引地 修一

119番資金調達NETの引地です。

創業者・中小企業経営者の方向けに、
● 融資の申込みの計画・申請、
● 事業計画書の作成、金融機関との交渉
● 契約・許認可手続き、経営の再建
などの「中小企業のお金と経営」をサポートしています。

特に、融資関係については、すぐに問題解決の提案をする「即効提案」がお客様から好評をいただいています。

【経歴】
2005年に金融・経営を専門とするIchigo(一期)行政書士事務所を開設。
2008に業界初の融資ノウハウをまとめた「確実に公的創業融資を引き出す本」を出版。異例の6刷増刷を達成。※現在も継続中。

コンサルティングでは、2020現在、累計相談者数2,000人を突破。6億2,000万円の資金調達額を達成中。
2008年に創業者支援団体ドリームゲートにて「資金調達部門」最優秀アドバイザーを受賞

【資 格】
行政書士、宅地建物取引主任、事業再生アドバイザー、品川区武蔵小山創業支援センター公認アドバイザー

【出版実績】
2008.12 「確実に公的創業融資を引き出す本」(TAC出版)を出版
     アマゾンレビュー評価4.2
2011.08 「銀行格付けアップ術」
2014.07 「飲食開業のための公的融資獲得完全マニュアル」

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