「自己資金」とは?

前回のブログでは、創業融資を申し込む前にまず越えなければならいハードルがあると
いうことをご説明しました。

そこで今回説明するハードルの1つ目が「自己資金の有無」です。

日本政策金融公庫の新創業融資制度の申し込みでは

 ➀新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は
 ➁創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の
  資金をいいます。)を確認できること

とされています。

具体的には、➀の要件に該当する方とは、
「創業前または創業後であってもまだ1回も確定申告をしていない方」
がこれにあたります。

なぜ、ここで確定申告がその要件になっているかといえば、1回でも確定申告をしてい
れば、その後についてはその申告された財務内容に
もとづいて審査ができるからです。

つまり、1/10以上の自己資金を求めるというのはまだこれに達して
いない方(申告前の
方)を審査するうえでの、ある意味担保や保証
ということになります。

 

自己資金が足りないと・・・

では、この自己資金が足りない場合にはどうなるのでしょうか?

当事務所ではこの点について日本政策金融公庫に確認してみました。

その時の回答は
「自己資金とは、新創業融資制度を利用するうえで最低限守らなければならない要件で
あるため、これが不足するときには申し込みが
できないか、融資は出ないこととなる。」
という厳しいものでした。

よくネットにある「自己資金額がなくても融資が受けられる」とい
うのは、ありえないこ
となので、だまされないでください。


では、このケースの場合のように自己資金が不足する場合にはどう
すればよいかといえば、
これは「あらかじめその額にあわせた計画
を作成する」ということで解決することができ
ます。


たとえば創業事業に関する経費が1,500万円かかる場合には、必要な
自己資金の額は150万
円以上となります。

しかし、手元に120万円の自己資金しかない場合には、その十倍の1,200万円の事業計画に
するということになります。


ここでもし、「自分は1,500万円でなければいやだ!」として1,500
万円の事業計画を作っ
て申しこんだとしたら、先ほどの担当者の話
にあったように、その申込みは門前払いにな
る可能性が高いという
ことになります。

 

自己資金になるもの・ならないもの

では、次にどのようなものが自己資金にあたるかといえば、次のようなものは自己資金と
して認められます。

 ・コツコツ貯めたお金でその経緯が通帳でわかること
 ・退職金
 ・親などからもらったお金
 ・自分の資産を売却して、その経緯がわかるお金
 ・会社の場合の出資金  など

これらに共通する特徴が、「出どころのわかるお金」であるという
ことです。
逆に、次のようなお金は自己資金とは認められません。

 ・自分で現金で貯めたお金(俗にいう、タンス預金)
 ・通帳に入金されていてもその出所を説明できないお金
 ・親から借りたお金
 ・他から融資されたお金

これらは自分で貯めた経緯がわからないからです。


なお、注意すべきなのは「親などからもらったお金」はOKだが、「親から借りたお金」は
ダメということです。

たとえ親であっても借りたお金は返済義務があるため、自己資金にはなりません。

ちなみに、自己資金の確認は金融機関の人間が直接、通帳の現物を
過去にさかのぼってチェ
ックするので、ごまかしはききません。

 

自己資金と融資額の関係

次に、自己資金はどの程度あればよいかということです。

確かに規定の上では、自己資金は1/10以上あればよいということになっていますが、1/10の
自己資金があれば限度額、つまりその額の
9倍までの融資が受けられるかいえば、現実には
それは難しいです。


ならば、自己資金の何倍くらいまでの融資が受けられるのかといえば、ハッキリとどのくら
いまでというものはありません。


しかし、これについては

「自己資金の3~4倍程度が一応の限度」
というのが一般的です。

もちろんこれを超える額の申し込みをすることができないというわ
けではありませんが、満
額を狙っていくのであれば、覚えておいて
もよい基準ではないかと思います。

→ 「創業融資申し込み前の5つのハードル(事業経験編)」に続く

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