金融機関が認めた!創業融資を引き出す売上げの作り方。

売上げの作り方日本政策金融公庫

皆さんは、創業融資の事業計画の中で最も評価に影響する項目をご存知でしょうか?

それは「売り上げ」です。

売上げはすべての利益のもととなるため、いかにこの部分の内容に信ぴょう性や妥当性があるかどうかで融資が決るといっても過言でありません。

しかし、いくら売り上げが重要とは言っても、やみくもに金額を増やしたり単価をあげるようなことをすれば、かえって評価を大きく下げてしまいます。

金融機関に信用される売上げを作るためには「数字の根拠」と「説得力」が何より重要となります。

ここでは、金融機関を信用させ、希望額の融資を引き出せる売上げの作り方とそのポイントについてご説明します。

創業融資を引き出す売上げの作り方

金融機関が納得する「売り上げ」の3つのポイント


創業融資の事業計画書を作るうえで、いちばん重要なものとは何だと思いますか?

「創業にかける熱意でしょうか?」
「感動的なストーリーでしょうか?」
それとも「見やすい文書や構成力でしょうか?」

確かにこれらのものも必要とはなりますが、金融機関が融資の判断で最も重視しているのは「売上げと利益」です。

金融機関では最終的に残った利益で問題なく返済ができるかを見ているわけですが、そもそも利益は売上げがなければ出ないわけで、そういった意味では売り上げは計画のすべてのもととなります。

では、金融機関は売上げのどんな点に注意してみているかといえば、その主なポイントは以下の3つとなります。

事業計画書の売り上げのポイント

売上げの金額・・・いくらの売り上げを予定しているのか?
売上げの妥当性・・・その売上げで返済ができるだけの利益は出るのか?
売上げの根拠・・・売り上げの根拠は何か?信用できるものなのか?

※ 参照:最新の実例見本で解説! 飲食店創業融資のための事業計画書(創業計画書)の作成

この内容に妥当性があれば、希望額通りの融資がでますが、そうでない場合には減額されたり、面談でその根拠を聞かれるということになります。

金融機関を納得させる「売り上げ」の作り方

よくお客さんが作った事業計画書を拝見して「どうやってこの売り上げを作られたのですか?」と聞くと、多くの方が「以前の経験から」とか「この程度は欲しいから」とお答えになることが少なくありません。

確かにある程度の売り上げがないとまともな事業計画書にならないという考えはわかるのですが、単に月の売り上げが1,000万円とか2,000万円と書いてあったとしても、金融機関からすればほぼ意味がないものということになります。

何故なら、その売り上げには根拠がないからです。

売上げにおいて、「なぜ、そうなるのか?」という根拠は絶対、必要なものです。
このことは、担保も保証もさらに実績もない創業融資の場合には、なおさら重視されます。

売上げは以下のように、業種によって計算の方法が変わります。

◆ サービス業関連業種(飲食店営業、理・美容業など)
  客単価  × 席 数 × 回転数
◆ 労働集約的な業種(自動車販売業、機械修理業、接客業業など)
  従業者1人当たりの売上高  × 従業者数
◆ 販売業で店舗販売のウェイトが大きい業種(本屋、コンビニなど)
  1㎡(または1坪)当たりの売上高  × 売場面積
◆ 設備の生産能力による業種(製造業、印刷業など)
  設備の生産能力  × 設備数

たとえば、飲食店の場合には一番上の計算式を使いますが、これは最も単純なケースであって実際にはこれだけでは売り上げを予測することはできません。なぜなら、実際の営業では月による客入りの増減や、客席の利用率などの問題があるからです。

ここまで考慮することにより、はじめて根拠のある売り上げが作れることになるわけです。

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飲食店の場合の正しい売り上げの計算

では、以下では、回転率や客入り、座席の利用などを考慮して補正をした場合の売上げの計算例をご紹介します。

たとえば、飲食店のケースで先ほどの算式を使って売上げを計算した場合には、次の式のようになります。

客単価 (2,500円)×  席 数(15席) ×  回転数(1.2回転) = 45,000円

しかし、本当にこの予測は正しいといえるのでしょうか?

まず客単価についてですが、ランチ営業をしている場合にはランチとディナーとでは当然、料金は変わります。

客単価  2,500円   ⇒   ランチタイム  1,000円  ディナータイム  2,500円

また、座席については席数そのものに変わりはありませんが、そのすべてが常に満席で埋まるということはありません。したがってこれについても状況に合わせて補正する必要があります。

席 数(15席) ⇒ 【席占用率補正】 ランチタイム  0.75 ディナータイム  0.65

同様に、回転数についてもランチとディナータイムとでは異なるため、状況に合わせて補正する必要があります。

回転数(1.3回転) ⇒ 【回転率補正】 ランチタイム 1.4 ディナータイム 1.2

さらに、飲食店に限らずたいていの業種では、一年間を通じて客が入りやすい時期とそうでない時期があります。いわゆる「繁閑期」というやつです。したがってこれについても補正して売上げの根拠に入れます。

繁閑期補正率  ⇒ 【通常期】1.0回 【繁忙期】0.8 【閑散期】1.25回

 

これらを考慮考して予測をした場合の売り上げは、次のようになります。

正しい補正をした場合の売り上げの予測

【通常期】
<ランチタイム>
客単価 (1,000円)×席数(15席)×席補正率(0.75)×回転数(1.4回転)×繁閑期補正率(1.00)
<ディナータイム>
客単価 (2,500円)×席数(15席)×席補正率(0.65)×回転数(1.2回転)×繁閑期補正率(1.00)

【閑散期】(1、2、6月  繁閑期補正率 0.80)  
<ランチタイム>
 客単価 (1,000円)×席数(15席)×補正率(0.75)×回転数(1.4回転)×繁閑期補正率(0.80)
<ディナータイム>
 客単価 (2,500円)×席数(15席)×補正率(0.65)×回転数(1.2回転)×繁閑期補正率(0.80)

【繁忙期】(11、12月  繁閑期補正率 1.25)
<ランチタイム>
 客単価 (1,000円)×席数(15席)×補正率(0.75)×回転数(1.6回転)×繁閑期補正率(1.25)
<ディナータイム>
 客単価 (2,500円)×席数(15席)×補正率(0.65)×回転数(1.2回転)×繁閑期補正率(1.25)

客単価の考え方について

なお、客単価については次のような方法による算定が考えられます。

➀ 同規模、同程度の他店の平均額を参考にする方法
➁ 自店の客層やメニュー金額から積み上げて算定する方法

【①について】
この場合は、参考にできる店舗があればそれを採用することができますが、通常はこのようなデータは公開されていないため、その中身はかなりカンに頼ったものとなりがちです。

算定例 メイン客 30~40歳のサラリーマンの場合

<予定メニュー>
・お 通     300~400円  ×1
・ビール・サワー 500~600円  ×2
・低価格料理   300~400円  ×2
・通常価格料理  600~800円  ×1
計 
300円 + 500円×2杯 + 300円×2品 + 600×1品 = 2,500円/人
      ※ 想定額は、他店価格の最低額を適用して算定した。

 

【➁について】
一方、➁の場合には、来客する客の年齢、性別などはある程度想定できるので、これに自店のメニューの単価を組み合わせれば、かなり説得力のあるものとなります。

算定例 メイン客 30~40歳のサラリーマンの場合

<予定メニュー>
・お 通      300円  ×1
・ビール・サワー  500円  ×2
・低価格料理    300円  ×2
・通常価格料理   600円       ×1
計 300円 + 500円×2杯 + 300円×2品 + 600×1品= 2,500円/人
※ 想定額は、自店のメニュー価格を適用して算定した。

実際の売り上げがこの通りになるかどうかはわかりませんが、売上げ予測の根拠としては単純に2,500円/人とするよりも、よほど説得力のある数字とすることができます。

さらに計画を魅力的にする奥の手とは?

ここまでの説明で、「なぜ売り上げの根拠が必要なのか?」と「それをどのように説明するか?」についてはご理解いただけたと思いますが、最後に一つ大きな問題が残っています。

それは「どうやって集客するか?ということです。

どんなに売り上げの説明や計算が優れていても、そもそもそれを実現するプランがなければ、計画自体が「絵にかいた餅」になってしまいます。

この時に必要となるのが「集客のプラン」です。

集客方法にはチラシ配布、ネット広告、タウン誌への掲載など各種の方法がありますが、利用する媒体が複数の場合にはそれぞれのについて売り上げの集客のプランを考える必要があります。

集客プランの例

<チラシ配布のケース>
配布予定枚数 10,000枚  一般的な反応率 1% 一般的な集客率 反応数の30%を想定
予想される集客数 10,000×0.01×0.3=30件

<ネット広告のケース>
予想表示回数 20,000回  クリック見込み率 0.5% 一般的な集客率 クリック数の20%を想定
予想される集客数 20,000×0.005×0.3=20件

集客については、上記のように標準的とされる数値を使って説明をすることにより、これらを積み上げて集客プランの根拠とします。

ここで最も重要なのが、「反応率や集客率には、一般的な数字を使う」ということです。

せっかく詳細なプランを作ったとしても、この部分が自分に都合のよいものになっているとしたら、プラン全体の信用性が失われてしまいます。

したがってこの部分の数字については、自分で実際に広告をしてみた時の数字や、もしくはネットの中でも信ぴょう性のあるデータを参考にする必要があります。

 

とはいえ、「いくらデータを積み重ねたとしても、それはあくまでも想定でしょ?」
とお考えになる方もいるかもしれません。

けれど、創業計画である以上、それは当然のことであって、このような集客も計算通りにできるという保証はどこにもありません。ひょっするとお金と時間をかけたのに、「効果0」いうこともありえます。

しかし、ここで重要なのは、金融機関の納得を引き出すということです。

そして、そのために必要なのは「論理的な説明」なのです。

創業者に今の時点で「結果を見せろ!」というのがムチャ振りなのは金融機関でもわかっていることです。
ですが、かといって根拠のない計画にお金を貸すわけにもいきません。

そこで信じるに足るものが「事業計画書の内容」=「信頼するに足りる根拠」となるわけです。

よくある事業計画書では、売り上げの見込みや補正の考えを入れたものはよくありますが、集客にまで踏み込んで根拠を示したものというのはほとんどありません。

したがって、そこまですれば非常に強いアドバンテージとなるわけです。

創業融資の資金調達で希望額の獲得を望むなら、ぜひとも押さえておきたいポイントです。
※ 参照:絶対した方がいい!評価される創業計画書を作るための5つの確認

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