見本で解説!日本政策金融公庫の創業融資の手続きの流れと必要書類

必要書類日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の創業融資では、申し込みの際に一定の書類が必要になります。
また、手続きについても申し込んでから結果が出るまでには、ある程度の時間がかかります。

ここでは、実際の融資で使用した資料やスケジュール表などを使って、融資の申し込み後の流れと必要書類についてわかりやすくご説明します。

融資申込の流れと期間

創業融資の「申し込み」~「融資の実行」(入金)がされるまでの一般的な流れと時間については、以下の図のように全体で約1~1.5月の時間がかかるのが普通です。

また、営業をするうえで許認可が必要となる場合には、原則、融資が実行されるまでに許認可を取得しておかなければなりません。
もし、許認可の取得が間に合わないような場合には、その間の営業ができないのはもちろんですが、融資についても保留となってしまいます。

したがって、融資を申し込む場合には、そのことだけを考えるのではなく、必要となる許認可の取得についてもスケジュールをたてて、両者の間にずれが生じないようにする必要があります。

なお、ここでは日本政策金融公庫だけでなく、東京都の制度融資を申し込んだ場合の手続きの流れも一緒に掲載しましたので、手続きの違いを比較してみてください。

融資の申込みと各手続きの流れについて

融資手続きの流れ

※ ここにあげた各作業の順序や期間は一つの目安です。

日本政策金融公庫の創業融資の手続き

融資の申込み

融資の申し込みの際には、
■ 
融資申込書
■  自己資金の確認できる通帳
■  事業計画書
■  営業場所の賃貸借契約書
■  設備の見積書
■  登記簿謄本(法人の場合)
などを提出します。
※ 詳細については、この後記載した必要書類の箇所を参照ください。

なお、申し込みは、営業予定の店舗所在地を管轄する支店に対して行います。
自宅の住所の管轄ではないのでご注意ください。
参 考
 日本政策金融公庫業務区域一覧 

店舗や本店の現地調査

店舗や本店の実地確認は、融資の申し込み後、約7~10日の間に行われます。

現地調査は、面談の前に店舗や申込人の本店について行われるのが一般的ですが、面談の時にこれを一緒に行うこともあります。

この調査は、主に以下の点について確認がされます。

■  本当に事務所の実態があるのか?
■  事務所であることを示す表札やプレートがあるか?
■  使用されているのか?
■  実際の営業が可能そうか?(立地や広さ)
■  営業をする上で問題となる点はないか?

なお、事務所がシェアオフィスである場合もこの調査は行われます。
参 考 飲食店の立地・店舗の選び方。融資審査に必須のポイントは?

公庫の担当者との面談

公庫の担当者との面談は、店舗等の確認後、約5~7日の間で行われます。

場所と人数
公庫の担当者との面談は、公庫の支店または申込人のオフィスのいずれかで行われます。

その際の相手の人数は1~2名が一般的です。
申込人側については、本人の他、あらかじめ公庫の了解が取れている場合には、関係者や税理士などの専門家を同席させることもできます。

面談の時間
面談の時間は、通常は30~40分程度ですが、事業内容に不審な点があるときや自己資金の出所が不明のような場合には1時間以上となることもあります。

なお、面談で聞かれる質問内容は、いずれも基本的なものですが、事業計画書の内容をシッカリ覚えていない場合には答えられませんので、事前に十分な対策をしておく必要があります。
参 考 日本政策金融公庫の面談ではこれが聞かれた!実例15の質問と模範解答を公開

公庫からの事前連絡

公庫との面談後、約7~10日後に融資の結果について公庫からの連絡があります。

連絡は電話または封書で行われ、融資の可否(減額の場合はその額)と融資を受けるかどうかについてについての確認がされます。

融資の契約手続き

融資結果についての連絡後、約5~7日後に融資の契約手続きが行われます。

契約手続きは日本政策金融公庫の支店で行われ、この際に融資額の記入された金銭消費貸借契約書への署名捺印を行います。

融資の実行(融資額の振込み)

融資の契約手続きが行われた後、7~10日後に申込人の指定した口座への振込手続きが行われます。

他の手続きとのスケジュールの調整

営業のために何らかの許認可が必要となる場合には、融資手続きとあわせてスケジュールの調整をする必要があります。
なぜなら、許認可の取得が融資手続きよりも遅いと、せっかく融資が出たのに営業ができないということになってしまうからです。

またこれは、許可だけに限らず、内装工事の進捗などについても同じことがいえます。
内装工事は、通常、着手金・中間金の支払い(ない場合もあり)・清算金の支払いという手順で行われますが、清算金の支払いまでに融資が間に合わないと、工事が止まってしまったり、使用ができなくなってしまう可能性があるためです。

したがって、融資の申込みの時には、これらの関連する手続きと一緒に全体のスケジュールを考える必要があります。

作業全体のスケジュール例 

さらに、飲食店での営業では、「営業許可の取得」以外にも
●  食品衛生責任者の資格取得
●  生活衛生営業の場合の知事推薦書の取得
   ※ 公庫で500万円以上の融資の場合に
必要
●  深夜酒類営業届(12:00を超えて営業する場合)
なども必要となるため、これらの進捗についてもあらかじめスケジュールに組み込んでおく必要があります。
※ 参照:生活衛生営業での知事推薦書の取り方。生活衛生営業指導センターへの対応法。

創業融資の必要書類

日本政策金融公庫の新創業融資制度を申し込む場合には、以下の資料が必要となります。

① 借入れ申込証
 申込人の身分証明書
 (
法人の場合は会社登記簿謄本) 
③ 自己資金を証明できる資料

 創業から1年を経過している場合には決算書および試算表
➄ 設備の見積書
⑥ 賃貸契約書またはテナントの場所を特定できる資料
➆ 許認可の必要なものについては、許認可証
⑧   都道府県知事の「推せん書」


借入れ申込証

「借入申込証」は、融資の申込みをするための書類です。
これには以下のことをを記入します。

● 申込人の住所、氏名
● 申込金額
● 借入希望日
● 返済期間
● 資金使途

新創業融資制度を希望する場合には、表下のA「担保の提供や第三者の連帯保証を希望しない」の枠の左下の「新創業融資制度」の箇所にチェックを入れます。

なお、用紙は各支店で入手できる他、日本政策金融公庫のホームページからダウンロードすることもできます。

※ 参照:借入申込証のダウンロード

申込人の身分証明書

申込人の身分証明書として、免許書または顔写真入りの他の資料を提出します。
法人の場合には、会社の登記簿謄本(取得後3ヶ月以内)もあわせて提出します。

創業計画書

公庫所定の様式の「創業計画書」を提出します。
なお、内容を用紙に書ききれない場合には別紙に記載しても構いません。

実際の記入の仕方については、「事業計画書の成功実例を完全公開の記事をご参照ください。

自己資金を証明できる資料

新創業融資制度を利用する場合には、「創業経費の1/10以上の自己資金」が必要となるため、これを証明する資料を提出します。

通常は、自己資金の入った代表者個人と会社(法人の場合)の通帳の現物を面談時に提出します。

さらに、それだけで自己資金を貯めた経緯を説明できない場合には、過去の通帳や退職金の支払い証明、生命保険の解約証などを資料として提出します。
※ 参考:80%以上の人が知らない!新創業融資制度の「自己資金」の疑問をすべて解説!

決算から半年以上経過している場合には、決算書と試算表

新創業融資制度は、「創業前の方または事業開始後税務申告を2期終えていない方」が申し込める融資です。

このうち1期目の税務申告を終えている方については、創業計画書の他に1期目の決算書と1期~2期目の試算表を提出します。 ※決算日から6ヶ月以上経過している場合

この場合の決算書は税務署に提出して受付印の押されたものが必要ですが、試算表については自分で作成したものでも構いません。

設備の見積書

設備資金の融資を申込む場合には、その設備の見積書を提出します。
なお、見積書は有効期限内のものを使用します。

賃貸契約書またはテナントを特定できる資料

■ 賃貸している自宅を本店や営業の根拠地として利用する場合
■ 飲食店などでテナントを借りる場合
には、そのテナントの間取り、家賃、その他の費用が記載された資料を提出しますが、申込みの時にすでに賃貸契約を締結している場合には賃貸契約書を提出します。

融資申込時には必ずしも賃貸契約を結んでいる必要はなく、不動産の間取り図などを提出するでもOKです。
※ 参照:飲食店の立地・店舗の選び方。融資審査に必須のポイントは?

なお、自宅を事務所として使用する場合は、賃貸契約書の用途が「事務所」または「住居兼事務所」となっていなければなりません。
この用途が単に「住居」となっている場合には、その場所での開業が認められないことがあるので、注意が必要です。

許認可の必要な場合には、許認可証

営業をするうえで許認可等が必要な場合には、その許認可証を提出します。

飲食店の場合には保健所の営業許可が必要となりますが、営業許可を取得するためには店舗の実査が必要となるため、日本政策金融公庫では例外的に営業許可については融資申し込み後の取得でもよいこととなっています。

ただし、正式にこれを提出するまでは融資は実行されず、その間は保留となります。
※ 参照:飲食店の営業許可を一発で取る!申請・書き方マニュアル

都道府県知事の「推せん書」

飲食店の営業をする方が500万円をこえる融資を申し込む場合には、「生活衛生営業指導センター」の発行する知事の推薦書を提出する必要があります。

そのため、融資申込前にセンターで手続きをして、この推薦書の交付を受けておく必要があります。
※ 参照:生活衛生営業での知事推薦書の取り方。生活衛生営業指導センターとは?

その他の書類

日本政策金融公庫の新創業融資制度では必要書類とされていませんが、ケースよっては「納税証明書」の提出を求められることがあります。

納税証明書とは、確定申告書等を提出した場合の納税額、所得金額又は未納の税額がないことの証明書です。
納税証明書には4種類ありますが、どれが必要かについては担当者の指示に従ってください。

● 納税証明書(その1)
  納付すべき税額、納付した税額及び未納税額等の証明

● 納税証明書(その2)
   所得金額の証明

● 納税証明書(その3)
   未納の税額がないことの証明

● 納税証明書(その4)
   滞納処分を受けたことがないことの証明

納税証明書(個人)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

日本政策金融公庫の新創業融資では、「融資の申込み」〜「融資の実行」までに約1ヶ月~1.5ヶ月の時間がかかるため、これらの手続きの流れを頭に入れたうえで準備をしてください。

●  融資の申込み~現地の調査 7~10日
●  現地の調査〜担当者との面談 5~7日
● 担当者との面談~事前の連絡 7~10日
● 事前の連絡~契約手続き 5~7日
● 契約手続き~融資の実行 7~10日

なお、この融資のスケジュールだけでなく、営業のために許認可等が必要となる場合には、事前にその取得をしておく必要があるため、これらについても問題なく取得できるように計画を立てておく必要があります。

また、必要書類については、ケースによって準備するものが異なることがありますので、事前に担当者からの指示を仰ぐようにしてください。

なお、119番資金調達NETでは、新規開業資金の申込みのサポートの他、、このブログではご紹介していないテクニックや注意点についても、直接、その方の状況にあわせてアドバイスしています。
随時、初回の相談無料でご利用いただけますので、お気軽にご相談ください。

 

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プロフィール
融資コンサル
引地 修一

119番資金調達NETの代表引地です。
創業者・中小企業経営者の方向けに、 融資の申込みや事業計画書の作成計画・経営の改善などのサポートをしています。これらに関するご質問であればたぶん90%くらいの確率で、回答できると思いますので、お気軽にご相談ください。

【主な経歴】
・2005年Ichigo(一期)行政書士事務所を開設。
・2008 「確実に公的創業融資を引き出す本」を出版。※6刷増刷中
・2008 ドリームゲート「資金調達部門」最優秀アドバイザーを受賞
・2011 「銀行格付けアップ術」出版
・2014 「飲食開業のための公的融資獲得完全マニュアル」
・2021現在、累計相談者数2,000人を突破。

【持っている資格】
行政書士、宅地建物取引主任、事業再生アドバイザー、品川区武蔵小山創業支援センター公認アドバイザー

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