日本政策金融公庫の7つの無担保・無保証融資

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皆さんもご存知のように中小企業向けの公的な融資には、日本政策金融公庫の融資と制度融資の2つがあります。

このうち日本政策金融公庫については、近時、無担保・無保証融資制度の数が増えており、「どれを選べばいいのか?」がわかりにくくなっています。

そこで今回は、日本政策金融公庫の中でも代表的な無担保・無保証の融資制度を取り上げ,その要件や特徴について説明いたします。

公庫における無担保・無保証融資の特徴

 

 

 

 

なぜ、無担保・無保証で借りられるのか?

日本政策金融公庫では数多くの融資を取り扱っており、そのほとんどが担保または保証人を必要としますが、実際には多くの場合で無担保・無保証による借入れをすることが可能となっています。

これはなぜかといえば、日本政策金融公庫では 次のような制度を用意しているからです。

1 それ自体が無担保無保証の融資制度

これは、はじめからその融資が単独で無担保無保証とされている場合です。
これらの融資を
利用する場合には、あらかじめ設定された枠の範囲内で無担保無保証の適用を受けることができます。、

たとえば、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」、「マル経融資」などがこれに該当します。
参 考 
新型コロナウイルス感染症特別貸付」の借入れのポイントとは?

 

2 無担保・無保証とする制度による融資

公庫には、本来、無担保無保証では使えない融資であっても、あわせて使うことにより、無担保無保証の融資として利用できるようになる制度があります。

たとえば「新創業融資制度」や「担保を不要とする融資制度」などがこれに該当します。

そのため通常ならば担保か保証人が必要であっても、本来の融資にこの制度をあわせて使うことにより、無担保・無保証で融資を受けることができるようになります。

つまり、本来、担保か保証人が必要となる場合でも、これらの制度を利用すれば、一定の金額までは無担保・無保証で借入れをすることができます。
参 考 【新創業融資制度】の正しい使い方。すべての項目を完全解説!

 

公庫における無担保・無保証融資の2つの種類

日本政策金融公庫における無担保・無保証融資には、以下の2つの種類があります。

1 通常の無担保・無保証融資

これは通常の無担保・無保証の制度ですが、ここでいう無保証とは「第三者による保証人が不要」ということを意味します。

したがって、借入人が法人の場合には代表取締役や代表者、ほとんどの株式を所有する実質的なオーナーなどといった人は第三者にあたらないため、連帯保証人となることが求められます。

なお、個人事業主については、法人の場合のように借入人と代表者が分離していないため、必ず本人が連帯保証の責任を負うことになります。

2 完全な無担保・無保証融資

これは創業融資の中の「新創業融資制度」に特有の制度で、法人が借入人となる場合でも、その代表者等は連帯保証人とならないことができます。

つまり、法人が倒産した場合でも、代表者は連帯保証人とならなくともよいわけです。
このように新創業融資制度においては、ある意味完全な形での無担保・無保証となっています。

ただし、個人事業主が借入人となる場合には、1の場合と同様に、借入人本人が支払いの責任を負います。

代表的な公庫の無担保・無保証融資の特徴

 

 

 

 

対象者別の無担保・無保証融資

日本政策金融公庫では、創業者または中小企業という対象別に、主に以下の無担保・無保証融資を行っています。

創業者向け

◆ 「新創業融資制度」
◆ 「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」

中小企業(創業者を除く)向け

◆ 「担保を不要とする融資制度」
◆ 「新型コロナウイルス感染症特別貸付」
◆ 「小規模事業者経営改善資金(マル経)」
◆ 「生活衛生改善貸付」

◆ 「経営者保証免除特例制度」

 

創業者向け無担保・無保証融資

新創業融資制度

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html

「新創業融資制度」とは、新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方を対象に最大3,000万円(運転資金については1,500万円)までの融資をする制度です。

融資限度額3,000万円(運転資金については1,500万円)
返済期間各種融資制度で定める返済期間以内
金 利2.41~2.80% ※r02.10現在
その他創業にかかる経費の1/10以上の自己資金必要
雇用の創出を伴う事業を始めること

この制度は、法人・個人のいずれが申し込んでも無担保・無保証ですが、法人で申込んだ場合にはその代表者が連帯保証人にならなくてよいという特典があります。

なお、この融資制度は単独で機能するものではなく、「新規開業資金」や「女性、若者/シニア起業家支援資金」といったベースとなる融資とあわせて利用する制度であるというところに特徴があります。

なので、この新創業融資制度を使う場合には、必ずそのベースとなる融資制度を決めておく必要があります。

 

挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/57.html

この融資制度は、ベンチャー・スタートアップ企業や新事業展開・海外展開・事業再生等に取り組む方の財務体質や資金調達力の強化を目的とした融資制度です。

新規開業資金や女性、若者/シニア起業家支援資金、再挑戦支援資金、新事業活動促進資金、中小企業経営力強化資金などの12種類の融資を利用する方で、一定の要件を満たせる方が対象となります。

融資限度額4,000万円
返済期間5年1ヵ月以上15年以内
金 利業績に応じて変化
その他公庫が定める12種類のいずれかの融資制度の対象となる方
税務申告を1期以上行っている場合、所得税等を完納している
期限一括返済(利息は毎月払)
債務については、金融検査上自己資本とみなすことができる

この融資の特徴的なところは、金利が1年ごとに業績によって変化するということです。
業績がよくなるほど、その後の金利は高くなります。

また、この融資による借入れは、金融検査上の自己資本とみなすことができる(劣後ローン)ため、資本金の増強に役立ちます。

※ 「劣後ローン」とは?
「劣後ローン」とは、企業が破綻した場合などに銀行が債権の回収ができる順番が通常の融資と比べて劣後するローンのこと。バランスシート上では負債(借り入れ)と資本(出資)の間に位置し、資本の増強に近い性格を持つため、企業は格付け機関からの評価を高めることができます。
しかし、企業破綻時に債権回収できる順番が劣後しているため、企業が債務超過で破綻した場合は貸し手が資金を回収できないこともあります。

 

中小企業向け無担保・無保証融資

担保を不要とする融資制度
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/dai3fuyou_m.html

この融資制度は、原則として、法人の方は無担保・代表者の方のみの保証、個人の方は無担保・無保証人での融資をするものです。
なお、これまでは「第三者保証人を不要とする融資制度」という名称でしたが、現在ではこのように変更されていますが、その内容は依然と同じです。

融資限度額4,800万円
返済期間各融資制度に定めるご返済期間以内
金 利2.06~2.45% ※r02.10現在
その他税務申告を2期以上行っている方が利用対象
担保については無担保、保証人については法人の場合は代表者の方のみ、個人営業の場合は不要

この融資制度も新創業融資制度と同じように、これ単独で利用するものではなく、普通貸付などの一般的な融資制度と組み合わせて利用するものとなっています。

 

新型コロナウイルス感染症特別貸付
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_m.html

新型コロナウイルス感染症特別貸付は、コロナウイルスの蔓延による資金繰りの悪化を救済するために緊急的な措置の一つとして行われている融資制度となります。

融資限度額4,800万円
返済期間設備資金 20年以内 運転資金 15年以内(うち据置期間5年以内)
金 利融資後3年目までは基準利率-0.9% ※無利息となる制度あり
その他コロナウイルスの影響により、最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している方が利用対象(ただし、開業3ヶ月以内の方については、別要件あり。)

なお、この融資で貸し出す資金は、既存の融資とは別枠となるため、現状での借入れ枠がいっぱいのの人でも利用することができます。

 

小規模事業者経営改善資金(マル経)
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/kaizen_m.html
https://www.tokyo-cci.or.jp/marukei/

小規模事業者経営改善資金(マル経)とは、商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者の商工業者が、経営改善に必要な資金を無担保・無保証人で利用できる制度です。

利用にあたっては商工会議所会頭、商工会会長等の推薦が必要となります。

通常枠別 枠(コロナ対策)
融資限度額2,000万円1,000万円
返済期間設備資金 10年以内 運転資金 7年以内設備資金 10年以内 運転資金 7年以内
金 利1.21%先より3年間0.31%
その他従業員20人以下の法人・個人事業主
商工会議所の経営・金融指導を受けて事業改善に取り組んでいる
最近1年以上、同一会議所の地区内で事業を行っている
税金(所得税、法人税、事業税、住民税)を完納している
左記に加えて以下の要件を満たすこと

最近1か月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している

 

生活衛生改善貸付

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/34_eiseikaizen_m.html

この融資制度は、生活衛生関係の事業を営む小規模事業者であって生活衛生同業組合等の長の推薦を受けた一定の方を対象とする融資上限額2,000万円の制度です。

融資限度額2,000万円
返済期間設備資金 10年以内 運転資金 7年以内
金 利1.21%
その他生活衛生関係の事業を営む小規模事業者であって生活衛生同業組合等の長の推薦を受けた方のうち、常時使用する従業員数が5人(旅館業及び興行場営業を営む方は20人)以下の会社または個人

この融資制度は、生活衛生関係事業でかつ一定の規模以下の方だけが利用できます。

 

経営者保証免除特例制度
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/keitoku.html

この制度は通常の端穂無保証の融資制度とは異なり、以下の1.~4.のいずれかの要件を満たし、経営状況等から借入返済が可能と見込まれる法人の方場合には、経営者の保証を免除する制度となっています。

融資限度額
返済期間各種融資制度で定める返済期間以内
金 利適用する融資制度の利率に0.2%が上乗せ
その他1.以下のすべての要件を満たせる方
(1)法人と代表者の方の一体性の解消が一定程度図られていることについて、公庫において確認ができること。(2)税務申告を2期以上実施していること。また、公庫からの普通貸付又は生活衛生貸付の借入がある場合は、取引状況に問題がないこと。
(3)財務状況に問題がないこと。
2.取引金融機関において代表者保証の免除に関する協調対応が見込める方または取引金融機関から代表者保証を免除された借入の残高のある方
3.事業承継・集約・活性化支援資金を適用して融資を受けられる方
4.生活衛生事業承継・集約・活性化支援資金を適用して融資を受けられる方

この制度の適用を受けた場合には、既存または新規の融資について経営者の保証が免除されます。
ただし、これにより無条件で担保が不要となるわけではなく、担保の提供の有無は、申し込みの際に選択することとなります。

 

このように最近の日本政策金融公庫では、一口に無担保・無保証といっても、いろいろな種類がありますので、最もご自身の実情に沿った最適なものを選ぶように心がけてください。 

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プロフィール
融資コンサル
引地 修一

119番資金調達NETの引地です。

創業者・中小企業経営者の方向けに、
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● 事業計画書の作成、金融機関との交渉
● 契約・許認可手続き、経営の再建
などの「中小企業のお金と経営」をサポートしています。

特に、融資関係については、すぐに問題解決の提案をする「即効提案」がお客様から好評をいただいています。

【経歴】
2005年に金融・経営を専門とするIchigo(一期)行政書士事務所を開設。
2008に業界初の融資ノウハウをまとめた「確実に公的創業融資を引き出す本」を出版。異例の6刷増刷を達成。※現在も継続中。

コンサルティングでは、2020現在、累計相談者数2,000人を突破。6億2,000万円の資金調達額を達成中。
2008年に創業者支援団体ドリームゲートにて「資金調達部門」最優秀アドバイザーを受賞

【資 格】
行政書士、宅地建物取引主任、事業再生アドバイザー、品川区武蔵小山創業支援センター公認アドバイザー

【出版実績】
2008.12 「確実に公的創業融資を引き出す本」(TAC出版)を出版
     アマゾンレビュー評価4.2
2011.08 「銀行格付けアップ術」
2014.07 「飲食開業のための公的融資獲得完全マニュアル」

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