創業融資と通常融資の違い


皆さんは、創業の場合と通常の融資の場合とでは、その取り組み方や戦略に大きな違いがあると
いうのをご存じでしょうか?

まず、創業融資の場合には元手(自己資金)と事業計画書が融資成功の決め手となるのに対して、通常の融資では、決算書の内容が大きな比重を占めることになります。

融資に占める審査のウエートを今までの経験による感覚でいえ

  創業融資  自己資金40~50%  事業計画の内容 60~50%
    
  通常の融資 決算書の内容60~70%  その他の要素40~30%

という感じになります。

このようにポイントが異なるため、とるべき対策の内容もそれぞれ違ってきます。

創業融資においては、経営者に担保や信用がないことから、ほとんどの方が無担保・無保証人タイプの融資を希望されます。

しかし、そうなると実際に利用できるものとしては、

・日本政策金融公庫の「新創業融資」(限度額3,000万円)

・信用保証協会の「制度融資」(東京都限度額3,500万円)
  
限度額は主催する自治体により変わります。

さらに、日本政策金融公庫の「新創業融資」においては「創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要」という条件がついているため、自己資金額が少ない場合にはそれに応じた借入れしかできません。

これをわかりやすく説明すれば              

たとえば、Aさんが100万円の資本金で会社を作ったとします。
この場合の申込み限度額は、100万円 × 9=900万円となります。

しかし、このときAさんが50万円の資本金しか用意できなかったとしたら、この場合の申込みの限度額は50万円× 9=450万円になってしまいます。

は、このケースでAさんが500万円の資本金を持っていたとしたらどうなるでしょう?

申込み限度額は500万円× 9=4,500万円となりそうですが、新創業融資のそもそもの限度額が3,000万円であるため、このようなケースでもAさんが無担保・無保証人の範囲で申込める額は3,000万円が上限となります。

なお、制度融資については、これを主催する各都道府県や市区町村で申し込みの要件が異なるため一律ではありません。
しかし
、要件の中に明確な自己資金に関する規定がない場合でも、現実的にはやはり同じような基準で運用されているところが多いようです。

 

創業融資の審査のポイント    


それぞれの創業融資におい
ては、

日本政策金融公庫】
・ 通帳の中身による実態的なお金の流れを重視する。

・ 自己資本を作るまでの経緯とその中身を重視する」

信用保証協会】
・ 計画のバランスや収支計画の内容を重視する。
・ 窓口の金融機関の意向や都合が強く反映される。

という傾向があります。

しかし、事業計画書について特に気をつけなければならないのが
・ 事業計画が「絵に描いた餅」とならないこと。
   ※つまりは、実現性に乏し
いものでないこと
・ 売上げや利益については、はっきりした根拠を示す。
ということです。

以前は、かなり楽観的な計画でも満額の融資が出ることが少なからずありましたが、現在ではいずれの金融機関でもシッカリと内容を見られるようになっているため、これらを踏まえた計画でなければ、希望額の融資の獲得は難しくなっています。

つまり、創業融資を無担保・無保証で希望する方には、いかにしてこれらそれぞれの融資制度を研究・準備し、そして金融機関の人間が納得できる計画を作れるかということが重要となります。

 

一般融資の審査のポイント


一方、通常の融資の場合は、ある程度事業の実績のある方が対象となるため、その審査方法
も創業の場合とは異なり、決算書の内容の出来・不出来が中心となります。

ところで、このコラムをご覧の皆さんは、なぜ決算書の内容が悪いと融資が受けられなくなるかご存知でしょうか?

それは、ズバリ、その会社の「融資格付け」のランクが低くなるからです。

この「融資格付け」は別名「銀行格付け」ともいわれ、金融機関がすべての融資先に対し、その業績にもとづいて査定する、いわば融資先企業の通信簿のようなものです。

そのため、融資先企業の業績が悪くなると
 業績が悪くなる → 決算書内容も悪くなる → 格付けが低下
 → 融資が出ない

ということになります。

つまり、創業期を終えられた企業については、スムーズな融資を受け続けるには格付けを維持・改善しなければならないということになります。

しかし、ここまでを聞いて、
「なーんだ、結局、売上げを上げなきゃならないのか」
とお感じになった方も多いと思いますが、実はこの話しはそれほど単純なものではありません。

なぜならば、この企業の格付けは、売上げや利益だけを見て評価されているわけではなく、経営に関する多くの項目を対象にして決められているからです。

また、肝心の決算書についても、金融機関では単に預かった決算書の上面だけを見ているのではなく、金融機関独自の方法によりこれを分析、評価しています。
 
たとえば売上げは伸びたとしても、それにともない借入金や売掛金、または在庫が大幅に増えている場合には、かえって評価を落とすこともあったりします。

このように、通常の融資の攻略法としては、単に決算書の表面的な部分を見て一喜一憂するのではなく、金融機関の考えかたを知った上で、できるだけ銀行格付けがあがるような努力をする必要があるという点に創業の場合との大きな違いとなります。

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