中小企業の経営者の方の多くは「担保や保証人がないと、まとまった額の融資が受けられない」と思っているのではないでしょうか?
しかし、実際はほとんどの方が無担保・無保証で融資を借りられています。
なぜなら、公庫の「担保を不要とする融資」を利用すれば、簡単な条件で無担保・無保証の融資を受けることが可能だからです。
もし、あなたが担保や保証人なしで融資を受けたいというのであれば、ぜひ、この制度を使っていただければと思います。
「担保を不要とする融資」とは?
「担保を不要とする融資」は、以前は「第三者保証人を不要とする融資」といわれていましたが、最近このような名称に変わりました。
利用の条件
この融資を利用するための条件は、以下のとおりです。
ただし、原則として所得税等を完納していること
この融資の利用条件はたったこれだけです。
ただし、この要件を満たせばだれでも融資が出るというわけではなく、その決定は事業実績や事業内容を確認した上で行われます。
参 考 日本政策金融公庫の審査落ちの理由と基準について
その他の条件
融資限度額 | 4,800万円 |
返済期間 | 各融資制度に定める返済期間以内 |
利 率 | 2.06~2.55% ※2021.04現在 |
担保・保証 | 担 保:無担保 保証人:法人営業の方・・・代表者の方のみ 個人営業の方・・・不要 ただし、次の方については保証を求められることがあります。 ・実質的な経営者 ・事業承継の予定者 |
「担保を不要とする融資」の特徴
「担保を不要とする融資」は単独では利用できない
「担保を不要とする融資」は、単独の融資制度ではありません。
日本政策金融公庫の融資を利用する場合は、一部の制度を除き、「担保または保証人」を必要とするというのが原則です。
しかし、それでは資金力や財務力の弱い中小企業では融資が受けられなくなってしまうため、これを救済するための制度ががこの「担保を不要とする融資」です。
この制度は、通常の融資を利用する場合に一定の範囲でその融資を無担保・無保証で利用できるようにするための、いわば「枠」を設定するための制度となります。
なので、この融資を利用する場合には、これ単体ではなく、例えば
● 「普通融資」+「「担保を不要とする融資」
● 「企業活力強化資金」+「「担保を不要とする融資」
などのようにベースとなる融資と組み合わせて利用することになります。
融資上限額について
この制度の融資上限額は、4,800万円です。
しかし、これを「企業活力強化資金」と組み合わせて利用する場合、「企業活力強化資金」の上限額は7,200万円となっています。
このように併用する2つの融資制度で上限額が異なる場合、無担保・無保証で利用できるのは、「担保を不要とする融資」の上限である4,800万円までとなることに注意が必要です。
返済期間について
この制度を利用した場合の返済期間は「各融資制度に定める返済期間以内」とされています。
これはこの制度が前述のように、他の融資制度と併せて使うタイプのものだからです。
なので、仮に「企業活力強化資金」+「担保を不要とする融資」という組み合わせで利用する場合は、その返済期間は「企業活力強化資金」の7年以内(運転資金)または20年以内(設備資金)という期間が適用されることになります。
連帯保証について
この制度を利用した場合は、無保証人で融資を受けられます。
しかし、ここでいうところの無保証人とは、「第三者の保証人が不要」ということを意味するものです。
したがって、この制度を利用した場合であっても、法人についてはその代表者は連帯保証人となるだけでなく、その実質的な代表者や過半数の株式を有する方、事業承継の場合の後継者なども連帯保証人となります。
なお、個人の場合には、事業主が借入人兼連帯保証人となります。
まとめ
「担保を不要とする融資」の特徴をまとめると次の通りとなります。
■ 税務申告を2期以上行っている企業が利用できる。 ただし、原則、所得税の納付が条件。 ■ 融資限度額は4,800万円。返済期間は元となる融資の期間内。 ■ この制度単独ではなく、必ずベースとなる他の融資とあわせて利用する。 ■ 無担保・無保証で利用できるが、法人については代表取締役やこれに準ずる者は連帯保証人となる必要がある。 |
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