創業時に会社を設立して事業を開始する方は多いですが、もし、融資の獲得をお考え
場合には、設立する会社の手続きは何でもよいというわけではありません。

創業融資獲得のための「正しい」会社の作り方
融資の審査を受けることを想定した正しいルールに従って手続きをしないと「融資が受
けられない」、「余計な費用がかかる」などということになってしまいます。

ここでは融資を受けるために、どんな手続きで会社を作ればよいかについてご説明します。

 

1.自己資本が少ない会社の問題点

 ① 融資で調達できる金額が少なくなる。

 現在の会社法では、最低資本額の制限がなくなったため、1円からでも会社を設立でき
るようになりました。しかし、日本政策金融公庫の新創業融資では「事業にかかる総経
費の1/10以上」の自己資金が必要とされています。

また、一般的に受けられる融資の額は自己資金の3~4倍とされていますので、仮に設立
時の資本金が10万円だとすればその資本額に見合った少額の融資しか受けられないとい
う可能性があります。
したがって、一定以上の金額の融資を希望するのであれば、それに見合った資本額とす
ることが必要となります。      

②「債務超過」へ転落する可能性が大きくなる。

資本金が過少である場合には、融資が受けにくくなるというだけでなく、開業後にわず
かな赤字がでただけでも、すぐに債務超過の状態となってしまいます。

例えば10万円の資本金の会社ならば、決算で11万円の赤字が出ただけで1万円の債務超
過となってしまうわけです。このような債務超過の状態では、金融機関からまともな融
資をうけることはできませんし、金融機関からの評価も大きく下がることとなります。

 

2.会社の内容についての問題点

以前の会社設立の登記手続きでは、かなり厳格な手続きを求められましたが、会社法の
改正に伴い、事業目的に関する登記の審査が大幅に緩和され、現在では違法な目的やあ
まりに抽象的な目的でない限り、簡単に事業目的の登記をすることができるようになり
ました。

 しかし、注意しなければならないのは、登記上の手続きが簡素化されたからといって、
金融機関の審査基準までが簡単になったわけではないということです。
これはどういうことかといえば、会社の登記事項の中の目的や本店、役員などに問題
あると融資が出なかったり、変更手続きを求められたりするということです。

① 会社の目的に問題がある場合

たとえば、目的については違法なものや内容が不明瞭なものは当然ダメですが、それ
外にも融資が禁じられている業種を目的の中に入れてしまうと、融資審査で問題と
なっ
てしまいます。

例) 風俗営業、パチンコ、ラブホテル、金融業、学校など

 会社の本店の決定に問題がある場合

また、本店をいずれかの都道府県に決定した場合には、その都道府県の制度融資しか利
用できないことになります。したがって、A県よりもB県の方が審査が緩いような場合に
A県で設立をしてしまうとB県の制度融資は申し込めないということになります。

 役員に問題がある場合

さらに役員についても注意が必要です。
金融機関では代表者だけでなく、役員の全員についても審査を行います。
そのため、平取締役の中に、ブラックになっているまたは、過大な債務を負っていると
いう方がいる場合には融資審査に影響することになります。

これはフランチャイズ(以下、FC)で開業する場合も同じで、FCの運営会社に負債の
納がある、事故歴があるといった場合には、その加盟店には何の落ち度もないとし
ても、
融資は受けられなくなってしまいますのでご注意ください。

 

3.会社の設立に関する融資の失敗事例

「間違った情報」を鵜呑みにしてしまい失敗したケース

ネットなどに書かれたこれらの情報を鵜呑みにして融資に失敗してしまった例が結構
りますが、このような情報は間違いなので信じないようにご注意ください。

・ 親兄弟から借りたお金は「自己資金」となる。
・ 金融機関から借りたお金を自己資金として、さらに別の融資に申込むことができる。
  → 親兄弟であっても、借りたお金は自己資金にすることはできません。

・ 他から借りたお金でも、一度通帳に入れてしまえば「自己資金」として認められる。
  → 借りたお金は通帳に入れても自己資金にはなりません。

・ 自己資金がない場合でも、事業計画書の内容が良ければ審査に通る。
  → 新創業融資は、創業経費の1/10以上の自己資金がなければ申し込めません。

・ 会社の登記をして資本金が登記されれば、通帳での自己資金の確認はされない。
  → 会社の資本金についても、出どころについて代表者の通帳の確認が行われます。

他の会社を買って融資の申込みをし、失敗したケース

資本金の大きい休眠会社を購入し、これをもとに融資の申込みをされる方がいますが、
このような会社では資本金の出どころの証明や決算書の提出ができないため、融資が
ることはありません。

本店を他の会社の中にしてしまったため融資が下りなかったケース

会社の本店には、ある程度の独立性があることが求められます。そのため他の会社の
角に机などを借りて開業している場合には、独立性のないものとして扱われる場合
があ
ります。

会社の事業目的の中に不適切なものを入れてしまった事例

金融業や風俗業などの融資の対象とならない事業を会社の目的に入れている場合には、
仮にその事業をメインでしない場合であっても、事業内容が不適切なものとして融資
出ない場合や目的の変更を求められる場合があります。

必要な許認可を個人名義でしか取得していなかったケース

法人で営業するにもかかわらず、個人名義でしか許認可や資格を取っていない場合には、
法人名義の許認可等が取得できるまで融資はされないか、もしくは融資そのもの
が否決
されてしまうことがあります。

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