【スナック・ガールズバーの開業資金】融資の出やすさはどのくらい?

日本政策金融公庫

「スナックやガールズバーで開業資金の融資を受けることはできるのだろうか?」
「どこの金融機関が貸してくれるの?」
「風俗店との明確な違いはどこ?」

これからスナックやガールズバーの開業で融資をお考えの方には、こんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
なのでここでは、スナック・ガールズバーの開業資金の融資を受けやすくするためのポイントについてご説明します。

スナック、ガールズバーの開業資金の特徴


「スナック」は、古くからある飲食系の分野ではありますが、営業の形態としては風俗営業との境が曖昧になりやすいため、この点について注意しないと最悪、融資を受けることができなくなってしまいます。

また、最近では女性スタッフがカウンター内でお酒を作ったり、給仕をする「ガールズバー」も増えており、この分野における業態は年々、複雑化してきています。

スナックやガールズバーの営業をするには開業資金の確保や保健所の営業許可の他にも、深夜酒類提供の届け出(午前0:00を超えて営業する場合)の手続きが必要となります。

また、金融機関によってはスナックやガールズバーに対して融資をしないところもあるため、どの融資が利用できるのかをあらかじめ知っておくのも必要です。

以下、これらについて具体的に説明していきます。

業界の概要について

伝統的なスナックは衰退の傾向にありますが、最近ではガールズバーなどの若い女性スタッフを中心とした業態が増えています。

スナックやガールズバーを経営面からみた場合の特徴としては、

◆ 調理技術がなくとも始められる。
◆ 比較的低資本で始めやすい。
◆ 普通の飲食よりも原価は低く、客単価は高くなりやすい。

というメリットがある反面

◆ 最近では利用する人が減ってきている。(スナック)
◆ 人件費が高額となりやすい。(ガールズバー)

◆ 回転率が低い、景気により客足が大きく左右されやすい。
◆ 立地や女性スタッフの質により、売上げが大きく左右される

といった特徴があります。

飲食店に必要な許可・届出、風俗営業との違い

飲食店に必要な許可と届出は何?

スナックやガールズバーの営業をするためには、事前に「保健所の営業許可」を取得しておく必要があります。
※ 参考:飲食店の営業許可を一発で取る!申請・書き方マニュアル

また、これ以外にも、深夜0時を超えて営業する場合には保健所の営業許可とは別に、所轄の警察署に対して「深夜酒類提供の届け出」を提出しなければなりません。

それぞれの手続きの概要しては以下の通りとなります。

提出先提出期限費 用その他
営業許可保健所施設工事完了予定日の10日前まで18,300円飲食店の営業では必須
深夜酒類提供届警察署営業開始の10日前まで不 要深夜0:00を過ぎて営業する場合

※ 都道府県によって異なります。

保健所の営業許可が比較的簡単な手続きで済むのに対して、この「深夜酒類提供の届け出」では内装設備や、お店の構造などについて厳格な要件にもとづき図面を作成する必要があるため、一般の方ではなかなか手続きができません。
なので、そのような場合には、行政書士などの専門家にお願いすることをお勧めします。

 

深夜酒類提供の届出は、営業の開始の10日前までに届け出をしておく必要がありますが、単に書類や図面を提出をすればよいというわけではなく、その内容について警察のOKをもらわなければ届出をしたという扱いになりません。※内容に不備がある場合には、受け付けてもらえません。

 

接待行為とは?

スナックやガールズバーの営業をするうえで問題となるのが、「接待行為」です。

通常、スナックやガールズバーでは女性がお客の相手をしますが、この行為が「接待行為」にあたらないようにしなければなりません。

「接待行為」とは「特定少数の客の近くにはべり、継続して、談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供したりする行為」とされ、具体的には次のような行為はすべて接待行為とされます。

接待行為の例
 ◆ カウンターを超えてお客に同席する
 ◆ 特定のお客と長時間にわたって歓談する
 ◆ 特定の客やグループに歌やダンス、ショウを披露する。
 ◆ カラオケを勧めたり、歌の最中に手拍子をとったり、ほめはやす、デュエットをする


これに対して「不特定のお客と談笑する」
、「手拍子や酒の準備をする」、「カラオケのセッティングをする」
などの
行為は接待に当たらないものとされています。

もし、これらの接待行為をする場合には、営業許可とは別に風俗営業の許可を取得しなければなりません。

しかし、この風俗営業の許可を取ってしまうと金融機関からは風俗営業店として見られ、融資を受けることができなくなってしまうので注意してください。

また逆に、「深夜酒類提供の届け出」を出した場合には、風俗営業の許可を取ることができなくなります。

スナック・ガールズバーの開業と融資について

スナック・ガールズバーの開業融資が受けられる金融機関


では、そのような接待行為を行わない、「スナック」や「ガールズバー」の営業をする場合に、金融機関から融資を受けられるかといえば、その取扱いについては次の通りとなっています。

日本政策金融公庫の場合
「 原則、O     K 」
信用保証協会付の融資(「制度融資」)
「 N G。ただし一部の地域を除く 」

大創業融資のうちの一つが使えないのは残念ですが、やむをえません。

では、市中の一般的な金融機関がスナックに対して融資をするか(このような融資を「プロパー融資」といいます)についてですが、これも融資をNGとするところが多いようです。

このようにスナックの開業資金の融資で使えるのは、実質的に日本政策金融公庫だけといえます。

したがって、スナックでの融資を希望される場合には、日本政策金融公庫の新創業融資制度に的を絞った対策をするのがよいでしょう。

スナック・ガールズバーの開業融資の特徴と攻略ポイント

スナックやガールズバーの開業に利用できる融資としては、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」があり、無担保・無保証で最大3,000万円までの借入れが可能です。

この制度の条件やポイントについては、新創業融資制度の使い方完全解説!自己資金がなくても0K?制度融資との関係は?で詳しく説明していますが、この融資を利用するためには、次の要件を満たす必要があります。

「新創業融資制度」の要件
・ 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていないこと
・ 他人を雇用すること、現在勤務している仕事と同じ業種の事業を始めることなどといった要件のいずれか
  に該当すること(但し、1,000万円以内の借入れの場合には本要件を満たすものとされます)
・ 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総
  額の10分の1以上の自己資金があること

スナックやガールズバーの開業は、前の設備をそのまま使用する「居ぬき」の形態であれば、極端に大きな金額はかからないのが普通です。

しかし、新規の開業の場合には多額の資金が必要となりやすいため、「日本政策金融公庫の融資だけで足りるのか?」、「足りない場合にはどうするのか?」といったことについても事前の計画を立てておくことをお勧めします。

また、この融資では審査の途中で必ず、金融機関との面談が行われます。
こちらについては日本政策金融公庫の面談ではこれが聞かれた!実例14の質問と模範回答を公開。 をお読みいただければ、「面談がどのような感じで行われて」、「どんなことを聞かれるのか?」がお分かりいただけると思います。

スナック・ガールズバーの開業にかかる経費はどのくらい?

スナック・ガールズバーを開業する場合、「新規で立ち上げて営業するのか?」、「それとも居抜き物件を利用するのか?」により初期経費のかかり方が大きく異なります。
ここでは、一般的な例として、それぞれでかかる経費のモデルをご紹介します。

スナック開業(新規・居抜き)のモデルケース

新規開店居抜き開店
物件取得費用275万円 ※1275万円
設備関連費(内装費を含む)1,100万円 ※2500万円
備品・消耗品       150万円100万円
運転資金(仕入代を含む)465万円※3465万円
合  計   1,990万円1,340万円

※1 保証金(家賃8ヶ月分)、礼金1ヶ月分、仲介手数料1ヶ月分、前家賃1ヶ月分 家賃は25万円で試算。
※2 内装費(坪単価40万円×15坪)、什器250万円、ソファ類150万円、看板その他100万円で試算。
※3 仕入代150万円、家賃(25万円×3ヶ月分)、人件費(@2,000円/h×5h×25日×2人×3ヶ月分)、光熱
費・その他消耗品(30万円×3ヶ月)

物件取得費用

店舗を借りるための費用は地域によってかなり異なりますが、保証金は家賃の6~10ヶ月、礼金、仲介手数料、前家賃がそれぞれ1ヶ月分というところが多いようです。

設備関連費

設備関連費としては、主に内装工事費、外壁塗装費、冷暖房機器などがあげられます。
一般的な内外装費としては30~50万円/坪が相場ですが、繁華街での開業や内装等を豪華にした場合には、この倍くらいのコストがかかることもあります。

このケースでは、既存のテナントにある程度の手を加えて仕上げる場合を想定していますが、まったくのスケルトン状態からの開業の場合には、さらに設計費がかかるうえに工事費用も割高となります。

備品・消耗品費

什器、イス、テーブル、食器、照明、カラオケ曽田の音響設備などがこれに該当します。
これらは新品で購入するとかなりの額となりますが、テンボスなどの中古販売店を利用することにより、かなりコストを抑えることができます。

運転資金

家賃、人件費、仕入れ代、水道光熱費、おしぼりその他消耗品がこれに含まれます。
運転資金は多く借りられればその分安定した経営ができますが、スナックなどのような現金商売では、融資が受けられるのは約3ヶ月分というのが一般的です。

なお、運転資金で見落としがちなのが「クレジットの利用料」です。
その料率はカード会社によって変わりますが、4~7%というのが一般的です。
この利用料はお店の負担となるため、クレジットの利用が多いところについては、これについても経費を見込んでおく必要があります。

スナック・ガールズバー開業時の許認可の注意点

スナックやガールズバーを開業する場合のスケジュールは、以下の通りとなります。

 開店までのスケジュール

➀ 物件の選定、デザインの決定
➁ 店舗の契約
③ 内装工事着手
④ 営業許可の申請・取得
➄ 備品、什器等の購入
⑥ 人材の募集、採用
➆ 営業許可の申請・取得
⑧ 内装等の工事完了
⑨ 深夜酒類営業の届出
⑩ 仕入れ準備
⑪ オープン

なお、ここで注意していただきたいのが、各作業の順番です。
上記の作業については次のような決まりがあるため、手続きの順番をむやみに入れ替えたり、間違ってしまうとオープンに間に合わないということになりますので、十分な確認が必要となります。

工事に着手できるのは賃貸借契約の締結後

テナントを借りて営業する場合、大きく分けて次の2つのやり方があります。
➀ 手付を打って、融資が出るまで正式な契約については待ってもらう。
➁ 先に諸費用を全部支払い、賃貸借の契約をした上で融資を申し込む。

本来であれば➀のパターンが望ましいのですが、この場合には融資が出なかった場合のリスクを最小限に抑えられる反面、契約をするまで工事ができないというデメリットがあります。

したがって、通常は➁のパターンによることになるため、工事ができるのは契約の締結後ということになります。

保健所の営業許可の申請ができるのは、ある程度工事が完了してから

保健所の営業許可は書類の提出だけでなく、店舗の実査も行われます。
この実査とは、店舗の構造や設備があらかじめ定められた基準に適合しているかどうかを検査するものです。

この実査の際には「ある程度の衛生設備が整っていること」と、「電気・水道が使えること」が最低条件となるため、工事がある程度完了するまでは申請そのものがができないことに注意が必要です。
※参照 飲食店の営業許可を一発で取る!申請・書き方マニュアル

深夜酒類の届け出は、営業許可が出た後に申請

午前0:00を超えて営業する場合には警察へ「深夜酒類提供営業開始の届出」をする必要がありますが、この申請をする際には保健所の営業許可証のコピーを添付することとなっています。

したがって、申請の順序としては「保健所への営業許可の申請」→「警察への深夜酒類営業開始の届出」という順番で申請する必要があります。

深夜酒類営業開始の届出をする場合の注意点

「深夜酒類営業開始の届出」をする場合にはいくつかの条件があり、この条件を満たせない場合には、届出を受理してもらうことができません。届出に必要な主な条件は、以下の通りとなります。

 営業所の設備要件

・客室の床面積が9.5㎡以上であること(客室が1室の場合は制限はありません)
・客室に見通しを妨げる設備(概ね1m以上)がないこと
・ショーを見せるなど、深夜において客に遊興させないこと
・営業所内の照度を20ルクス以下としないこと 
・騒音または振動を条例で定める数値以下とすること
 場所的要件(東京都の場合:各自治体の条例により要件は異なります)
東京都で深夜営業ができる地域は、原則、以下の2つとなります。
・商業地域
・近隣商業地域

ガールズバーの営業について

カウンター越しに女性のバーテンダーや給士が接客をする、いわゆる「ガールズバー」は、スナックの場合と同様に、保健所の食品営業許可と深夜酒類提供飲食店営業開始の届出(午前0時以降も営業する場合)があれば営業することができます。
しかし、女性がお客様の隣に座って話したり、談笑の相手となったりする、いわゆる「接待行為」は禁じられています。
もし、このような接待行為をする場合には、風俗営業許可の「1号営業許可」の取得が必要となりますが、この許可を取った場合には深夜営業をすることができなくなってしまうことに注意してください。
また、ガールズバーではスナックよりも接待行為が行われやすい環境であるため、スナックに比べて警察の警戒の目も厳しいものとなっています。なお、それ以外の点についてはスナックの営業と基本的に同じですが、融資をうける場合には少し気をつける点があります。それは「ガールズバー」という業態を嫌がる金融機関も少なくないということです。
ですので、ガールズバーで融資をうける場合には、あまりこの点がストレートに出ないような計画を作った方が無難といえます。

スナック・ガールスバ―の融資の出やすさは?

融資の出やすさ
60 / 100  ~  75/100    ※最高を100とした場合
※この数字は個人的な知見によるものであり、融資の成功を保証するものではありません。


なお、事業計画書の作成にあたっては、
資金面のことだけでなく、営業の健全性やオリジナルなアイデアなどをPRできるような内容にした方が金融機関に対してよりよい印象となるでしょう。

例)
「昼間の時間は、地域の高齢者のボランティア会場として貸し出す」
「女性ソムリエによるワインを売りとした営業を行う」
「昼間の時間は地元の方向けのカラオケ喫茶として営業する」
「深夜0時を超えての営業を行わない」

 

まとめ

 スナック・ガールズバーは、調理技術がなくとも比較的低資本で始めやすい。
◆ その反面、女性スタッフの質や景気により客足が大きく左右されやすい特徴がある。
◆ スナック開業には営業許可が必須だが、深夜営業をする場合には「深夜酒類提供届出」も必要。
◆ 「接待行為」を行わないように注意!
◆ 開業資金の融資は、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」をメインに考える。
◆ 事業計画書には、資金的な計画だけでなく、独自のアイデアがあると融資が通りやすくなる。

 

スナック・バー・ガールズバーの許認可と融資手続きについてはIchigo(一期)行政書士事務所をご利用ください!
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