「利益は出ているのに、資金繰りが苦しいのはなぜ?」その理由をわかりやすく解説。

利益は出ているのに、資金繰りが苦しいのはなぜ?一般事業者向けコンテンツ

「決算書では利益がかなり出ているのに、なぜ資金繰りがきついんだ!」

経営者の方の中には、こんな疑問をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか?

これは利益と資金繰りの違いを理解できていないためにおこる疑問の一つですが、キチンと対応しないと最悪、「黒字倒産」ということになりかねません。

ここではなぜ利益が出ているのに資金繰りが苦しくなるのかと、その対策をお話しします。

利益は出ても資金が足りなくなる理由

「儲かっているのに、お金が足りない」

一見すると不思議なことのように思いますが、これにはどの会社でもあるいくつのことが関係しています。

実はそれ理由は、すごく単純なことで
「入ってくる資金より、一時的に出ていく資金の方が多いから」

これだけなのです。

では、なぜ、お金がないのに、利益は出るのかといえば
「一時的な資金不足の時期はあるとしても、トータルではそれ以上の資金が入ってきているから」
ということに他なりません。

つまり、本当は儲かっているけど、お金は毎日、出たり入ったりしているため、そのことが実感としてわかりづらいだけなのです。

とはいえ、「ウチの会社は一時的どころか毎月、苦しいぞ!」という方もいるかも知れません。

では、なぜ月末に資金が不足してしまうのかといえば、それには次のような原因があります。

月末に支払いが苦しくなる原因

 1. 入ってきたお金が在庫になっている。
 2. 入ってくる予定のお金(売掛金や受取手形など)よりも、支払う予定のお金(買掛金や支払
    手形など)の方が決済が早い。

 3. 融資の返済などが多額である。

これらの原因の一つまたは複数があると、会計上で利益は出ていても現金は不足することになります。

入ってきたお金が在庫になっている。

販売の事業をしていくうえで、ある程度の在庫の保有は必要不可欠です。

なぜなら、お客がほしいと思うタイミングで商品がなければ、売り逃
しをしてしまうからです。

なので、売れるか売れないかわからなくても、いざというときのためにある程度多めに商品を持っておく、
これが、いわゆる「在庫」となります。

しかし、在庫というのは買ったときには即金、または1~1.5ケ月後(買掛の場合)にその代金の支払いをするのが一般的です。

そして、その在庫が仕入れた後にすぐに売れてくれればよいのですが、販売するまでにはある程度の時間がかかるのがむしろ普通です。

このように在庫を持つ商売の場合には、お金が商品として固定される期間が生じるため、在庫の量が多いほど資金はなくなることになります。

売掛金などよりも、買掛金などの方が決済が早い

在庫とは別に、売掛けや買掛けで商売をしている場合には、それが原因で資金不足になりがちになります。

特に、売掛の入金のタイミングよりも買掛金の支払いのタイミングの早く来る場合は、資金不足がさらに顕著となります。

下記をご覧ください。 ※ 太字は入金日、下線は支払日

➀ 売掛、買掛の期間がともに「当月末締め、翌月末支払い」場合

仕入日買掛金の締日販売日買掛金の支払日売掛金の締日売掛金の入金日
8/158/319/19/309/3010/31


➁ 売掛「当月末締め翌々月末支払い」、買掛「当月末締め翌月末支払い」

仕入日買掛金の締日販売日買掛金の支払日売掛金の締日売掛金の入金日
8/158/319/19/309/3011/30


③ 売掛「当月末締め翌月末支払い」、買掛「当月末締め翌々月末支払い」

仕入日買掛金の締日販売日買掛金の支払日売掛金の締日売掛金の入金日
8/158/319/110/309/3010/30


上の➀の例では、買掛金の支払いは売上入金の1ヶ月前にやってきます。

➁の例では、買掛金の支払いは売上入金の2ヶ月前にやってきます。
③の例では、買掛金の支払いと売上入金は同時となります。

なのでこのケースでお金を残すことを考えた場合は、「③>➀>➁の順」ということになります。

なお、飲食店や一般小売店などの場合には、販売時に売上げが入ってくるため、資金不足が起こりにくい構造となっています。

現金商売の場合(買掛「当月末締め、翌月末支払い

仕入れ買掛金の締日販売日買掛金の支払日売掛金の締日現金の入金日
8/158/318/159/30なし8/15

上の例のように、仕入れたものののすべてがその日のうちに販売できるとは限りませんが、生鮮品や料理の仕入れ材料などの場合には、かなりこれに近い日数となるでしょう。

但し、上記のような日銭が入ってくる商売であっても、決済にクレジットを利用している場合などには、売掛の場合と同じようなことが起こります。

つまり、このように掛けでの商売をしている場合には、入金と支払いまでの期間(これを「サイト」といいます)がどうなっているかで、資金不足が起こったり、資金が余ったりということが起きることになります。

融資の返済などが多額である。

会社が融資を受けている場合、その支払元本は直接、決算書には記載されません。

ただ、昨年度に支払った分については、その金額が貸借対照表の借入金の額から減らされて表示されるだけです。

では、この元本はどこから払うのかといえば、会社に最終的に残った利益、つまりは「税引き後利益」からということになります。

なぜ、このような取り扱いになるのかといえば、それは借入金の支払元本は経費にならないからです。

支払い利息が経費として認められ、損益計算書上に計上されるのとはこの点が大きく異なります。

したがって、決算書の損益計算書に税引き後利益が500万円と記載されていても、その期に支払わなくてはならない借入金の元本が600万円あるとしたら、その会社は100万円の現金不足ということになります。

なので、借り入れの際には、はじめから「どのくらいの額が借りられるのか?」、「その場合の返済額はいくらになるのか?」を考えておく必要があります。
※ 参照:いくらまで借りられる?借入限度額の計算法


以上のように、企業にはいくつの現金がなくなる要因があるわけです
が、何が原因なのかは決算書やヒアリングをしなければわかりません。

なので、もし、社長から資金が不足する理由を聞かれた場合には、何がその原因となっているのかを読み取る力が求められます。
※ 参照:融資を受けたいなら知っておくべき。「経常運転資金」・「経常収支比率」とは?

 

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プロフィール
融資コンサル

Ichigo(一期)行政書士事務所 代表 引地修一
行政書士・宅地建物取引主任・事業再生アドバイザー
著作:「確実に公的創業融資を引き出す本」他 アマゾンレビュー評価4.2

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