テレビや広告では、「お借入は計画的に!」といってるものの、設備投資だ、運転資金
だと借りていたら、「
いつの間にか返済ができなくなっていた。」という経験をお持ち
の方は多いのではないでしょうか?

しかし、ここですぐに「夜逃げだ!」とか「家が売られてしまうのでは?」と考えるのは
チョット早計です。 

確かに借金は、返すのが当然ですが、不意の事故や売上げの減少などで、予定していた
収入がなくなっ
てしまったような場合は、返せなくても無理はありません。

ここでは、一番多いと思われる「事業資金を借りたが、予定外の減収で返済が困難にな
ったケ-ス」を
取り上げて、「返せなくなってしまった場合の対策」~「今の借入金を減
らす方法」を伝授いたします。

 

Ⅰ リ・スケジュール

借入れをされている方の中には、「金融機関への返済は、何が何でも遅らせられない。」
とか「商売ができなくなる」と
考えこんでしまい、挙句の果てには高利のノンバンクに
手を出してニッチもサッチモいかなくなってしまう人もいます。

確かに、最終的にどうしても支払いができなければ、保証人への請求や自宅の売却とい
うこともありえます。
しかし、通常、金融機関は以下のような理由からいきなりそのよう直接的な行動を取り
たがりません。

【 保証人からの取立て 】
「金融機関にとって、周囲に悪い評判が立つ」 
 「道義的にも、直接関係ない人間から取り立てるのは問題になりやすい」 
 「保証人がその金融機関のお客さんである場合には、顧客を失うこととなる」

【 強制競売 】
「昨今の不動産の下落により、融資の全額を回収するのは非常に困難である」
 「手続きに多くの時間と費用がかかる」

そして、厳しい経営状況の中で「返したいけど、返せない」という借主と、「たとえ時
間はかかっても、でき
れば本人から返してもらいたい。」という金融機関の思惑をちょ
うど一致させたのが、冒頭にあげたリスケ
ジュールという手段なのです。

リスケジュールとはどんなことをするのか?

「リスケジュール」とは、何らかの理由により約定で定められた通りの返済ができない
場合に、緊急避難的に
返済の条件を緩和してもらうことをいいます。

一般的な方法としては、以下の3つのパターンがあります。

 ・ 返済期限を延長してもらう(返済額の減額)
 ・ 一定の期間元金または利息の支払いを猶予してもらう(元利金返済の棚上げ)
 ・ 両者の併用

どんな場合にリスケジュールをすべきか?

リスケジュールは、その企業の資産や業績によって異なるので、全てのケースに共通し
た最適なタイミングというの
はありません。

しかし、今後についても利益の増加が見込めず、換金できる資産も全くないというよう
な状態から始めたの
では、遅すぎるというのも事実です。

一般的に、リスケジュールをするためには、金融機関に今後の業績の改善を示すととも
に、業績が回復するまでの期
間について、返済額の変更(当然、減額)を了承してもら
う必要があリます。

従って、業績の回復の見込みが示せないような場合には、金融機関もこれをOKしません。
また、状況によっては、これをチャンスと回収(貸し剥がし)にかかられてしまう危険も
あります。

ですから、もし、リスケジュールを行なうには「まだ、経営を立て直せるだけの余力が
残っているうちに行う」ということ
が重要となります。

リスケを申し出るタイミング

さて、しかし、ここでいう「余力」とは、具体的にどの程度をいうのでしょうか?

これについても、個別のケースにより異なるので、これだとはいえませんが、次のポイ
ントが一つの参考
になると思います。

 ① 今後、半年~1年程度の期間について、資金繰りの予定を立ててみます。
   もし、コレで近いうちに資金ショートの可能性が高い人は、急いで手続きに取り
   かかる
必要があります。そのまま放置すれば、倒産の可能性も高くなります。

 ➁ ここまでで「ひょっとする危ないかな?」と思った方は、今後もまだ本当に事業
   を続けていくつもりなのかどう
かを一度、考えてみてください。
   けど「もう商売はいいや」という方はリスケではなく、事業の売却や清算を考え
   ましょう。

   ここでまだ続けるという人は、とりあえず金融機関に資金調達の申込みを行なっ
   て見てください。
   これで借りられたという人は、とりあえずおめでとうございます。
   これはまだ、金融機関があなたを見放していないということです。

   しかし、借り入れができなかった人については、この時がリスケジュールのタイ
   ミングとなります。

リスケジュールのポイント

ここまでで、「リスケジュールをやってみよう」と決断された方は、以下のポイントを
参考にしてがんばっ
て成功させてください。

リスケジュールに重要なのは以下の点です。

リスケジュールによって経営改善ができるという根拠を、書面で具体的かつ
計画的に示せること。
リスケジュール先の金融機関が複数ある場合には、そのすべてと条件変更の
交渉ができること。
リスケジュール後は、しばらく金融機関からの支援(融資)がなくとも商売
を続けていけること。

       
①について

リスケジュールを金融機関に認めてもらうためには、「明確な方針で」、「具体的な返
済計画」を、「根拠のある数
字にもとづいて作成」し、かつこれを説明できることが必
要です。

「明確な方針」と「具体的な計画」、「根拠のある数字」のどれを欠いても、リスケジ
ュールを認めてもらうことはで
きません。

 「明確な方針」と「具体的な計画」
 これについては、主に以下の点の説明が必要となります。
 ・ 現   状  -当初の経営計画と現状との乖離についての説明 
 ・ 解 決 策  -経営上の対策や修正の他、新たなプロジェクトの展開など
 ・ 目標数値  -3~5ケ年程度の中長期的な販売及び利益予測と返済見通し
 ・ リスケ案  -以上に基づいた具体的な返済額、期間、方法についての要望

 「根拠のある数字」
 ただ単にこんなくらいなら実現できそうだという程度のものではなく、確実な数
 字の積み上げにもとづい
たものであることが必要です。

②について

複数の金融機関から借入れをしている場合には、1行のみについてリスケジュールをし
てもあまり効果はありま
せん。
リスケジュールを成功させるためには、「借入れをしている全ての金融機関」について
「同時に」これを行
なうことが必要です。

また、仮に1行だけについてこれを行なおうとしようとしても、応じてもらえないこと
が多いので、リスジュールケを
する場合には、金融機関全部について根回しをしておく
ことが重要です。

③について

リスケジュールを行った場合には、「債務を完済するか」 もしくは 「通常の返済(リ
スケ前の条件での返
済)」ができるようになるまで、新規の貸出しはされないのが普通
です。
また、リスケジュールを行なった場合、金融機関のその企業に対する格付けが引
き下げられる可能性があります。

そのため、新規の貸出がないので、その後は相当な商売の縮小を余儀なくされます。
この状態がいつまで続くかは、返済計画とその後のガンバリ次第ということとなります
が、コレを乗り越
えてこそリスケジュールの成功があるといえます。
     

 

Ⅱ 借り入れ口数の一本化

リスケとは別に、これと同じような効果をもつものとして「複数の借入れの一本化」と
いう方法があります。

これは、複数本の借入れをしているために毎月の返済額の負担が重いという人にとって
は、非常に効果
的な方法です。

例をあげれば
A銀行から3年の期間で360万円を借りて月々10万円を返済すると同時に、同じく3年の
期間で720万円
を月々20万円ずつ返済している人がいたとします。この場合のこの人の
返済額は、30万円/月となります。

しかし、これでは返済の負担が重いという場合には、この2本の借入を一本にまとめて
返済間を5年に伸
ばせれば、月々の返済額は17万円程度に減らせることになります。

これが、借入本数の一本化です。

これは同じ金融機関に複数の借入れがなければできないことや、金融機関側によっては
認めてもらえない場合もありますが
、一方的に返済条件の変更(減額)を申し出るリスケ
よりは、
まだ、交渉の可能性は高い手段といえます。

また、信用保証協会などでは、これを正規の制度として扱っていますので、信用保証協
会からの保証付き債務が複数ある場合には、まずは窓口に相談してみることをお勧めし
ます。

 

Ⅲ 会社分割による債務の切り離し

会社法の施行により、「会社分割」という制度が新たに作られました。

これはどのようなものかといえば、今ある会社の一部を事業や店舗ごとに分割して、
そのうち健全な部分だけを別
会社として存続するという手法です。

これにより、金融機関からの債務は既存の会社に残し、資産や一部の売掛債権だけを
別会社に移すという
ことができるようになりました。この場合、既存の会社は清算し
てしまうことになるため、これにより金融債務を一気に圧縮することが
できます。

しかし、この方法によるときは、代表者の異なる別会社の用意や登記など一定の手続
きが必要となる他、旧会社と一体の会社とみなされる場合には裁判を起こされる可能
性もありますので、注意が必要です。

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