中小企業の資金繰りの改善ポイント

利益は出ているのに、資金繰りが苦しいのはなぜ?一般事業者向けコンテンツ

「決算書では利益がかなり出ているのに、なぜ資金繰りがきついんだ!」
「こんなにお金がないのに、本当に儲かっているのか?」

経営者の方の中には、こんな疑問をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか?

これは利益と資金繰りの違いを理解できていないためにおこる疑問の一つですが、キチンと対応しないと最悪、「黒字倒産」ということになりかねません。

ここでは、資金繰りの仕組みとその改善方法についてご説明します。

利益は出ても資金が足りなくなる理由

「儲かっているはずなのに、お金が足りない」

一見すると不思議なことのように思えますが、これは儲かっている会社ならばどこでもあることです。また、その理由は
「入ってくる資金より、一時的に出ていく資金の方が多いから」
これだけなのです。

では、なぜ、お金がないのに、利益は出るのかといえば
「一時的な資金不足の時期はあっても、トータルではそれ以上の資金が入ってきている(黒字)から」
ということに他なりません。

つまり、本当は儲かっているけど、お金は毎日、出たり入ったりしているため、そのことが実感としてわかりづらいだけなのです。

資金繰りを苦しくする原因と改善策

 

 

 

 

とはいえ、「ウチの会社は一時的どころか毎月、苦しいぞ!」という方もいるかも知れません。

では、資金が不足してしまうのかといえば、それには次のような原因があります。

資金繰りが苦しくなる原因

入金側に問題がある場合

◆ 売上の減少
◆ 費用の増加
◆ 売掛金の回収の遅れ
◆ 予定外の支出

支払い側に問題がある場合

◆ 在庫が過剰になっている、不良資産が増えている
◆ 買掛金の支払い期間が短い
◆ 融資の返済が大きすぎる

 

入金側に問題がある場合

 

 

 

 

 

入金について以下のような事由があると、その分資金繰りが厳しくなります。

売上げの減少

 

 

 

 

当然ですが、売り上げが減少すれば、その分だけ入金は少なくなるので、資金繰りは苦しくなります。
しかし、同じ売上げであっても、原価を減らす、販管費を見直すなどをすることにより、キャッシュを増やすことができます。

費用の増加

売り上げが同じならば、費用が増えた分だけ入金は少なくなるので、資金繰りは苦しくなります。
これに対しては、売り上げを増やす、または費用を減らすなどにより、キャッシュを増やすことができます。

売掛金の回収の遅れ

 

 

 

 

売掛金とは、かけで販売したものの代金をいいます。
売掛金の回収は次のような理由で起こります。
1 回収の管理がずさんで、期日通りに請求をしていない
2 請求先の支払いがいつも遅れる
3 売掛金の回収期間が長くなっている

【対 策】
これらに対する対策としては、以下のものがあります。

1 「期日管理台帳を作って請求するようにする」
2 「販売条件を見直す(一部を現金取引にする)」
3   「回収期間を見直す」
     「手形がある場合は銀行に割引してもらう」
     「ファクタリングを利用する」

予定外の支出

毎月の決まった支払い以外に、突発的な支払いが生じた場合などは、資金繰りが厳しくなります。
これらに対する対策としては、以下のものがあります。

【対 策】

1 「前もって支払予定を確認して、必要な資金を確保しておく」
2 「比較的すぐに融資が出やすい手形貸し付けなどで資金調達する」
3   「ファクタリングを利用する」

 

以上のように、費用の増加や売掛金の回収の遅れなどがあると一時的に資金が不足し、決済に間に合わないということも起こります。

なので、このような場合には日本政策金融公庫だけではなく、制度融資(信用保証協会付融資)をあわせて利用することで余裕のある資金調達をすることができます。
具体的な方法については、こちらの記事をご参照ください。
参 考 日本政策金融公庫  融資の成功率と獲得額を上げるには?

支出側に問題がある場合

次のような事由があると、資金繰りが苦しくなる原因となります。

在庫や不良在庫が過剰になっている

販売の事業をしていくうえで、ある程度の在庫の保有は必要不可欠です。
なぜなら、お客がほしいと思うタイミングで商品がなければ、売り逃しをしてしまうからです。

なので、いざというときのためにある程度多めに商品を持っておく、これが、いわゆる「在庫」となりますが在庫というのは買ったときには即金、または1~1.5ケ月後(買掛の場合)にその代金の支払いをするのが一般的です。

また、その在庫が仕入れた後にすぐに売れてくれればよいのですが、販売するまでにはある程度の時間がかかるので、必然的に入金より支出の方が早くなります。

たとえば、普段200個の仕入れをしている会社が、次のような追加の仕入れをした場合には
商品単価 @1,000円  追加の仕入数 500個  追加仕入れ代金 500,000円
となり、500,000円分の現金が在庫として倉庫におかれることになります。

もし、この追加分の商品を販売するのに1ヶ月がかかるのであれば、その期間については現金は支払っても、お金が商品として固定される期間が生じるため、普段よりもキャッシュはマイナスとなります。

同じ理由で、販売できない不良在庫が増えるとキャッシュがその分減少します。

【対 策】

1 「仕入れはかけで行い、販売代金は現金で回収する」
2 「過剰在庫や不良在庫の保有期間を短くする(早く売り切る)」

売掛金よりも、買掛金の支払い期間が短い

在庫とは別に、売掛けや買掛けで商売をしている場合には、それが原因で資金不足になりがちです。

特に、売掛金の入金のタイミングよりも買掛金の支払いのタイミングが早く来る場合は、資金不足がさらに顕著となります。

以下の例をご覧ください。 ※ 太字は入金日、下線は支払日

➀ 売掛、買掛の期間がともに「当月末締め、翌月末日支払い」のケース

仕入日買掛金の締日販売日買掛金の支払日売掛金の締日売掛金の入金日
8/158/319/19/309/3010/31


➁ 売掛「当月末締め、翌々月末支払い」、買掛「当月末締め、翌月末支払い」のケース

仕入日買掛金の締日販売日買掛金の支払日売掛金の締日売掛金の入金日
8/158/319/19/309/3011/30


③ 売掛「当月末締め、翌月末支払い」、買掛「当月末締め、翌々月末支払い」のケース

仕入日買掛金の締日販売日買掛金の支払日売掛金の締日売掛金の入金日
8/158/319/110/309/3010/30


上の➀の例では、買掛金の支払いは売上げの入金の1ヶ月前にやってきます。

➁の例では、買掛金の支払いは売上げの入金の2ヶ月前にやってきます。
③の例では、買掛金の支払いと売上げの入金は同時となります。

なので、このケースでは「③>➀>➁の順」でお金が残りやすいということになります。

なお、飲食店や一般小売店などの場合には、販売時に売上げが入って(日銭商売)くるため、資金不足が起こりにくい構造となっています。

現金商売の場合(買掛「当月末締め、翌月末支払い

仕入れ買掛金の締日販売日買掛金の支払日売掛金の締日現金の入金日
8/158/318/159/30なし8/15

ただし、日銭商売であっても、決済にクレジットを利用している場合などには、売掛の場合と同じようなことが起こるため注意が必要です。

つまり、このように掛けでの商売をしている場合には、入金と支払いまでの期間(これを「サイト」といいます)がどうなっているかで、資金不足が起こったり、資金が余ったりということが起きることになります。

【対 策】
「売掛金の回収期間をできるだけ短くする」
「入金までの期間が短いクレジットを利用する」
「支払いの一部を現金でもらう」

融資の返済が大きすぎる

会社が融資を受けている場合、その支払った元本は直接、決算書には記載されません。
昨年度に支払った分については、その金額が貸借対照表の長期借入金の額から減らされて表示されるだけです。

では、この元本はどこから払うのかといえば、会社に最終的に残った利益、つまりは「税引き後利益」からということになります。

このような取り扱いになる理由は、「借入金の支払元本は経費にならない」からです。

支払い利息が経費として認められ、損益計算書上に計上されるのとはこの点が大きく異なります。

したがって、決算書の損益計算書に税引き後利益が500万円と記載されていても、その期に支払わなくてはならない借入金の元本が600万円あるとしたら、その会社は100万円の現金をどこからか調達してこなければならないこととなります。

なので、借り入れの際には、はじめから「どのくらいの額が借りられるのか?」、「その場合の返済額はいくらになるのか?」を考えておく必要があります。
※ 参照:いくらまで借りられる?借入限度額の計算法


以上のように、企業にはいくつの現金がなくなる要因があるわけです
が、何が原因なのかは決算書やヒアリングをしなければわかりません。

なので、もし、社長から資金が不足する理由を聞かれた場合には、何がその原因となっているのかを読み取る力が求められます。
 参 照 融資を受けたいなら知っておくべき。「経常運転資金」・「経常収支比率」とは?

まとめ

以上のように会社にお金がなくなる理由は、「気がお金が商品になっていたり、代金をもらう時期が支払いより遅い」ということで生じます。

特に、在庫の持ちすぎは、不良在庫となる第一歩なので注意が必要です。
不良在庫が多くなると、融資審査でも減点の対象となりますので、定期的に在庫が多すぎになっていないかを点検しましょう。

なお、119番資金調達NETでは、資金繰り改善についてのアドバイスの他、借入時の融資額を増やす方法について多くの経験と実績を持っています。また、このブログではご紹介していないテクニックや注意点についても、直接、その方の状況にあわせてアドバイスしていますので、お気軽にご相談ください。

随時、初回の相談無料かつ、ご依頼のあった場合の手数料も完全成功報酬制(4%~-税別)でご利用いただけますので、お気軽にご相談ください。

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プロフィール
融資コンサル
引地 修一

119番資金調達NETの引地です。

創業者・中小企業経営者の方向けに、
● 融資の申込みの計画・申請、
● 事業計画書の作成、金融機関との交渉
● 契約・許認可手続き、経営の再建
などの「中小企業のお金と経営」をサポートしています。

特に、融資関係については、すぐに問題解決の提案をする「即効提案」がお客様から好評をいただいています。

【経歴】
2005年に金融・経営を専門とするIchigo(一期)行政書士事務所を開設。
2008に業界初の融資ノウハウをまとめた「確実に公的創業融資を引き出す本」を出版。異例の6刷増刷を達成。※現在も継続中。

コンサルティングでは、2020現在、累計相談者数2,000人を突破。6億2,000万円の資金調達額を達成中。
2008年に創業者支援団体ドリームゲートにて「資金調達部門」最優秀アドバイザーを受賞

【資 格】
行政書士、宅地建物取引主任、事業再生アドバイザー、品川区武蔵小山創業支援センター公認アドバイザー

【出版実績】
2008.12 「確実に公的創業融資を引き出す本」(TAC出版)を出版
     アマゾンレビュー評価4.2
2011.08 「銀行格付けアップ術」
2014.07 「飲食開業のための公的融資獲得完全マニュアル」

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