日本政策金融公庫に融資が断られた原因はこれだ!

融資断られた原因日本政策金融公庫

創業融資は一発勝負です。
なぜなら、もし失敗してしまうと、半年~1年の間は融資が借りにくくになってしまうからです。

しかし、一説によれば、創業融資が希望額通りに成功したという人の割合は、全体の30~40%程度とも言われています。また、一部では「創業融資は簡単」と考えられている風潮もありますが、審査は年々厳しくなっているというのが現場を通じての実感です。

では、創業融資の失敗にはどんなものがあるのでしょうか?

ここでは、創業融資失敗のケースを通して、どこに失敗の原因があったのかについてご説明します。

日本政策金融公庫の融資失敗の傾向


失敗の理由で特に多いものは次の5つとなります。

創業融資失敗のベスト5

★ 創業計画書の内容に説得力がない
★ 信用力に問題がある
★ 自己資金が足りない
★ 借入額が多すぎる
★ 面談内容に問題ある

このうち「事業計画書の内容に説得力がない」、「自己資金が足りない」などは創業融資に特徴的なものといえますが、失敗の原因はこれだけでなく多岐にわたります。

これらをよく見てみると失敗の原因は

◆ 条件違反による失敗
◆ 信用問題による失敗
◆ その他の理由による失敗

の大きく3つに分類することができます。

条件違反による失敗について

「条件違反に関する失敗」とは、創業融資で定められた条件を守らなかったことによって失敗したケースです。

これには次のものが該当します。

「申し込みの条件」を満たしていない

これは一見、すぐにわかりそうなものにも思えますが、意外と見落としている場合もあります。

たとえば、新創業融資制度では、「雇用の創出を伴う事業であること」という条件がありますが、にもかかわらず創業計画書では人を雇う内容になっていないなどがこれに該当します。
※ 参考:最新の実例見本で解説! 飲食店創業融資のための事業計画書(創業計画書)の作成

また、同じくこの制度では、「事業開始後税務申告を2期終えていない方」というのが融資申し込みができる対象なのですが、この期間を過ぎてしまっているというケースも目立ちます。

このようなミスを防ぐには、「融資の申込みの条件をよく見る。」ということにつきるのですが、慣れていない方などはなかなか細かな部分の意味や内容がわからなかったりします。

なのでもし、申し込みの条件やガイダンスを読んでもよくわからないという単語や意味があった場合にはそのままにせず、専門家や金融機関に確認しておくことが大切です。

自己資金が少ない、もしくはない

日本政策金融公庫の新創業融資制度については「事業にかかる費用の1/10以上の自己資金があること」という厳格な要件があります。

したがって、これを守れない場合には、融資が資本金に見合った額にまで減額されるか、もしくは融資自体が否決されてしまうこととなります。
※ 参考:80%以上の人が知らない!新創業融資制度の「自己資金」の疑問をすべて解説! 

なお、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」他の一定の条件に該当する場合には、自己資金がなくとも申し込むことができることになっています。

しかし、このような条件にあたらない場合には、自己資金がない状況での融資は難しいと考えた方がよいでしょう。

営業場所が決まっていない

創業融資を申し込む際には、開業場所が明確になっていることが不可欠です。

けれど、ここでいう「開業場所が明確である」とは、融資の申込みの時までに正式な賃貸契約が締結されていなければならないということではありません。

例えば
手付金を支払っている
不動産屋から物件の間取り図(家賃やその他の経費が入ったもの)をもらっている
という程度でも融資の申し込みをすることできます。

要は、「どの物件を、どんな条件で借りるのか?」が特定できればOKということです。

しかし、融資を申し込んだ後、審査の途中でその物件がキャンセルされてしまったり、他人に取られてしまったというような場合には、融資は取り消しとなってしまいますので、少なくとも結果の連絡があるまでは確実に確保できる物件であることが必要です。

求められた資料を提出できない

創業融資を申し込む方の中には、たまに金融機関から求められた資料をいつまでも提出しないという方がいます。

しかし、金融機関としても審査をする上で必要だから求めているわけなので、これを提出しなければ良い結果を期待できないのは当然です。また、期限までに提出しないような場合にも、「ルーズな人」というマイナスの印象を持たれてしまいます。

資料の提出期限については、必ず、担当者から指示があるはずですので、求められたものはすみやかに作成して提出する必要があります。

融資できない事業である

一般的な金融機関では、制度上、融資することができないとされている業種があります。
たとえば、風俗営業やパチンコ、ラブホテルの営業などがこの代表ですが、「あなたも対象かも?融資・保証を受けられない業種やケースとは?」でご紹介したように、それ以外でも融資の対象とならない業種は数多く存在します。

また、たとえ実際にはこれらの事業を行っていなくとも、それが会社の事業目的として登記されているときには、それだけで融資対象外とみなされてしまうこともありますので注意が必要です。

なのでもし、会社の登記の中にそのような目的が入っている場合には、あらかじめその目的を削除しておいた方が融資対策上は安全です。

必要な許認可がとれていない

営業をする際に必要な許認可が取れていなければ、融資がされないのは日本政策金融公庫、信用保証協会いずれにおいても共通です。

しかし、保健所の営業許可については例外で、日本政策金融公庫では融資の申込み時にこれが取得できていなくても、融資の完了までにこれを取得しておけばよいというのか一般的な取り扱いとなっています。※参考:飲食店の営業許可を一発で取る!申請・書き方マニュアル

しかし、これ以外の深夜営業の届出や建設業の許可などについては、融資の時までにこれが取得できていないと融資がされませんのでご注意ください。

信用に関する失敗

 

身なりや態度に問題がある

身なりや態度に問題があるからと言ってそれだけで融資が出なくなるわけではありませんが、それが常識を外れたものである場合には、やはり減点の対象となります。
例えば、融資の申込みや面談の時に高級車で乗り付ける、高額な時計をしていくなどとというのはやめた方がよいでしょう。

意外と、金融機関の人間はこのような細かな点まで見て人物評価をしていますので、できればスーツや小ざっぱりとした服装で望みたいものです。

消費者ローンからの借り入れが多い

消費者ローンからの借り入れについても、これがあるからただちに融資がダメというわけではありませんが、その額が多い場合にはやはり融資審査に悪影響を与えます。

よく、「車のローンや生活用品の購入でクレジットをしているので心配」という方もいらっしゃ
いますが、これら非事業性ローン等は大きな額でない限りあまり問題になりません。(ただし、延滞などはダメ)

しかし、その中身が事業性のものである場合は、「過去に事業をしていた」=「創業ではない」ということになってしまいますので、その金額にかかわらず注意してください。
※ 参考:いくらまで借りられる?借入限度額の計算法

申込人等の信用情報に問題がある

過去にローンやクレジット等の返済について延滞や未払いがあるとその情報は「事故歴」として信用情報機関に登録されます。これがいわゆる「ブラック情報」というものです。

金融機関では、このブラック情報を共有しており、他の信用情報機関のものであってもこれを確認することができますので、もし、事故情報がある場合には融資が否決される可能性が非常に高くなります。

どの情報が登録されるかや、どのくらいの期間登録されるかについては、
「開業融資にどう影響する? 信用情報のウソ、本当」をご参照いただければ詳しく解説していますので、気になる方はこちらについてもご参照ください。

その他の理由による失敗

創業計画書の内容に説得力がない

創業融資で最も多い失敗の原因がこれかもしれません。

創業計画では、主な審査の拠り所となるのが創業計画書、自己資金、面談の3つしかないので、その出来不出来は結果に重大な影響を及ぼします。特に、創業計画の中で重視されるのが「売り上げの根拠」です。

これがあやふやだったり、弱い計画では、まず、希望額の融資を獲得することはできません。
したがって、創業計画ではいかに、この部分にいかに説得力を持たせられるかということが重要な課題となります。

たとえば、売上げ一つをとっても、「なぜ、その売上げがあげられるのか?」、「その根拠となる具体的な計算などはあるのか?」、「それらの数字には根拠があるのか?」といったことに答えられなければなりません。

この売上げの根拠をどうやって作るのかについては、「金融機関が認めた。融資を引き出す売上げの作り方」の記事で詳しく解説していますのでお役立て下さい。

面談内容に問題ある

金融機関との面談は、本来、さほど難しいものではありません。
たとえば、聞かれる項目も
「なぜこの事業をはじめようと思ったのか?」
「事業の強みと思う部分はどこか?」
といった基本的なものがほとんどです

しかし、計画の内容がキチンと頭に入っていなかったり、自己資金の出所について説明できない場合には、融資はかなり難しくなってしまいます。

また、中には意地の悪い質問をする担当者などもいますが、これに対して感情的になったり、怒り出してしまうような場合には必ずマイナスの評価となりますので、そのようなことのないよう十分に気をつけてください。

よく聞かれる質問とそれに対する回答の仕方については、日本政策金融公庫の面談ではこれが聞かれた!実例14の質問と模範解答を公開。でまとめていますので、どのような質問がされるのかについて知りたい方は、ぜひ、お役立てください。

申込人の税金の未納、滞納がある

政府系融資は国の税金を利用して運営しているので、税金の未納や滞納がある場合には、それが1回だけでも融資は出なくなってしまいます。

なので、もし、過去に滞納などがあった場合には、速やかにこれを解消してきれいな履歴(6ヶ月~1年程度)を作ってから申し込んだ方が確実となります。

なお、日本政策金融公庫の新創業融資制度では今のところ納税証明書の提出は要件とはなっていませんが、実際の申込みの時には担当者の判断で提出を求められることもあるので注意してください。

決算書の中身に問題がある(1期の税務申告を終えている場合)

新創業融資制度の申込みでは、申込時に1期を過ぎている方もいますが、このような場合には創業計画書だけでなく、決算書の提出も求められます。

そしてこの場合には、事業計画書の中身より1期目の経営成績がどうであったかということに重点をおいた審査が行われることとなります。

なので、もし、1期目の成績がよい場合にはこれが大きな武器となりますが、これとは逆に成績が振るわない場合には、決算を迎える前に創業融資を申し込んだ方がよいケースもあります。

まとめ

以上のように融資の失敗原因は多岐にわたりますが、どれ一つとっても融資の成否に影響する可能性があります。その中にはすぐに対策ができるものもありますが、信用情報の履歴のように対策のためには長い時間が必要となるものも少なくありません。

冒頭でも申し上げたように、創業融資は1回失敗してしまうと、まともに融資をしてもらえるようになるまで半年〜1年位の時間がかかってしまいます。しかし、そうなると、ケースによっては、創業融資を利用できる期間が過ぎてしまうということもあり得ます。

なので、できるだけ高い確率で創業融資を成功させたいのならば、まずは早い段階で専門家に意見を聞いたり、事業プランを見てもらうことをおすすめします。

 


プロフィール
融資コンサル
引地 修一

119番資金調達NETの引地です。

創業者・中小企業経営者の方向けに、
● 融資の申込みの計画・申請、
● 事業計画書の作成、金融機関との交渉
● 契約・許認可手続き、経営の再建
などの「中小企業のお金と経営」をサポートしています。

特に、融資関係については、すぐに問題解決の提案をする「即効提案」がお客様から好評をいただいています。

【経歴】
2005年に金融・経営を専門とするIchigo(一期)行政書士事務所を開設。
2008に業界初の融資ノウハウをまとめた「確実に公的創業融資を引き出す本」を出版。異例の6刷増刷を達成。※現在も継続中。

コンサルティングでは、2020現在、累計相談者数2,000人を突破。6億2,000万円の資金調達額を達成中。
2008年に創業者支援団体ドリームゲートにて「資金調達部門」最優秀アドバイザーを受賞

【資 格】
行政書士、宅地建物取引主任、事業再生アドバイザー、品川区武蔵小山創業支援センター公認アドバイザー

【出版実績】
2008.12 「確実に公的創業融資を引き出す本」(TAC出版)を出版
     アマゾンレビュー評価4.2
2011.08 「銀行格付けアップ術」
2014.07 「飲食開業のための公的融資獲得完全マニュアル」

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