一目でわかる、融資の受けられない会社とは?


今回、解説するのは「融資の受けられない会社の特徴」についてです。


ところで、皆さんは融資の受けられない会社と聞いて、どんな会社を連想するでしょうか?


売上げのあがっていない会社でしょうか?、毎年、赤字の会社でしょうか?、それとも大幅な債
務超過の会社でしょうか?

確かにこれらの会社も融資を受けるのは難しいですが、ここでとりあげるのは、これ
から創業しようという方についてです。

なので、これらの原因は創業したばかり会社には当てはまりません。

けれど、そのな会社であっても出来上がった会社の謄本をみた瞬間に
「ああ、たぶんこの会社はこのままでは融資が受けられないな」
ということがわかってしまう場合があります。

どこにその問題があるのか? 以下でそれぞれについてご説明したいと思います。

 

会社の目的について


会社を設立して創業する場合には、必ず、
株式会社、合同会社、合名会社、合資会社のいずれかを選択し、会社の事業目的を決めて
設立の登記をしなければなりません。(有限会社は、新規に作ることができなくなりました。)

この会社の目的については、以前はなかなか厳しい制約があったのですが、現在ではほぼこれがなくなったため、不法な目的や極端に内容があいまいなものなどを除き、なんでも登記することができるようになりました。

しかし、これはあくまでも登記手続きに限った話となります。

登記手続き的に問題ないのであれば、何が問題なのか?」といえば、それは融資手続きの場合です。

登記手続きが適法にされているということと、融資審査の上で問題がないということとは同じではありません。

その代表的なものが「事業目的の内容」です。

金融機関では、たとえ適法に登記されている場合でも、融資的にはまずい場合があります。

このような事業目的を「融資(または保証)対象外業種」といい、日本政策金融公庫と信用保証協会のそれぞれで定められています。

この代表的なものとしては、以下のようなものがあげられます。

融資(または保証)対象外業種

① 農林・漁業
② 遊興娯楽業のうち風俗関連営業
③ 金融業
④ 学校法人、宗教法人、
⑤ 非営利団体、中間法人、LLP(有限責任事業組合)他

※ NPOについては、現在、融資が受けられるようになっています。

つまり、これらのうちのどれか一つの目的が登記されていた場合、それだけで融資が受けられなくなってしまったり、審査でマイナスとなってしまいます。

これは、例えば、「本当は飲食店をするのだが、ひょっとすると将来、金融関連の仕事もするかもしれないから、とりあえず目的の中に入れておこう。」という場合であっても同じです。

では、会社を設立する際に、うっかり「融資(または保証)対象外業種」を入れてしまったという場合には、どうすればよいのでしょうか?

通常、このような場合にはその対象となっている目的を金融機関の了解を得て、登記から削除すればたいていの場合で再申請を受け付けてもらえるはずです。

とはいえ、このようなことがあれば、余分な目的を登記から削除するために費用(登録免許税3万円+専門家手数料)がかかる上に、時間もかかり、また、審査担当官の印象も悪くなります。

そのようなわけで、スムーズに融資を受けたいのであれば、設立時の会社の「事業目的」には十分気をつける必要があります。


会社の役員について


設立時に気をつけなければならない登記事項の2番目は「役員」です。

これは会社法的や組織運営上で役員がどうのとか、取締役会がどうのということではありません。

ストレートにいえば、
「会社の役員の中に
過去、金融事故を起こした経歴のある人間が含まれていないかどうか?」
ということです。

この場合の金融事故には、破産、その他の法的整理などの他に、返済の遅滞や支払いの繰り延べなどの履歴も含まれます

また、これらの金融事故は、代表者そのものにある場合には当然として、その他の役員についても対象となるため、これから新しく会社を作る場合には、個人の人柄や能力だけでなく、こういった部分についても問題がないかを確認したうえで、役員を選任する必要があるということになります。

 

本店の場所について


融資申し込み先が日本政策金融公庫である場合には特に問題とならないのですが、制度融資(信
用保証協会付融資)を申し込む場合には、本店の選び方についてもチョット気をつけなければなりません。

なぜなら、制度融資の場合には、それを主催する都道府県ごとによって、融資の出やすさが違ったり、審査の要件が異なったりするからです。

例えば、自宅が埼玉の方が事務所を東京にする場合に、どちらを本店にすることもできます。
このときに、特に何の考えもなく自宅を本店場所として登記してしまった場合には、東京都の制度融資を利用することはできなくなります。

しかし、東京都・埼玉の制度融資の条件を比べて、東京の方が使いやすかったり有利であったと本店を東京に移転しない限り、埼玉の制度融資を使わざるを得なくなります。

 

以上のように制度融資は、同じ創業融資であっても、確と都道府県により条件が異なりますのでもし、利用できる都道府県が複数ある場合には、事前に確認しておく必要があります。

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