前回は、「創業融資と一般融資の違い」、「一般融資の特徴」についてお話ししまし
たが、今回は融資の種類にはどんなものがあるかにつ
いてご説明します。

 

形式から見た融資の種類

融資をその形式から見た場合には、次の4つに分類することができます。

・ 手形割引
・ 手形貸付
・ 証書貸付
・ 当座貸越

1.手形割引

「手形割引」とは、他の会社から支払いのために受け取った手形を金融機関に一時
に買い取ってもらうことにより、その額面に見合った金額の融資を受けると
いうタイ
プの貸付方法をいいます。

手形割引では、金融機関が手形の裏書をしたうえで、一定の手数料を差し引いた金額
を申込人の口座に入金するというのが一般的な流れです。


なお、返済は、その手形の満期日(これを過ぎると現金化できる)以降に、金
融機関
が手形の振出人に対し取り立てをする方法により行います。

返済が完了した場合には、手形は本人に返却されます。

手形割引の特徴としては
・ 他の融資に比べて、審査期間が短く、手続きが簡単な場合が多い。
・ 返済期間は半年以内がほとんどあり、手形の満期日以降に一括返済。
・ 手形の内容(上場企業か、中小企業か?、手形の支払いの満期日はいつか?
  など)や金融機関の規模などで、割引料が変わる。
   例) 都市銀行:1.5~3.0% 地方銀行:2.0~3.5%
      信用金庫:2.5~4.0% 信用組合:3.5~5.0%
・ 手形はいくらでも割引できるわけではなく、その申込人の信用力に応じた限
  度額
(割引限度枠)が設定されるのが一般的。
などがあります。

なお、手形割引で注意しなければならないのが、「手形の買取り義務の存在」です。

手形割引を金融機関にお願いした際に、手形の振出人が倒産したり、支払いができず
不渡りとなってしまうと、手形割引の申込人は金融
機関に対しその手形の支払いをし
なければならなくなります。

これを「手形の買取り」といいます。

したがって、あまり優良でない企業の手形の割引割引を行っている場合には、割引手
数料が高くなるだけでなく、振出人が倒産した場合のリスクも高まる
ことになります。

 

2.手形貸付

「手形貸付」とは、融資の申込人が金融機関に対して手形を振り出すことにより、資
金の調達をする方法をいいます。

手形割引が、申込人が他の会社から振り出された手形を使うのに対し、手形貸付では、
金融機関の専用の手形を使って
手形を振り出すところに違いがあります。

手形貸付の特徴としては
・ 1年以内の短期貸し付けで利用される。
・ 返済方法は、利息額を先に支払ったうえで、元金については指定された日に一括
  返済。

・ 証書貸付よりも簡単な手続きと審査で行うことができる。
などがあります。

このような特徴があることから、商品を仕入れて販売するまでや、商品の売掛金が入
金されるまでといった、短期間の資金調達に
利用されるのが一般的です。

なお、手形貸付は金融機関に対して手形を振り出して行うものであるため、もし、返
済日までに返済ができない場合には、通常の手形と同様、2回の
支払い不能により取
引停止処分となります。

 

3.証書貸付

「証書貸付」とは、金融機関と融資の申込人との間で金銭消費貸借の契約書を交わし
たうえで融資をするタイプの貸付方法をいいます。

証書貸付の特徴は
・ 返済期間が1年以上の長期の場合や、融資額が比較的大きな資金の貸し付けの際
  によく利用される。

・ 返済については、元金均等が原則であるため、はじめのうちは返済額の総額が大
  きくなる。

・ 一般的に、返済期間が長期となり、金融機関側の貸し倒れリスクが高まるため、
  その分審査は厳しくなる。

・ 手形割引や手形貸付が無担保無保証であるのに対して、証書貸付ではその条件に
  応じて担保や保証人が求められる。

などがあります。

ちなみに「元金均等」とは、元金部分の金額を返済回数で割ったものに利息を加えた
額を支払うタイプの返済方法を言います。

そのため、返済は初めは重く(利息分が大きいため)、返済を進めるうちに支払額が
減っていきます。

一方、「元利均等」とは、利息を含めた最終回までの支払額を単純に支払回数で割る
タイプの返済方式で、毎回の支払い額が変わらない代わりに、元
金均等と比べると支
払い総額が大きくなります。イメージとしては、通常の住宅ローンのようなものです。

なお、証書貸付で返済ができなくなった場合には、その融資が信用保証協会の保証付
きである場合には代位弁済の請求を、担保や保証人を取っている場
合には競売や保証
人への請求が行われます。

 

4.当座貸越

当座貸越」とは、金融機関と融資申込人との間で貸し出しが可能な金額の枠を設け、
その枠内で自由に貸したり返したりをすることができる
タイプの貸付方法をいいます。

その主な特徴は
・ はじめに限度額(これを極度枠という)の契約をしておけば、その枠内での借り
  入れや返済ごとの契約をする必要かない。

・ 枠の範囲内であれば自由に出し入れができる一方、利用にあたってはかなり厳し
  い審査が
ある。
・ 証書貸付に比べて、金利が高くなる。
などがあります。

 

以上4つの貸し出し方法が一般的なものとなり、申込人はその特徴や利便性に応じて
融資を利用することになります。

したがって、経営者の側もこれらの特徴を把握して、状況にあった適切な借り入れを
する必要があるだけでなく、複数の種類の借入を行っている場合にはその返済期限や
返済額に注意してください。

 → その3に続く

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