知らないと損する!飲食店フランチャイズの落とし穴と融資のツボ

飲食店フランチャイズの落とし穴と融資のツボ日本政策金融公庫

これから開業される方の中には、虎の子の退職金をつぎこんでフランチャイズへの加入をお考えの方も少なくないのではないでしょうか?

フランチャイズで開業に加盟すれば、面倒な仕入れはまかせられるし、仕事は研修で教えてもらえるし、FCの知名度だけでお客が呼べそう・・。 ひょっとするとこんなふうに考えてはいませんか?

しかし、フランチャイズだって商売です。本人の努力がなければそんなに簡単に成功はできませんし、フランチャイズにはフランチャイズならではのリスクもあります。

ここでは、フランチャイズでの開業で失敗しないためのポイントと融資の状況についてご説明します。

最近の飲食店フランチャイズの経営状況

(一社)日本フランチャイズチェーン協会の調査結果によれば、最近の主な飲食店のフランチャイズの業績は以下のようになっています。 ※ 数字は2017→2018の対比

チェーン数店舗数売上げ
2018年増減2018年増減増減率2018年増減増減率
ラーメン・餃子9805,134-2799.5%260,234-1,28699.5%
カレー・牛丼・丼 1904,48837100.8%338.29111,650103.6%
日本料理・寿司店56-12,475-20892.2%200,431-2,83898.6%
西洋料理44-23,75221100.6%346,8598,575102.5%
中華料理店801,242-399.8%120,4933,453103.0%
焼肉店・その他65-25,254-28694.8%542,640-259100%
居酒屋・パブ10706,592-14097.9%373,144-29,65692.6%
コーヒーショップ42-26,402129102.1%488,93645,232110.2%


外食業の合計は、チェーン数568 、増減数-8、店舗数57,743、増減数 -811、増減率 98.6%、売上げ  4,268,819 百万円、増減額74,886百万円、 101.8%となっています。

これを見ると業種によるバラツキはありますが、外食産業全体では店舗数は減っているものの、1店舗当たりの売り上げは伸びているということになります。

つまり、強いところが生き残って淘汰された分の売り上げを吸収しているという図式です。
特に、居酒屋などでは店舗数・売り上げともに大きく減る傾向にあります。

一般的に、飲食業での開・廃業は他の業種よりもスピードが速く、早い店ではフランチャイズといえども1年も持たずに撤退していることから、加盟先や立地の選定については、十分な知識と注意が求められます。

飲食店フランチャイズの開業は、どのくらいの資金が必要?

開業時にかかる費用は?

では、飲食店のフランチャイズで開業するためには、いくらの資金が必要なのでしょう?

経済産業省の「フランチャイズ・チェーン事業経営実態調査 報告書」(平成 20 年3月)によれば、次の通りとなっています。

事業開始時にかかる資金

開業時にかかる資金の見込みは以下の通りです。
※ 経済産業省「フランチャイズ・チェーン事業経営実態調査 報告書」(h20.03)

これを見ると、各業種の中でも飲食業での開業資金が3,163万円ととびぬけていることがわかります。

これは飲食業のフランチャイズでは、ある程度の規模の店舗が必要となることが多く、それに伴い物件の取得費や内装費などがかかってくることが主な原因と考えられます。
※ 参照:最新の実例見本で解説! 飲食店創業融資のための事業計画書(創業計画書)の作成

店舗の負担による費用のかかり具合

同じフランチャイズ開業の場合でも店舗を本部と本人のどちらが用意したかによってもかかる費用は大きく違ってきます。これをあらわしたのが、次の表となります。

「本部側で店舗を用意した場合」の費用は1,869万円であるのに対して、「自分で店舗を用意した場合」は3,292万円と約1.7倍もの開きがあります。

店舗を加盟店側に用意してもらった場合には、自分で用意した場合と比較して約1.7倍近くの資金が必要になるわけです。
このように飲食店のフランチャイズでは、

◆ 他の業種より、高額な初期費用がかかりやすい
◆ 店舗をどちらが用意するかどうかで費用が大きく変わる

という特徴があります。

どのくらい借りているのか?

では、フランチャイズの開業時に、皆さんはどのくらいのお金を借りているのでしょうか?
これを示したのが次の表です。

フランチャイズでの開業を予定されている方にとって、「先輩たちがどのくらいの借入れをしているのか?」は気になるとこだと思います。

これについては上記のデータによると、飲食業グループで借入金の割合が50%未満で済んでいる方というのは、全体の32%(➀+➁)しかいません。

これは他業種や全体平均と比べてもかなり低い割合となります。飲食店のフランチャイズではそもそも立ち上げ費用に多額の資金がかかるため仕方のない部分もありますが、その分、シッカリとした資金計画が必要ということになります。

フランチャイズは融資が出やすい?  それとも出にくい?

フランチャイズ加盟で融資への影響は?

フランチャイズに加盟した場合、多くのケースで融資を利用することになると思いますが、ではフライチャイズへの加盟は融資に影響するのでしょうか?

この点については、「フランチャイズへの加盟によって融資の結果が変わることはない」
と考えられています。

その理由は「フランチャイズに加盟したからと言って、それだけで融資の判断が変わることはない」からです。この点は、法人で開業するか、個人でするかにより融資の出方に違いがないのと似ています。

しかし、これはあくまでも融資判断のときの話であって、運が悪いと選んだフランチャイズが原因で融資がダメになってしまうことがあります。

これはどういうことかといえば、そもそもフランチャイズのような事業においては、親であるフランチャイザー(本部)の経営成績や信用問題が審査での重要な項目となってきます。

なので、もし、フランチャイザー側に経営不振とか、金融機関の信用を裏切る行為(延滞、代表者がブラックリストに入っている、過去に破産や民事再生などを行っている)がある場合には、その加盟者についても融資が出ないということになってしまいます。
※ 参照:日本政策金融公庫に融資が断られた原因はこれだ!

 

これは実際に私のお客さんのケースであったのですが、その方はこれまでまじめに以前の会社を務めあげ、自己資金も奥さんからの協力もあって十分に用意していました。

また、立地についても、不動産のコンサル会社に依頼した立地調査についても合格点をもらい、創業計画書についてもA4用紙で7枚という力の入ったものでした。


このように準備万端で日本政策金融公庫に申し込んだのですが、何と結果は0。完全な否決でした。


また、日本政策金融公庫だけでなく、その後に申し込んだ制度融資についても同じ結果が出ました。

融資結果に納得のいかない依頼者の方は、何度も粘り強くダメだった理由を担当者に確認したところ、担当者からは次のような意外な回答がありました。

「実はあなたには何の問題もないのだが、今回あなが加盟したフランチャイザーの代表者が、以前に同じような事業で失敗し、その返済がまだ完了していない。そのような会社に対しては融資ができないので、その加盟者であるあなたについても融資をお断りさせていただいた。」

依頼人にとっては、とんだとばっちり以外の何物でもありません。

このようにフランチャイズ事業では、フランチャイザーとフランチャイジーは一蓮托生の関係とみられるため、前者に何らかの問題があるとその影響はもろに後者に及ぶことになります。

したがって、フランチャイズに加盟する場合には、自分のことだけでなく、「本当に安全な本部なのか?」、「財務や信用面での問題はないか?」についても十分に確認する必要があります。

ダメな本部の特徴

次のいずれかに該当するフランチャイズについては、何らかの問題があると考えるべきですので、自分で納得のいく調査をするか、場合によっては選択の候補から外すことも考えましょう。

ダメなフランチャイズの特徴

➀ 財務内容を開示しない。
➁ 複数の訴訟を抱えている。
③ 既存店の店長からの評判が悪い。
④ ネットで問題が報告されている。
➄ 説明会で、よいことしか言わない。
  ネガティブな質問に答えない。

⑥ 法で定められた契約を締結しない。
⑦ 短期間での離脱店が多い。
  理由なく店舗の数が増えていない。

フランチャイズ加盟のメリットとデメリット

加盟のメリット

フランチャイズに加盟した場合、以下のようなメリットを受けられる可能性があります。

➀ 本部のノウハウや看板、信用を利用して営業できる
➁ 仕入れを本部任せにできる
③ プロの経営指導を受けられる
④ 宣伝広告費などが割安になる
➄ 既存店のデータを活用して、信憑性の高い計画を作れる

加盟のデメリット

逆に、デメリットとしては次のような負担やリスクが考えられます。

➀ 初期費用が高額となりやすい
➁ ロイヤリティなどのコストが必要
③ 本部に実態がないケースがある
  (俗にいう、「オープン屋」)

④ 自由な経営や店舗変更ができない
➄ 他力本願の開業となりやすい
⑥ 中途解約時には違約金が発生する


以下、デメリットについて、もう少し詳しく説明します。

➀ 初期費用が高額となりやすい。
前段で説明したように飲食店のフランチャイズ加盟には、多額の資金がかかります。

しかし、自己資金が少なく、その多くを借入金によっている場合には、返済が高額となるため利益とのバランスが取れないと早期の廃業につながってしまいます。
※ 参照:絶対した方がいい!創業計画書を作成する前の5つの確認。

また、多額の融資が必要となる計画では、融資成功の確率も低くなってしまうため、希望額の獲得が難しくなりがちです。

➁ ロイヤリティなどのコストがかかる。
ロイヤリティとは、簡単に言えば「名義借り料」です。しかし、これは自分で営業する場合には不要なものですし、その割合が高い場合にはその分収益を圧迫する要因となります。

なお、先ほどの経産省のデータによれば、標準的な飲食店のフランチャイズのロイヤリティは「売上げ×4.6%」となっています。※ 他に固定額制のケースもあり

③ 本部に実態がない場合がある(俗にいう、「オープン屋」)
「オープン屋」とは、加盟金とロイヤリティだけを目的に加盟店を増やし、経営指導や支援などを行わないフランチャイザーのことをいいます。

このようなところに引っかかってしまうと結果的に、廃業となってしまうため、「契約時には実態があるのか?」、「既存店の評判はどうなっているか?」などに注意してください。

④ 自由な経営や店舗の変更等ができない。
フランチャイズでは、通常は勝手なレイアウトの変更や、仕入れ品目の変更ができないようになってます。

なので、たとえば自分で見つけた割安な商材があっても販売できませんし、セールなども本部指示のもの以外はできません。

なお、悪質な本部では、割高な仕入れ品を使わせたり、什器・備品などのローンを高率に設定しているところもありますので、よく確認してください。

➄ 他力本願の開業となりやすい。
フランチャイズは、一通りのことを本部でしてくれるため、いわゆる「本部におんぶにだっこ」の状態で経営ができると勘違いする人がたまにいます。

こういう方は、本部のいい話だけを聞いて開業を決めた、これまで商売の経験ないという方に多く見られます。

しかし、経営に失敗しても本部では何の責任も取りませんので、契約をした時から「自分が経営者だ」という自覚を持って臨むことが必要です。

⑥ 中途解約時に、違約金が発生する。
自分で商売をやめるときは、仕入れ先への支払いだけを考えれば済みますが、フランチャイズでは契約で定められた時期にならないと契約の解除をすることができない場合がほとんどです。

もし、この時期以外に契約を解除すると高額な違約金がかかりますので、自由にやめるということはできません。
※ 参照:日本政策金融公庫に融資が断られた原因はこれだ!

飲食店のフランチャイズで融資を受ける場合の注意点

飲食店のフランチャイズで融資を受ける場合には、通常とは違った注意点があります。

フランチャイズで融資を受ける場合の注意点

➀ 事業計画書はそのまま使わない

フランチャイズの本部によっては、事業計画書の作成をサポートをしてくれるところや、以前に作った事業計画書をもらえるケースがあります。しかし、このような場合でも、それをそのまま使うのは危険です。

なぜなら、経営者の考え方も立地もすべて同じではないからです。そのため安易にそれをマネてしまうと必ずつじつまの合わないところが出てきてしまいます。
また、本人が計画を作っていないため、面談で答えられなくなるという可能性も高まりますので、本部からの事業計画書はあまりアテにせず、参考程度に見るようにしてください。

 

➁ 本部に頼っているような態度を見せない。

フランチャイズに加盟したからと言って、「本部にお任せ!」というような考えが見える態度は厳禁です。

フランチャイズでは、ただでさえ事業の具体的な内容や経営理念ということをよく理解せずに開業してしまう方が多いですが、金融機関は本部ではなくあなたに融資をするわけですので、自分が経営に責任を持つという態度が求められます。

 

③ フランチャイズをよく思っていない人もいることを知っておく。

金融機関の中には、フランチャイズへ加盟して開業することをあまり快く思っていない人もいるということを覚えておいてください。
事実、以前に私のお客さんの中にも「フランチャイズに加盟するのは自分の力量に自信がないからではないか?」、「加盟金はあなたが自分で開業すれば不要なのだから融資の対象とはならない」と、かなりムチャなことをいわれたケースがありました。

そこまでではないにしろ、中にはこのようにフランチャイズへの加盟をよく思わない人もいるので、しっかりと自分の意志を伝えられるようにしておいてください。

 

④ 自営ではなくフランチャイズを選んだ理由を明確にする。

フランチャイズでは、仕入れ~管理、広告宣伝といった経営で重要なことをサポートしてくれますが、それはあくまでサポートであって、本部が代わりに経営をしてくれるわけではありません。

なので、「なぜフランチャイズを選んだのか?」と聞かれた時、これらが便利だったからでは融資は通りません。
担当者が望んでいるのは、このようなリソースを使ってどのような経営をしていくのかというあなたの意志ですので、これが伝わるように創業計画書作成や面談の対応を考えておく必要があります。

※ 参照:飲食店希望者は必見!無料相談事例でわかる創業融資の獲得術!

 

 


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