議員の口利きは融資に役に立つか?

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融資を受けるときに、たまに「議員の先生からの口ききをしてもらう」という方がいらっしゃいます。

一般的に議員の口利きについては、「してもらった方がよい」という意見がある一方、「そんなことには意味がない」という方もいるため、使うべきかどうかをお悩みになっている方もいるのではないかと思います。

そこでここでは「議員の口ききとはどんなものか?」、「本当に効果があるのか?」、「どのくらいの費用がかかるのか?」などについてご説明したいと思います。

議員の口ききとは?

 

 

 

 

議員による口ききとは融資手続きにおいて、審査結果をよくするために行われる議員からの働きかけをする行為の全般を指します。

たとえば、
「〇〇会社で融資を申し込んだので、よろしく頼む」
「〇〇会社の資金繰りが厳しいようなので、力になってやってほしい」
などというのが一般的なものです。

しかし、中にはすでに出た融資の結果に対して
「なんで融資を断ったのか?〇〇会社をつぶす気か?」
などと恫喝するようなケースもあるようです。

これらはいずれも議員を通じて行われるものですが、実際に議員本人が表立って行うことはほぼありません。
たいていは、その秘書を通じて融資の担当上席(例えば、日本政策金融公庫であれば支部長クラスなど)に対して、電話でお願いをするというのが普通です。

また、利用する議員も、国会議員をはじめ、都議会や市議会・区議会議員などケースに応じて様々です。

議員による口ききの効果と結果について

 

 

 

 

議員による口ききの効果はあるのか?

以上のように議員による口ききは、いろいろなクラスの議員を通じて行われますが、本当にその効果はあるのでしょうか?

これについては、基本的には「効果がない」と思った方がよいでしょう。

たとえば、私の知り合いの例ではこんなことがありました。

その知り合いは、新たに事業を起こすにあたって日本政策金融公庫の新創業融資を使って資金の調達をしたいと考えていましたが、過去に「自己破産歴がある」、「自己資金が見せ金である」という問題がありました。

これは通常ならば、どう考えても無理な案件です。

しかし、その方は知り合いのつてを使って、当時の金融行政に強い国会議員に頼み、口ききをしてもらうことに成功しました。

そしてそのような手配をした上で、融資を日本政策金融公庫に申し込んだのですが、するとすぐに担当課長から電話があり支店へ来てほしいという連絡があったそうです。

その面談の当日には、初見であるにも関わらず、わざわざ担当課長が出てきて「〇〇先生からお話は伺っています。細かな手続きについては、担当職員にさせますので、よくお打合せください。」とあいさつをしたとのことでした。

その後、一通りの手続きをし、事業計画書も提出したその方は、「これでほぼ融資は間違いない」と確信したそうです。

それから、数日がたって日本政策金融公庫から連絡がありましたが、結果は「0」
減額ではなく、100%の否決となりました。

このように、議員の口ききを使ったからといって、ムリに融資の結果をひっくり返すことはできないとされています。

これ以外にも、私のお客さんの中にも議員の口ききを利用したことがあるという方が何名かいらっしゃいますが、かなりの割合の方が融資に失敗しています。

中には、融資を獲得できたという方もいますが、少数派です。

このように、どのような議員を利用した場合でも、無理筋の融資については議員の口ききは効果がないと思った方がよいでしょう。

口ききが成功した理由は?

以上のように、議員の口ききを利用した方の多くが、実は融資に失敗しているようなのですが、それでも何割かの方は融資に成功しているようです。

では、なぜこのようなことが起きたのでしょう? 口ききに効果があったのでしょうか?

ここから先は推測となりますが、おそらくそのようなケースでは次のような事情があったのではないかと考えられます。

そもそも口ききなどなくとも融資に通っていた。

まず考えられるのが、「口ききなどなくとも融資に通っていた」というケースです。
融資の口ききをお願いする場合には、その内容や程度は千差万別となりますが、そのすべてが無理筋のお願いばかりというわけではありません。

中には、普通に申し込んでも大丈夫というケースがかなり含まれています。

通常、経営者としては、資金繰りが厳しい状況の中で、早く結果を出したい気持ちが強いため、冷静に考えれば口ききの必要などないにも関わらず、あえてこれを利用している場合も少なくありません。

いわば、「念には念を入れて」というやつです。

しかし、このような方が融資に成功した場合には「〇〇先生のおかげ」と思ってしまいます。

多少の加算がされることで融資が通った。

もう一つのケースで考えられるのは、その企業が融資ができるかどうかのギリギリのラインのところにいて、議員の口ききが最後の一押しになったというケースです。

金融機関といえども、議員からの紹介はムゲにはできません。

そのような場合に、もし、その企業が融資合格ラインのギリギリにいたような場合、議員の紹介というファクターが有利に働く可能性があることは否定できません。

ココが、「ムリ筋のお願い」との大きな違いになると思います。

したがって、このような企業については口ききが有効に働いた可能性も考えられます。

なぜ、議員は口ききをするのか?

では、議員の立場から考えた場合、なぜ議員はわざわざそんなことをするのかといえば、その理由の一つには「力になってあげたという実績を作るため」ということがあります。

議員が一番気にするのは、自分の後援者またはその所属する党の会員からのお願いです。

なので、もし、それらの人から融資の口ききの依頼があった場合には、それに対して何の対応もしなかったとなれば、評判が落ちるだけでなく、次の選挙にも影響してしまいます。

しかし、結果はともあれ、「とりあえず、動いた」という実績を作れば、最低限の面子を保つことができます。

そして、議員が口ききをする理由のもう一つの理由が、「報酬や資金集め」のためです。

通常、議員が口ききをする場合には、一定の手数料を取るのが普通です。

その中身も、口ききの手数料と融資が出た場合の成功報酬の両方を取る場合と、成功報酬だけを取るパターンのいずれかとなりますが、いずれにせよ融資の口ききをした場合には、それなりの額のお金を取られます。

このように議員が口ききをする理由としては、「面子」と「お金」という2つが主な動機となります。

議員の口ききを使った場合のメリット・デメリット

 

 

 

 

議員の口ききを使った場合のメリットとデメリットとしては、次のようなものがあります。

メリット

融資の成功が期待できる

銀の口ききをお願いした場合には、融資の成功を期待することができます。

しかし、上述したようにそれは限定された一部の場合であって、その企業の財務内容が相当以上に痛んでいる場合や、税金の滞納がある、個人情報に問題があるなどといった、根本的に融資が受けられない事情がある場合などについては、議員の口ききは効果がないと思った方がよいでしょう。

融資審査が早くなる

議員の口ききを利用した場合には、結果はともかくも、融資の審査が早くなることが期待できます。

通常であれば審査に1ヶ月がかかるところ、口きき有の場合では10日で結果が出たなどとというケースもあります。

簡単な資料でよくなる

融資の際には、会社の財務状況が悪いほど、多量の資料や精緻な事業計画書が必要となります。

しかし、議員の口ききがある場合には、これらについても通常より簡単な資料で済むケースがあります。

デメリット

手数料がかかる

議員の口ききを利用した場合には、口ききのための手数料と融資が出た場合の成功報酬の両方を取る場合と、成功報酬だけを取る場合がありますが、いずれにせよ融資の口ききをした場合には、一定の報酬が必要となるのが普通です。

また、この場合の報酬についても、融資額の5%という良心的なところがある半面、20%以上の報酬を取られるケースもあるようです。

その後のしがらみができる

一度、融資の口ききをお願いした場合には、その後、政党への入会やその議員が開催するパーティや勉強会などへの参加を求められたりする他、会報の定期購読が口ききの条件となっている場合などがあります。

➂ 結果についての因果関係がわからない

議員の口ききを利用して融資が出たとしても、そのお願いと結果との間の因果関係は不明です。

なぜなら、その企業ははじめからお願いなどしなくとも融資が出ていた可能性もあるからです。

しかし、融資の結果について金融機関から詳しい説明はないため、このような場合でも「議員の口ききのおかげ」となってしまいますが、本当に効果があったのかは不明です。

金融機関の信用が低下する

議員の口ききを利用した場合で、一番気をつけなければならないのが「金融機関の信用の低下」です。

金融機関では本来、独自の審査だけで融資の判断をするべきところ、議員という余計な圧力がかかるわけですし、そもそもこのような手段そのものがルール違反なわけです。

ですので、議員の口ききを使った場合には、金融機関ではこのような経緯を、融資をした・しないにかかわらず、シッカリと引き継ぎます。

したがって、その企業ではその後に融資をうける場合には、融資が出にくくなる可能性が高くなると思った方がよいでしょう。

まとめ

このように融資の申込みに議員の口ききを使うのは、メリットよりもデメリットの方が大きいというのが一般的な考えです。

また、仮に融資に成功した場合でも「本当に口ききのおかげかわからない」、「高額な手数料を取られる」、「金融機関からのその後の信用が低下する」などというデメリットもあることに注意する必要があります。

しかし、このような手を使わなくとも、まずはすべての状況を金融機関に話してその後の経営についての考えをしっかりと伝えるといったことをした方が、よほど金融機関に信頼されますし、その後の融資にもよい結果を与えることになります。

119番資金調達NETでは、融資の申込みの以外にも、経営の改善や銀行の格付け改善サポートを行っています。

また、このブログではご紹介していないテクニックや注意点についても、直接、その方の状況にあわせてアドバイスしています。

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プロフィール
融資コンサル
引地 修一

119番資金調達NETの引地です。

創業者・中小企業経営者の方向けに、
● 融資の申込みの計画・申請、
● 事業計画書の作成、金融機関との交渉
● 契約・許認可手続き、経営の再建
などの「中小企業のお金と経営」をサポートしています。

特に、融資関係については、すぐに問題解決の提案をする「即効提案」がお客様から好評をいただいています。

【経歴】
2005年に金融・経営を専門とするIchigo(一期)行政書士事務所を開設。
2008に業界初の融資ノウハウをまとめた「確実に公的創業融資を引き出す本」を出版。異例の6刷増刷を達成。※現在も継続中。

コンサルティングでは、2020現在、累計相談者数2,000人を突破。6億2,000万円の資金調達額を達成中。
2008年に創業者支援団体ドリームゲートにて「資金調達部門」最優秀アドバイザーを受賞

【資 格】
行政書士、宅地建物取引主任、事業再生アドバイザー、品川区武蔵小山創業支援センター公認アドバイザー

【出版実績】
2008.12 「確実に公的創業融資を引き出す本」(TAC出版)を出版
     アマゾンレビュー評価4.2
2011.08 「銀行格付けアップ術」
2014.07 「飲食開業のための公的融資獲得完全マニュアル」

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