飲食店が使える8つの助成金・補助金と申請のポイント

助成金・補助金の獲得マニュアル日本政策金融公庫

これから飲食店の開業をされる中には
「少しでも、経費を減らしたい。」
「国の支援があったら利用したい」
と思っている方は多いのではないでしょうか?

そんな方にピッタリなのが「助成金や補助金」です。

「でも、普通の飲食店では補助金や助成金はもらえないのでは?」とお考えのあなた。
飲食店でも補助金や助成金をもらうことはできます。

ただ補助金や助成金では、多くの手続きが必要なため、キチンと仕組みをを理解しておかないと「手間だけがかかってこれだけ?」ということになりかねません。

ここでは、補助金と助成金の違いや、効率的に受給するための考え方についてご説明します。

助成金と補助金の基礎的知識

補助金・助成金の種類と特徴

補助金・助成金については、これを明確に区別する法や規則はないのですが、一般的には次のように分類されています。

補助金厚生労働省以外の省庁(経済産業省など)や民間団体が管轄・主催するもの
助成金厚生労働省が人の雇用や労働環境の改善に関して支給するもの

以上のように大雑把な区別をするならば、「助成金」は厚生労働省が支給するもの、「補助金」はそれ以外の省庁や団体が支給するものということになります。

ただし、企業がこの厚生労働省の助成金等を受給するためには、雇用保険への加入が要件となっていることが多いため、助成金の申請をするのならばまずは先に雇用保険へ加入することをお勧めします。

なお、コロナウイルス特例措置による無担保・無利息の融資をご希望の方は「最新!コロナ特別融資の概要と5つの特徴」をご参照ください。また、個人で最大60万円までを無利息で借りられる緊急貸付制度については「個人向け緊急小口資金の特例について」の記事をご参照ください。

補助金・助成金の特徴

【共 通】
補助金・助成金ともに返済不要でもらえるお金である。
【助成金】
厚生労働省が行う助成金は、要件に該当し申請すれば、原則として誰でも受給できる。
但し、雇用保険への加入が原則として必要
【補助金】
補助金は、一定の審査に合格しなければ受給できない。(コンテスト形式)
【その他】
補助金等としてもらった給付金は原則、非課税扱いとなる。

ただし、公益法人(NPOを含む)がこれを受給した場合には、一部例外有り。

助成金や補助金を最大限までもらう方法

助成金や補助金は確かに魅力的ではありますが、一つだけチョット使いづらい部分があります。
それは「大きな金額をもらうためには、それに見合った額を先に使わなければならない」ということです。

補助金や助成金はそのほとんどが、先に使った金額の割合に応じて支給する、いわゆる「先払い、後支給」です。しかし、いくら大きな金額がもらえるからと言って、その何倍ものお金を使うのは考えてしまいますよね?

でも、これをうまく利用して、自分の手持ちのお金を使わずに、助成金等を最大限までもらう方法があります。
それが「融資を受けたお金で助成金等に必要なものを購入する」という方法です。

つまりは、
● 助成金の場合 - 人の雇用や人件費については、融資を得たお金で支払う。
● 補助金の場合 ― 物の購入の経費については、融資を得たお金でそのものを購入する。
といった感じです。

先に融資で得たお金を使って補助金等に必要な費用を支払えば、手持ちの現金を減らさずに、補助事業を行うことができます。

例)上限額200万円、助成率1/2という補助金の場合
もし上限額200万円をもらうためには? ⇒ 先に400万円の支出が必要となる。 ⇒ この400万円については先に融資を獲得しておく ⇒ この資金を使って補助事業を実行 ⇒ 助成金が審査に通れば後から200万円が戻ってくる。

つまり、助成金や補助金の申請をするとき購入予定のものは、「融資の資金で対応」とすればよいわけです。

なお、融資の申請をする際には、助成金の申請をしているということを、金融機関に話す必要はありません。なぜなら、この時点では200万円の助成金が必ず支給される保証はどこにもないからです。

このように両者をうまく組み合わせることにより、手持ちの現預金を使わず融資の資金で、大きな額の助成金や補助金にエントリーできるようになります。

飲食店でも申し込める助成金と補助金

飲食店でも申し込み可能な助成金や補助金としては、次のようなものがあります。
※ 各制度の内容はh30の募集にもとづくものとなります。

トライアル雇用助成金

対象安定的な就職が困難な求職者について、ハローワークや職業紹介事業者(※)等の紹介により、一定期間試行雇用した場合に事業主に助成する
要件◆対象労働者がハローワークまたは職業紹介事業者の職業紹介をうけること(就業している者、自営業者、役員、学生、トライアル雇用期間中の者を除く)
◆紹介日前2年以内に、2回以上離職又は転職を繰り返している者、紹介日前において離職している期間が1年を超えている者、妊娠、出産又は育児を理由として離職した者で離職機関が1年以上の者、紹介日において、ニートやフリーター等で45歳未満である者であること
◆原則3ヶ月のトライアル雇用が必要
給付本助成金の支給額は、支給対象者1人につき最大月額4万円、最大3ヶ月


特定求職者雇用開発助成金

対象高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して助成する
要件◆ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
◆雇用保険の一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実である※と認められること。
※ 対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であること
給付◆60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等-60万円
◆重度障害者等を除く身体・知的障害者-120万円
◆重度障害者等-240万円


キャリアアップ助成金

対象非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進す るため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する
要件◆「正社員化コース」
有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換又は直接雇用した場合  
◆「賃金規定等改定コース」
基本給の賃金規定等を2%以上増額改定 
◆「健康診断制度コース」
法定外の健康診断制度を新たに規定し、4人以上に実施 
◆「賃金規定等共通化コース」
有期契約労働者等と正社員との共通の賃金規定等を新 たに規定・適用
◆「諸手当制度共通化コース」
有期契約労働者等に正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け、適用した場合
◆「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」
労使合意に基づき、有期契約労働者等を新たに被保険者とし、基本給を増額した場合
◆「短時間労働者労働時間延長コース」
短時間労働者の週所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用した場合
給付「正社員化コース」
有期 → 正規 570,000円  
「賃金規定等改定コース」
95,000円~285,000円
「健康診断制度コース」
380,000円
「賃金規定等共通化コース」
570,000円
「諸手当制度共通化コース」
380,000円
「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」
29,000円~132,000円
「短時間労働者労働時間延長コース」
225,000円


人材確保等支援助成金

対象事業主が、雇用管理制度(評価・処遇制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度(保育事業主)のみ)の導入等による雇用管理改善を行い、離職率の低下に取り組んだ場合に助成
要件◆評価・処遇制度、研修制度等の雇用管理制度の導入を内容とする雇用管理制度整備計画を作成し、管轄の労働局の認定を受けること。
◆雇用管理制度整備計画に基づき、当該計画の実施期間内に雇用管理制度を導入・実施すること。
◆一定期間の離職率を一定以上改善すること
給付570,000円


地域創造的企業補助金

対象新たな需要や雇用の創出等を促し、我が国経済を活性化させることを目的に、新たに創業する者に対して創業に要する経費の一部を助成
要件◆事業実施完了日までに、補助事業の遂行のために新たに従業員を1名以上雇い入れること
◆申請に際しては、産業競争力強化法に基づく認定市区町村の支援が必要
給付補助率1/2 外部資金調達がある場合50~100万円 ない場合50~200万円


東京都創業助成事業

対象一定の要件を満たす都内で創業を予定されている方または創業して5年未満の中小企業者等の方に、従業員人件費、賃借料、広告費等、創業初期に必要な経費の一部を助成
要件都が掲げた、社会的課題を 解決する一助となるものや、創業のモデルケースとして、都内における創業機 運のさらなる向上が図られ、今後大きな成長や多くの雇用の創出が期待できるもの
給付助成率2/3 助成額100~300万円


小規模事業者持続化補助金

対象商工会議所・商工会の助言等を受けて経営計 画を作成し、その計画に沿って地道な販路開拓等に取り組む事業者に必要な経費の一部を助成
要件地域の商工会議所へ「事業支援計画書」(すべての事業者)、「事業承継診断票」(代表者が60歳以上の事業者)の作成・交付を依頼すること
給付助成率2/3 助成額最大50万円

IT導入補助金

対象自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助する
要件事前に商工会等にITツールの導入について相談する ※ HPの作成・改修OK
給付助成率1/2 助成額40万~150万円未満(A類型の場合)

助成金・補助金に関する注意点

助成金や補助金を申請・受給する場合には、次のような注意点があります。

 補助事業にかかる費用は、事業者が全額を立替え払いしなければならない
助成金や補助金は「先払い、あと支給」が原則です。
ですので、仮に上限額が200万円、補助率が1/3の補助金を全額もらおうおうとすれば、600万円の事業費をいったん自分で立替えられるだけの資力が必要ということになります。
 受給までの時間が長い
助成金や補助金は、通常
「申 請」→「審 査」→「交付決定」→「実績報告」→「清算」→「確定通知」→「交付(入金)」
という流れに沿って行われます。
そのため、
申請からお金が振り込まれるまで半年~1年近くの時間がかかる場合があります。
したがって、このことをはじめに計画に入れておかないと、「補助金をもらえるまで資金が続かない」ということになってしまいますのでご注意ください。
〇 必ず予定額がもらえるわけではない
申請者の方の中には、補助金等の申請が通って「交付決定額」が通知されると、必ずその額をもらえると思い込んでしまう人が結構いますが、これは大きな誤りです。
なぜなら、「交付決定額」というのは概算の支給見込み額、いわば「受給可能な最大額」だからです。したがって、事業や経費の使い方に問題があればその分、支給額は削減されます。
交付決定額は1,000万円でも、事業の清算をしたら700万円しかもらえなかったということも珍しくありません。
このように、補助金等を申請する場合には、「交付決定額」=「支給額」ではないということを知っておく必要があります。
〇 内容や要件が頻繁に変わる。申請期間が短いものが多い。
助成金や補助金は同じ制度が数年にわたって実施されることもありますが、1回切りでなくなってしまうものも少なくありません。また、定期的に実施されているものであっても、その内容は頻繁に変更されます。
さらに、申請期間は1~2ヶ月程度で締め切られてしまうものも少なくないため、募集が始まってから申し込んだのでは、資料を作る時間がないということになりがちです。
なので、助成金や補助金を確実にもらうためには、ある程度先に募集期間を予測して、早くから準備をしておく必要があります。
 補助金や助成金を返還しなければならない場合もある。
先ほどの説明の中で補助金・助成金は返還の必要がないと書きましたが、中には例外的に返還をしなければならない場合もあります。
その代表的な例が不正受給」をした場合です。
例えば、本来しなければならないことをしていなかったり、一定の基準に満たしていないにもかかわらず、これをしたように申告する行為は「不正受給」とみなされ、助成金や補助金の返還だけでなく、刑事罰の対象となります。
また、他にも「その補助金をもらって行った事業により、補助額を超える利益が出た場合にはその一部を返還しなければならない」と定められているような場合がありますが、これに該当するような場合にはその分の利益を返還しなければなりません。

 


プロフィール
融資コンサル
引地 修一

119番資金調達NETの引地です。

創業者・中小企業経営者の方向けに、
● 融資の申込みの計画・申請、
● 事業計画書の作成、金融機関との交渉
● 契約・許認可手続き、経営の再建
などの「中小企業のお金と経営」をサポートしています。

特に、融資関係については、すぐに問題解決の提案をする「即効提案」がお客様から好評をいただいています。

【経歴】
2005年に金融・経営を専門とするIchigo(一期)行政書士事務所を開設。
2008に業界初の融資ノウハウをまとめた「確実に公的創業融資を引き出す本」を出版。異例の6刷増刷を達成。※現在も継続中。

コンサルティングでは、2020現在、累計相談者数2,000人を突破。6億2,000万円の資金調達額を達成中。
2008年に創業者支援団体ドリームゲートにて「資金調達部門」最優秀アドバイザーを受賞

【資 格】
行政書士、宅地建物取引主任、事業再生アドバイザー、品川区武蔵小山創業支援センター公認アドバイザー

【出版実績】
2008.12 「確実に公的創業融資を引き出す本」(TAC出版)を出版
     アマゾンレビュー評価4.2
2011.08 「銀行格付けアップ術」
2014.07 「飲食開業のための公的融資獲得完全マニュアル」

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