飲食店の立地・店舗の選び方。融資審査に必須のポイントは?

店舗の選び方日本政策金融公庫

飲食店の開業しようとされる方の中には、「店舗を借りて営業したい」という方も結構いますが、この場合にはちょっと注意が必要です。

なぜなら、店舗を借りて営業するときには、融資のときにいろいろと気をつけるべきことがあるからです。

ここでは、店舗を選ぶ際の融資への影響について、お話しします。

店舗を借りる場合の注意点

飲食店の開業をしようとする場合には、「この立地でお客が呼べるだろうか?」とか「家賃はいくらだろう?」いうことばかりを考えて決めてしまいがちです。

しかし、もし、あなたが創業融資を受けるのならばさらに気をつけていただきたいことがあります。

それは「融資の審査」です。

実は、飲食店の店舗選びと融資の審査との間には、とても密接な関係あります。

なので、いくつかのポイントを守らなければ、営業的にはどんなに素晴らしい店舗でも、融資的にはNGということになりかねません。

たとえば、「どのような用途なのか?」、「契約の形態は?」、「他の事務所の一部を使った間借りではないか?」など、いろいろな点が問題となります。

もし、この点を見落として、後から「この店舗には融資できない」ということにもなったら取り返しがつきません。そうならないためにも、これから店舗選びをする方は立地や外見だけでなく、次のことにもご注意ください。

契約は「事務所用」となっているか?

店舗の契約をするときに、はじめから店舗または事務所用として借りている場合は問題ありませんが、中には住宅として借りた物件を店舗として利用している方がいらっしゃいます。

また、契約の時点であまりこのことを気にせず、住宅用の物件を借りてしまう方もいます。

しかし、融資では住宅用の物件を店舗として契約しているような場合には、用途違反として融資がお断りされてしまいます。

特に賃貸で借りた自宅で開業する場合に「自分の部屋で開業するのだから問題はないだろう」と、この点を確認せずに開業してしまうケースかありますのでご注意ください
※ 参照:日本政策金融公庫に融資が断られた原因はこれだ!

管理規約などによる制限がないか?

物件によっては、利用の際には一定の条件を守らなければならないとされている場合があります。

問えば、次のような場合です。

使用に条件がつけられているケース

◆ 約款や契約により飲食店や風俗店としての利用が禁じられている場合
◆ 営業をするためには管理組合の承認が条件となっている場合

特に管理規約などは見落としてがちなので気をつける必要があります。

このような場合にもそれが原因で融資が下りなくなってしまいますので、ご注意ください。

これは実際にあった話なのですが、居抜き物件でステーキハウスを開業したお客さんが隣接するマンションの住人から苦情を受けるというケースがありました。

原因は肉を焼いたときの排気の匂いだったのですが、前の業種はスナックだったため排気については問題になりませんでした。しかし、前のダクトをそのまま使った結果、このようなことになってしまったようです。

結局、そのお客さんは300万円近くの費用を追加して、ダクトの延長をすることになりました。

このように、水回りの問題や排気などは実際に営業してみなければわからないことも多いため、施工業者に確認しておく必要があります。

転貸借の物件でないか?

「転貸借」とは、大家から借りた物件をさらに借り受けて利用する、いわゆる「股借り」のことを言いますが、このような場合も融資に悪影響を及ぼします。

転貸借の物件に対してどのような判断をするかは担当者によりますが、通常、このようなケースでは「大家から使用の承諾をもらう」、「大家との直接の契約を結ぶ」、「大家と第一の賃借人、転借人の3者の間で契約を結ぶ」 (三者契約)のいずれかを指導されることがほとんどです。

金融機関は転貸借による契約を非常に嫌がりますが、その理由は権利関係が不明確になりやすいためです。

特に転貸借の契約は飲食店やスナックなどに多く見受けられますが、金融機関からよい印象を持たれないだけでなく、もし、大家の承諾等がもらえない場合には融資が下りない原因となります。

やむを得ない場合を除き転貸借での借り受けはやめた方がよいでしょう。

間借りではないか?

「間借り」とは、他の事務所の一部のスペースを借りて営業することをいい、内容的には先ほどの転貸借に近いものとなります。

また、融資の対象となるのは「独立性のある事務所であること」とされていることから、通常、このような形での営業については融資が認められません。

立地的に問題はないか?

以前は事務所としての体裁が整っていればそれで特に問題がなかったのですが、最近では担当者が「立地に問題がある」として融資に消極的になるケースが増えてきました。

一般的に、地下や空中店舗の場合、路面店と比べて集客ができにくいという面があるため、この点を無視して路面店と同じような売上げを見込んでしまうと、審査で問題にされることがあります。

対策としては、「事前にそのような状況を見込んだ売上げを計画する」、「集客についての具体的なアイデアを考える」などが考えられますが、いずれにしてもこのような立地的に不利な場所での開業の場合には、担当者を納得させる必要があります。

以前、自分のお客さんで路地からさらに奥に入った、前面道路の幅が1mくらいしかない飲食店を開業した方がいて、その時にもやはり集客が難しいのではという指摘されたことがありました。

その時には次のような対策を事業計画に盛り込むことにより、何とか担当者の理解を得られ、融資を出してもらうことができましたので参考までにその概略をご紹介します。

集客対策について

◆ 店舗の予定地は、路地裏ではあるが〇〇駅から5分以内と利便性がよく、同駅の乗降者数〇人から推測して〇%程度の呼び込みが可能と考えられること。
◆ 予定地付近〇m以内には今回のコンセプトと類似したお店はほとんどなく、また、飲食店の自体も多くないことから競合上も有利であること。
◆ 周囲にはマンションが多いことから、ここに居住する住民を対象としたチラシのポスティングを行うこと。
◆ 今後は自分も地区の住民の一因となることから、地元の町内会に加入し、積極的に交流することにより、地域住民との交流を深め認知度を高めること。

問題なく物件の確保ができるのか?

店舗を借りてを借りて営業する場合には、最終的には大家との契約が必要となりますが、融資の申し込みの時点では正式な契約をすることまでは求められていません。

たとえば不動産屋からもらえる店舗の概要が記載されたチラシ(間取り、契約期間、家賃、保証金などが記載されたもの)だけでも融資の申込みはできます。

しかし、融資が決定したときにその物件が抑えられていることが必要です。

なので、もし、融資までにその物件が他に借りられてしまったような場合には、再度、新たな物件を見つけて融資の申込みをしなければなりません。

なぜなら、このような場合には、新しい物件を見つけて、そのまま前の申込みに流用するということが認められていないためです。

また、現実的には、大家側では何もせずに融資の決定が出るまで待っていてくれるというケースは少なく、そのためどうしてもその物件を押さえておきたいと思う場合には、先に物件の契約費用を支払わなければならないという問題があります。

なお、賃貸契約書は、融資申し込みの時点では必須ではありませんが、融資の実行の時までには用意できている必要があります。
※ 参照:飲食店の店舗の選び方。融資審査に必須のポイントは?

 


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