ホントはどうなの? 皆が気になる

日本政策金融公庫による改正点とは?
創業をお考えの皆さんならば、日本政策金融公庫や信用保証協会付融資を利用しようとする場合
に「自己資金」が必要になる、ということはご存知だと思います。
しかし、中には、これが足りなくて泣く泣く開業をあきらめた、という人も多いのではないでし
ょうか?
そんな中、日本政策金融公庫ではh20.04.02に「新創業融資」の改正(緩和)が行われ、自己資
金の要件をそれまでの1/2→1/3へと大幅に引き下げました。
これを簡単に言えば、それまでは
仮に、総額で1,200万円が必要な事業を行う場合には
【 600万円(全体の1/2)以上の自己資金がなければ、
残りの600万円の融資を申し込むことができなかった。 】
のが、今回の改正により、このケースでは
【 400万円(全体の1/3)の自己資金があれば、
残りの800万円について融資の申し込みが可能。 】
となったことを意味します。
根拠のない「うわさ」にはご用心!
しかし、この改正がされた後でも、依然として以下の点については注意が必要です。
① 今回の改正により、新創業融資の利用時の自己資金要件がなくなったわけではない。
② 信用保証協会付融資の場合と異なり、日本政策金融公庫では、どこからどこまでが自己資
金となるのかについての考え方がハッキリと公表されておらず、担当者の判断にゆだねら
れている部分が大きい。
このため、この自己資金の考え方について、巷では様々な憶測めいた情報が飛び交い、中には
「 初めに200万円の見せ金を用意できれば、これをもとに日本政策金融公庫で同額
の200万円が借りられる。
だから、次にはこの400万円(200万円+200万円)」を自己資金にすれば、さらに
400万円の融資が受けられる。 」
などの間違った情報を、あたかも自分が融資を受けたかのように書き込んでいるケースを見かけ
ます。
しかし、実際にはそんなことはあり得ず(融資を受けたお金はあくまで借入金であって、これを
自己資金とすることはできません。)、また、このような「見せ金」は通帳の動きを見られれば
すぐにわかってしまいます。
そこで119netでは、今回の改正にあわせて、何が自己資金とできて、何がダメなのかを中心に、
日本政策金融公庫の担当者に直接、聞き取りを行い、情報を整理しました。
ここにあげた内容は、全体からすればまだ一部ですし、また、地域や支店によっては、このまま
まの内容がストレートに認められない場合もあるかも知れません。
しかし、これから「新創業融資」を受けようとする人にとっては、大いに参考になる部分も多い
と思います。
日本政策金融公庫の担当者からの回答
① 親兄弟から借りたお金は自己資金となるのか?
たとえ、親兄弟から借りたものであっても、返済義務のあるものは自己資金とはならない。
ただし、それが贈与を受けたものである場合には、これを自己資金とすることができるが、
この場合には、贈与を受けたことを証明する資料の提出や、手続きを求められることがあり
ます。
※ 親等からの贈与である場合には、契約書などを作成して提出すればOKだが、金額
によっては、別途、贈与税が問題となるので注意が必要です。
② 日本政策金融公庫では、自己資本についての明確な考えが公表されていないが、その内容
は制度融資の場合と同じと考えてよいか?
何が自己資金となり、何がならないかについては、個々のお客様の状況をうかがって判断す
るので、一概に制度融資と同じになるとは言えない。
③ 開業準備のためにすでに使用した資金(当月分の家賃、敷金、備品類等)がある場合、これ
らはすべて自己資金の一部としてカウントしてよいか?
開業準備として使った費用のうち、設備費用的なものはこれを自己資金の一部として考えて
もよいが、運転資金的な性格の支出については、これを自己資金とみなせない場合がある。
ただし、運転資金的な性格の支出のすべてがダメというわけではないので、そのようなもの
がある場合には、使った明細などをそろえた上で相談してほしい。
しかし、このような場合でも、資金の出所についてはチェックをする。
※ この考え方によると、融資申込み前に支払った敷金や機械などの購入費については、
自己資金の一部として認められるが、創業のための設立登記代等については、原則
自己資金にならないものと思われます。
④ 新創業融資を利用する場合には、自己資金が必ず1/3以上あることが必要か?
事業計画の内容がよければ、これが足りなくとも融資は可能となるのか?
新創業融資を利用する場合に1/3以上の自己資金が必要になるというのは、この融資におけ
るいわば「入り口的要件」のひとつであり、これをクリアーできなければ、この制度を利用
することはできない。
したがって、仮に、事業計画の内容がどんなによくとも、残りの2/3を超える金額が融資さ
れることない。(自己資金300万円で、600万円を超えて借りることはできない。)
この要件を満たせない場合には、創業者向けの他の融資制度(「新規開業融資」等 ただし、
担保・保証人が必要)を利用してもらうことになる。
⑤ 本当の自己資金であることを説明するためには、どのような点について注意が必要か?
自己資金といえるためには、本来は、開業のために以前から準備してきたお金などであるこ
とが望ましく、これに該当するかどうかは通帳でのお金の流れなどを確認して判断する。
また、確認のため必要ならば、現在の通帳だけでなく、過去の通帳や、親兄弟、事業関係者
などの通帳についても提出してもらうことがある。
※ 一時的に多額の入金がされている場合でも、それが「開業準備金として用意されて
きた資金を他の通帳から振り替えたものである場合」や、「退職金」などである場
合には、ほぼ問題なく自己資金として認められます。
⑥ 法人を設立してから融資の申込みを行うような場合、登記簿謄本に記載された資本金の額
をもって、そのまま「自己資本」として認めてもらえるのか?
法人を設立してから融資の申込みをする場合でも、「資本金」=「自己資金」となるわけで
はなく、この場合にもどうやってその資本金を貯めたのか、本当にその金額があるのかなど
の点については通常の場合と同じくチェックをする。
⑦ 他の金融機関から借りた金額は自己資金額とはならないか?
先に他の金融機関などから借りた金額は、当然にこれを自己資金額とすることはできない。
⑧ 日本政策金融公庫と信用保証協会に同時に融資を申し込むのは構わないか?
その場合には、あらかじめその旨の報告をする必要があるのか?
信用保証協会付融資と同時に日本政策金融公庫の融資を申し込むことは、特に問題ではない。
また、その場合でも、申告や報告の必要はない。
⑨ 日本政策金融公庫と制度融資を同時申し込んだ場合に、仮に制度融資について融資の見込
みがあるような時は、その分につき公庫の融資額が減額されることはあるのか?
保証協会付融資と日本政策金融公庫の融資を同時に申し込んだからといって、保証協会の融
資分につき、日本政策金融公庫の融資分が減額となることはない。
※ 信用保証協会と日本政策金融公庫とでは、融資に関する情報交換を行っていないため、
お互いについての審査の結果や実行額について知ることはない。
(但し、「ブラック」情報については交換がされているとの情報あり。現在確認中。)
その他の疑問
① 外国人が国内会社の代表者となって、日本政策金融公庫から融資を受ける場合には、何か特別
の制約があるか?
外国人が国内会社の代表者となって、日本政策金融公庫から融資を受けることについては別段の制
約はない。
但し、在留資格の内容が会社経営等となっていることが必要となる。
② 法人の役員が融資の保証人となることは可能か?
法人の役員が保証人となる自体は可能だが、その場合には、代表者と同居の人間でないことと、
役員報酬以外の別収入があることが必要。
③ 担保の提供をする場合の評価はどの程度か?
担保の掛目は、通常、自宅が対象の場合は、評価額の6割程度で考えている。
また、担保を提供した場合の考え方としては、仮に3,000万円の借入れを希望して自己資金額
が1,000万円ある場合には、その担保は差し引き額の2,000万円についてではなく、融資総額
の3,000万円分についての担保として見る。
④ 親であっても保証人となることはできるか?
融資借主の親であっても、相当の資力や定期収入(家賃収入等)がある場合には保証人となるこ
とができる場合があるが、このようなケースでも本人と同居している場合には保証人となること
はできない。

