融資は申し込んでから審査に合格してお金が出る(これを「融資の実行といいます。」)までには一定の時間がかかります。
日本政策金融公庫と制度融資(信用保証協会付融資)とでは、一部、手続きが違うところもあり、また、融資だけでなく許認可などの手続きと一緒に進めていく必要があります。
ここでは、それぞれの金融機関における手続きの違いと、スケジュールの立て方について御説明します。
融資申込の流れと期間
融資の「申し込み」~「融資の実行」(入金)がされるまでの一般的な流れと時間については、以下のフローの通り約1~1.5月の時間が必要となります。
融資の申込みと各手続きの流れについて
融資手続きの流れ
具体的な手続き
これは制度融資の場合でのみ必要な作業となります。いくつか金融機関の候補を絞り、そのうちの3行程度に出向いて、制度融資の窓口となってもらえるかを確認します。その際に簡単なヒアリングをされることがありますので、事前に身分証明書、事業計画書(または事業概要をまとめたもの)、登記簿謄本等を準備しておくと手続きがスムーズに進みます。
融資の申し込みの際には、融資申込書、事業計画書、賃貸借契約書、見積書、登記簿謄本などを提出します。(具体的な資料については担当者にご確認ください)この時にすべての資料を預かるところと、申込書と登記簿程度のみを預かる場合がありますので、担当者の指示に従ってください。
通常は、面談前に実地調査を行いますが、面談の時に一緒に行うこともあります。この際の主な調査点としては、「本当に事務所の実態があるのか?」、「営業が可能なのか?」、「営業をする上で問題がないか?」などとなります。
なお、シェアオフィスであってもこの調査は行われます。
※ 参照:飲食店の立地・店舗の選び方。融資審査に必須のポイントは?
担当者との面談は、金融機関のオフィスまたは申込人のオフィスのいずれかで行われます。また、相手の人数は金融機関側1~2名ですることが多いですが、制度融資の場合にはこれに信用保証協会の人間が加わることもあります。
※ 参照:日本政策金融公庫の面談ではこれが聞かれた!実例14の質問と模範解答を公開
電話または封書により、融資の可否(減額の場合はその額)についての連絡が行われます。
融資を受諾した場合には、金融機関において金銭消費貸借契約の締結をします。
指定した口座に融資の金額が通帳に入金されます。日本政策金融公庫の場合には原則、どこの金融機関を融資の振込先にしてもよいのですが、制度融資の場合の振込先は必ずその窓口金融機関の口座となります。また、制度融資では、あらかじめ保証料が融資額から差し引かれて入金されます。
他の手続きとのスケジュールの調整
飲食店の場合、許認可の取得と融資の審査は密接な関係があるため、このうちどれかに支障があるとその後のスケジュールが止まってしまいます。
営業許可の手続きと内装工事、融資などはそのいい例です。
なので、融資の申込みの時には、これらの関連する手続きと一緒に全体のスケジュールを考える必要があります。
※ 参照:融資審査で差をつけるスケジュール表の作り方。
その他の注意点
◆ 飲食店での営業では、「営業許可の取得」以外にも
・ 食品衛生責任者の資格取得
・ 生活衛生営業での知事推薦書の取得(公庫で500万円以上の融資の場合)
・ 深夜酒類営業届(12:00を超えて営業する場合)
が必要となるため、これらについてもスケジュールに組みこむ必要があります。
※ 参照:生活衛生営業での知事推薦書の取り方。生活衛生営業指導センターへの対応法。
◆ 市区町村が行う制度融資では、相談員による事前診断が条件となっていることがあリ、その場合には融資の実行までさらに時間がかかります。
しかし、市区町村の制度融資には、「信用保証料の補助」や「金利が優遇される」などのメリットもあるため、時間をとるか、これらの優遇措置を取るかはその人の考え次第ということになります。
※ 参照:これを知れば創業融資が2倍になる!日本政策金融公庫と信用保証協会融資の違い。
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