これまでこのブログでは、創業融資についての解説を主に行ってきましたが、融資は当然、
創業
融資だけではありません。

というよりは、融資全体のボリュームから見た場合には、創業融資はそのごく一部であっ
て、大
半を占めるのが「一般融資」です。

なので、あなたがすでに創業者でないとすれば、この「一般融資」に関する知識がなけれ
ば、経
営者としては十分ではないということになります。

したがって、今回からは「一般融資」の基礎についてご説明したいと思います。

 

「創業融資」と「一般融資」の違いと特徴

創業融資についてお話しする前にまずは創業融資と一般融資とでは、どんな違いと特徴が
あるのかについてご説明します。

創業融資と一般融資とでは、次のような違いがあります。

 ・創業融資は、創業の方(通常、開業後2~5年程度)のみを対象とした特殊な融資で
  ある。

 ・創業融資は、一般的に創業者の資力の弱いことを考慮し、融資条件が緩和されていた
  り、金利や担保の有無などについて優遇され
ていることが多い。
 ・創業融資における審査は、過去の経営実績や決算状況によらず、一定の元手(自己資
  金)や今後の事業に対する見通し(事業計画
書)を中心に行われる。
 ・創業者は、日本政策金融公庫と制度融資(信用保証協会付融資)以外の融資(例えば
  金融機関が独自の責任で行うプロパー融資
など)をほぼ利用することができない。

この両者にはこのような違いがあるため、ある意味、創業融資は経験のない方でも利用し
やすいという特徴があります。

 

これに対して、一般融資では
 ・融資のバリエーションが多く、目的に沿ったプランが用意されている。
 ・融資の審査は、過去の実績や経営状況を中心として、判断される。
 ・自己資金の要件などがない。
 ・創業融資に比べて、融資を受けられる金額が大きい。
 ・特別な制度や信用保証協会を利用しなければ、融資は有担保または有保証が原則。

一般融資ではこのように融資審査が企業業績や決算書の内容により判断されるため、
金融機関との交渉を有利に行うためには

 ・ 自社の過去~現在までの決算書の内容が理解できること。
 ・ 現在の状況についての分析ができること。
 ・ 問題の解決のための提案を金融機関に対してできること。
といった能力が必要となってきます。

 

中小企業の融資の特徴

では、創業者でなければ、どの企業でも同じように融資がうけられるのかといえば答えは
「NO」です。

同じ一般企業といえども、大企業と中小企業では金融機関による融資の対応も大きく異な
ります。

通常、大企業では法人とその経営者との関係性は分断されており、資本的にもそのつなが
りが大きくありません。
これに対して、中小企業では法人と社長は経営上も資本的にもほ
ぼ一体です。

そのため、金融機関では、融資において中小企業の信用力をあまり高く評価していません。

このような対応の違いは、大企業では決算書の作成や情報開示について、法律にもとづい
たしっ
かりした体制が取られている一方、中小企業では、これらの内容を監査する者や制
度がなく、その内容も恣意的であったり、ずさんであ
ったりするためです。
また、中小企業では大企業と異なり、その財務基盤が脆弱です。

このような違いがあることから、金融機関では中小企業に融資をする際に
は、その実体的
な内容を把握しようと、審査により慎重に
なります。

特に、中小企業への審査で重要となるのが、個人資産や個人的な財務の内容です。
先ほどもお伝えしたように、中小企業では会社と代表者がほとんど一体となっており、会
社から代表者へ、また場合によっては代表者から
会社へと資金の融通がされているのが普
通です。

なので、表面的にはよく見える決算書であったとしても、実は社長に対する貸付金や負債
があったり、その逆に、会社が赤字であっても社
長個人が会社に対して資金的な支援をし
ている場合もあります。

このように、中小企業では金融機関からの見方がきびしいため、上手に融資を獲得するた
めには、債務者区分に対する理解や経営に対する取り組みなどを目に見える形で金融機関
に示す必要があります。

 → 第2回に続く

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