金融機関はここを見て貸している!

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資金調達をする際には「決算書」や「試算表」の提出を求められるのが普通です。

でも、決算書や財務指標と聞くと、それだけで拒否反応を起こされる方も少なくないの
ではないでしょうか?

確かに、金融機関側で確認する項目や指標の数はかなりの数に上りますが、資金調達を
する上で融資
の審査に大きく影響するポイントというのは実はそんなに多くありません。

また、特に重要な数字については、各指標ごとで何度も使われるため、これらの数字を
改善できれば
自然と他の項目についても改善の効果が表れることとなります。

とはいえ、そうはいっても、「何をどうすればよいかわからない」という方がほとんど
だと思います。

そこでここでは、融資をする上で、金融機関が決算書のどこに特に注目して見ているか
を説明します。

 

融資審査の評価をよくするための改善ポイント

1.資本の部は「債務超過」になっていないか?

「債務超過」とは、現在ある資産よりも負債の方が多い状態をいいます。

この場合、決算書上では、資産の部の総額よりも負債の部の総額が上回っており、資本
の部の
合計金額のところに△(マイナス)が表示されます。

このような状況にある場合には、以下の対策を行わなければ十分な融資を受けることが
できないだけでなく、回収の対象にもなりかねない危険な状況です。

【対  策】
◇ 今後、利益を計上しながら徐々にマイナスをなくしてゆく。
◇ 手っ取り早い方法としては、社長が会社に貸付けているお金を資本金に充当する。
◇ 協力会社から、または社長自らが増資をする。

2.毎月の返済利益はでているか?

通常、融資を受けた場合、その返済できる額の限度は「 減価償却額 + 税引き後利益 」
となり、この額を超えての返済は不可能となります。もし、税引き後利益が赤字ならば
返済資源は減価償却分だけとなるので、その分、新規の融資
は難しくなります。

金融機関が融資をする際には、税引き後利益よりも「営業利益」を重視します。
なぜなら、税引き後利益は本業以外の要素(たとえば、特別償却など)により変動する
からです。

なので、ここの部分が黒字ならば、まだ本業での稼ぐ力はあると見ます。

そのため、仮に「税引き後利益」(最終の利益)が赤字でも「営業利益」で黒字を確保で
きる場合には、まだ資金調達できる可能性があります。

【対  策】
◇ 役員報酬を減らして利益を出す。
◇ 税引き後利益は赤字であっても、特別損失に振り替えられる費用(設備の除却損損
  
土地の売却損等)は特別損失として計上し、営業利益では黒字を確保する。

3.適正な減価償却を行なっているか?

税法上では、固定資産の減価償却は任意とされていますが、金融機関では固定資産の償
が正しく行われているかどうかを厳しくチェックしています。そしてもし、これに不
足がある場合には融資審査の際の評価も大きく下がることになります。

なお、「今期は苦しいから」といって、期によって減価償却をしたり、しなかったりと
いうのは
資金調達対策上は禁物です。
また、法律の耐用年数に準じた償却年数になっているかについても注意してください。

ちなみに、決算書の上では、法律で定められた減価償却をしていない場合には、その不
足分「償却不足額〇〇円」として記載されるため、十分な減価償却をしていないことが
すぐにわかってしまうため、ご注意ください。

【対  策】
◇ 適正な減価償却を毎期、継続して行なう。
   但し、償却方法を途中で「定額法」から「定率法」へと変更するのは不可。
◇ 償却不足分がある場合には、適正額となるまで償却を行い、不足をなくす。

4.既存の借り入れ金とのバランスは適正か?

2.のところで、融資の返済の元となるのは「 税引き後利益 + 減価償却費 」の合計額で
あると
説明しました。
これは、新規の融資を受ける場合には、これまでに借りている分についてだけでなく、
これから借り
ようとするものについても、あらかじめその財源を考慮しておかなければ
ならないということを意味し
ます。

これを式で表すと以下のようになります。

 長期借入金の合計額(既存+新規分) /  償却前利益(減価償却額+税引き後利益)

したがって、この値があまりにも長期となってしまうような場合には、新規の融資は難
しいということ
になります。
ちなみに、一般的な企業ではこの期間の上限は10年とされています。
なお、たとえ借入金額が変わらない場合でも、償却前利益が少なくなっている場合には
その分返済期間は長くなって行きます。

5.価値のないものが資産として計上されていないか?

貸借対照表の「資産の部」に計上されている資産にはいくつも種類がありますが、その
全てが額
面どおりの価値があるものばかりとは限りません。

実際には価値がないものの例
 〇 流行の遅れや品傷みがあるような商品(在庫)
 〇 名目だけで中身のない繰延資産
 〇 事実上、回収ができなくなっている売掛金
 〇 簿価より実際の額が安くなっている有価証券

本来、これらについては、その実情に合わせた会計処理(時価での見直しなど)が必要
となるのですが、企業によっては
これをそのまま計上している場合も少なくありません。
かし、金融機関では、このような資産については、適正な相場にもとづいて本来の正
い資産価値に引きなおした上で評価をします。

そのため、あまりに内容が実態とかけ離れている場合には、経営者本人も気がつかない
に債務超過の会社となってしまっていることがあります。
このようなケースでは、
当然に融資審査上でも、減点の対象となります。

私のお客さんで、自分の会社の未払い金などを奥さんが経営する第二会社にすべて付け
回し、自分の会社は優良だとして金融機関から融資をうけようとした方がいましたが、
この場合には第二会社も一体のものとして見られ、すべての金融機関から融資を断られ
たという方がいました。

このように金融機関では、その会社単独での経営状態だけを見ているのではなく、第二
会社がある場合にはその会社の内容を含めてどうかということを見ますので、単なる負
債の付け回しや、融通取引などは意味がないということになります。

 6.税金や公共料金、家賃等の未払いはないか?

融資の申し込みで特に気をつけなければならないのが、「税金類の未払い」です。
特に制度融資や政府系金融機関を利用した融資の場合には、これらのうち1つでも未払い
や延滞があると門前払いとなってし
まう可能性があります

なお、ここでいう税金とは、基本的にその種類を問いません。
しかし、税金については、分割払いが可能な場合や、納税の予定が確認できる場合には、
例外的に融資がされる
こともありますので、このような場合には金融機関へ相談してみ
てください。


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