開業や起業を成功させるためには、まず何よりも、十分な資金を調達をすることが重
要です。

実例見本! 創業計画書の作成&ポイントそしてそのためには「融資を獲得できる事業計画書」を作れるかどうかということが、資金調達の成否を決める大きなポイントとなります。

しかし、いきなり「融資を獲得できる事業計画」と言われてもたいていの方はピンとこないでしょう。
なぜなら、融資のために事業計画書を作るという作業を、ほとんどの方がしたことがないからです。

そこで、ここでは119番資金調達.netが過去の実例にもとづいて、「融資を確実に引き出す事業計画書とは?」、「そのために必要なポイントは何か?」について、計画づくりの要点を解説します。
なお、ここでは、日本政策金融公庫の「新創業融資制度の記載例」を参考にご説明い
たしますので、あらかじめ記載例をご用意の上、ご参照ください。
※ 創業計画書記載例(洋風居酒屋):日本政策金融公庫HP
  https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kaigyourei01_171010c.pdf

 


1.事業計画書の作成のポイント

1.目的・開業の動機

ここの箇所では「なぜ、その事業を始める気になったのか?」という動機とともに、
その事業についてどれだけの準備(場所・設備など)や覚悟ができているかなどが見
られます。したがって、できれば営業場所、仕入先、販売先の見通し程度について
は、この中でも触れておきたいところです。

また、この箇所は、どれだけ強い思いでその事業を始めたかという、いわば「事業
に対する思い入れ」をPRする場所でもあります。
日本政策金融公庫の創業計画書の記載例では、単に条件が整ったから開業するとい
う印象をうけますが、これでは事業にかける熱意が十分に伝わりません。

これをうまく表現する一つの方法としては、次に掲げる流れに沿って文章を組み立
てていくという方法があります。

<きっかけ>
● 「普段の生活の中で不便に感じることがあった」
● 「前職で発見や改良点を見つけたが、当時の状況ではできない事情があった」

<発 展>
● 「解決策を考えたところ、実現の可能性があることが判った」
● 「これまでの経験を生かして社会的にも貢献できると思った」

<結 論>
● 「事業の可能性を様々な角度から検討し、判断したうえで開業に踏み切った」

ここの箇所については、できるだけ客観性のある資料やデータを利用して作ると
より一層に厚みのある内容することができます。

2.経営者の略歴等

事業経験の内容については単純に、「○年○月 ○○株式会社へ入社」などと書か
ずに部署名やそこで従事した内容、昇進や表彰の履歴などを具体的に記載します。

また、直接、事業に関する仕事をしていなくとも、そこで得た経験などを事業にか
らめてアピールできれば、事業経験の補足となりますので、このような経験がある
場合にはそれを積極的に書くことをお勧めします。

3.過去の事業経験の有無

ここは、過去に事業の経験の有無があるかどうかを確認する箇所です。

しかし、ここで事業経験があるに〇がつく場合には、ケースによっては創業に当た
らない場合もありますので、ご注意ください。

4.資格取得、知的財産

事業に関係する資格や知的財産の取得をしている場合には、その名称だけではなく
取得年月日や取得番号も正確に記載します。

5.取扱商品・サービスの内容

記載例では3行だけの記載となっていますが、、やはりこのボリュームでは不十分
です。基本的な内容としては、記載例をさらに充実させた感じにできればOKです
が、表にするまたは別紙などにまとめるなどすると、さらに見やすさが増します。

メニューやカタログなどは、極力、これを作成して提出してださい。
ただし、そこに記載した単価は後から記載する「開業後の売り上げの見通し」の部
分の単価と同一でなければなりませんので、両者の内容に食い違いがでないように
気をつけてください。

6.セールスポイント

この箇所でのキーワードは「差別化」と「説得力」です。
「すでにある他の店舗とどう違うのか?」
「なぜ、その部分がセールスポイントになり得るのか?」
などについて、数字や実例などを用いてハッキリさせる必要があります。

また、その際には、「その事業がどのような仕組みで、収益を生み出せるのか?」
についてもあわせて表現できれば、なお、効果的となります。

7.販売ターゲット・販売戦略・競合状況

ターゲットは、年齢・性別・商圏の範囲を明確に記載してください。

また、販売戦略は記載例では明確になっていませんが、ターゲットに対してどのよ
うな方法で実施し、どのような効果が得られるのか?、かかるコストはいくらなの
か?などといった視点でまとめるようにしてください。

競合状況は、自分がターゲットとする商圏を対象として、地図に円を描き、その中
に同じような店がどのくらいあるのかをプロットしたものを資料として添付すると
わかりやすい資料となります。

8.取引先について

仕入先と販売先がめどがついているのは当然ですが、それだけでなく特定の取引先
が決まっている場合には、氏名・住所、シェア、かけ取引の割合だけでなく、回収
や支払いの条件についてもキチンと記載することが必要です。

回収の支払い条件は、開業当初は現金となることが多いですが、掛け取引ができる
場合にはその条件を記載します。掛けの場合の取引条件としては、「当月末締め、
翌月末払い」や「当月末締め、翌月10日払い」となるのが一般的です。

もし、これから開業する人で仕入先のあてがない場合には、自分が仕入れたいと思
う商品を扱っているお店に連絡をし、開業後に取引が可能かどうか、その際の仕入
れ条件はどうなっているかなどを確認しておけばよいでしょう。

また、逆に、販売先については、もし、すでに何らかの契約ができおり、開業後す
ぐに受注を得られる見込みとなっているような場合には、必ずその旨を記載してく
ださい。

9.役員・従業員数

役員・従業員数の数をそれぞれに記載します。なお、従業員がおらず、アルバイト
・パートのみ
の場合はそれもあわせて付記します。

なお、この新創業融資制度を利用するためには、少なくとも従業員を雇用するなど
といった「雇用創出の要件」を満たす必要があります。
したがって、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強
化法に定める認定特定創業支援事業を受けて事業を始める方」等の他の要件に該当
しない場合については、従業員を雇用する計画となっていなければなりません。

しかし、この場合の従業員には、正式な社員だけでなくパートやアルバイトなども
含みます
ので、事業計画のうえでは、これらいずれの方を雇用する内容としておい
てください。

10.借入の状況

借入れやローンなどがある場合には、記入例の種別に従って記載します。
なお、個人的な車のローンや買い物のローンなどはよほど高額でない限りあまり融
資に影響することはありませんが、事業に関するローンについては問題ありとされ
る可能性があります。

ただし、ノンバンクからの借り入れについては、かなり厳しい目で見られます。

11. 必要な資金と調達方法

ここの欄については、貸借対照表のような形式の表に今後の事業資金の内容を書き
込んでいくこととなります。
基本的には右側には「事業に必要なお金をどうやって集めたか」を、左側には「事
業の中で何に使うのか」を記入していきます。

「調達の方法欄」について

◆ 左側「必要な資金欄」の合計金額とは、必ず一致させます。
◆ 「自己資金」※には、事業に使うために用意した預金の金額を記入します。
◆ 「親・兄弟等からの借り入れ」には、それぞれからの借り入れを記載します。
ただし、これはあくまでも借入金なので自己資金とは認められません。
◆ 「日本政策金融公庫からの借り入れ」には、今回の借入れ希望額を記載します

「自己資金」に含めてよいものとしては、以下のものがあります。
① これまでに貯蓄してきた預金
② 退職金などの出所のはっきりしているお金
③ 相場価格のある有価証券(時価評価)
④ 事業のために先に支出した資金
これらとは異なり、「親などから借りたお金」は自己資金とはなりません。
しかし、それが贈与を受けたものである場合には、自己資金となります。

「必要な資金」について

◆ この欄には、「事業の何のために使うのか?」を記入します。
◆ 設備資金については、名称・金額の記載だけでなく有効な見積書を用意します。
◆ 運転資金については、当初の仕入れ・人件費・宣伝広告費などを記載します。

12.事業の見通しについて

一般的な決算書での「損益計算書」に当たる部分です。
ここには、事業を開始後および1年後に予想される売上げの金額およびそのために
かかる費用ならびに最終的な利益を記入します。

記載例では、事業の開始当初としばらくたった後の2つの時期について記載するよ
うになっていますが、出来れば毎月ごとに12ケ月分( 例えば、開始時がh30.04なら
ばh31.03まで)を作成するようにしてください。

金融機関への返済はこの「利益」から行われるため、仮に開業当初の年は赤字が予
想される場合あっても、計画上は黒字(返済ができる以上の利益)を確保できると計
画としておく必要があります。

① 売上高

記載例の根拠欄を参考に、自分が行う事業の業種に応じて売上高を計算します。
もし、資料が十分でない場合は、詳細な各種統計資料が書籍やネットで入手できま
すので、最も自分のケースに近いものを当てはめて算出してください。

<参 考>
・中小企業庁 公開情報調査統計
・経営指標速報小企業の経営指標

② 売上原価

この数値も上記の指標を使って算出します。
フランチャイズなどですでに原価率が決まっている場合は、その数字を使って計算
します。

③ 人件費

記載例のとおり、バイト等の時給、労働時間、出勤日数をかけ合わせたもので算出
します。

④ 家 賃

「契約書に記載されている金額」を、そのまま記載します。
家賃は契約書を見て確認されますので、食い違いがないようにして下さい。

➄ 支払利息

借り入れ時の金利に融資申込額をかけて、支払利息額を計算します。

⑥ その他経費

その他経費として水道光熱費、広告費などがあれば、それぞれの科目ごとに計算の
根拠と金額を記入します。

⑦ 利  益

①から②~⑥までの金額を差し引いた残りの金額を記入します。

法人での借入れの場合には、代表者や役員の給与を経費として計上しますが、個人
事業の場合には計上することができません。

したがって、個人事業者については、利益から生活費等も捻出する必要があるため
これも考慮した計画としておく必要があります。

 


2.実際の事業計画書の記載例

項目の説明だけではわかりにくいと思いますので、実際に日本政策金融公庫で融資
に使用した事業計画書の成功事例を掲載しました。

特に、日本政策金融公庫の「新創業融資」を申込まれる方については、ご自身で事
業計画書を作る際の参考にしてください。

1.  事業内容

(事業内容)

中古書籍・コミック・ゲーム・CD、DVDその他(トレーディングカード、輸入
雑貨等)の買い取り及び販売。店舗周辺の住民の皆さんから、読み終えた本や遊び
終えたゲームソフト、他を買い取り、定価よりも安く販売ことが主なサービス内容
となります。

(販売商品構成)
書籍、コミック 70%   ゲーム 15%  CD、DVD 10%
その他 5%

(想定する顧客層)
10~30才代までの男女
特に近隣に学生が多いことから、これら見込み客に対する集客に重点を置く。

(想定する商圏)
営業店舗には駐車場がないことから、徒歩および自転車での来店を対象とする。
自店から半径2kmを中心的な商圏として営業する。

※自転車10分圏内人口  10~39才男性 70,106人  同女性 69,799人
○○駅1日あたり平均乗降客数 25,621人(2010年度)

(商圏内での主な競合先)
・ ○○FC ○○店  ・ ○○FC ○○店  ・ ○○書店 ○○店
※ 各店舗の所在については別添地図の通り

(営業の方針)
良い内容であるにも関わらず、知名度が低い本や音楽CDについては「店長のお勧
め」として積極的に紹介・販売することにより、品揃えにこだわりのある店づくり
を目指すとともに、近隣に学習塾、大学があることから、この学生をターゲットと
した商材の取扱いにより、他店とは異なる独自の展開を図る。
- 教科書、参考書類の買い取り・再販など

また、平日のお昼すぎなどの空きのできやすい時間などを利用して、近隣の主婦に
よるサークル活動や地元の趣味団体等の展示会スペースとして利用してもらうこと
により、地元に根付いた店づくりをするとともに、リピート客の育成に努めたい。

(営業時間)
10:30~23:00 定休日なし

2. 創業の目的と動機

以前から、個人的に本や音楽、映画がとても好きだったことに加え、過剰供給され
短期間で破棄されることの多い商品(コミックやゲーム等)のリユースに強い関心
を持っており、いずれはこれらに係る仕事をしたいと考えていました。

また、開業までの準備期間については、最近の売れ筋商品の傾向や商品情報の収集
などを通じて独自に事業に関する知識を集めてきましたが、店舗の運営や仕入れな
どの経営的な部分を考えると独力での開業は難しいと思い、これらのバックアップ
が得られるFCへの参加が最適と考え、加入先につき比較検討してきました。

このような中で自分なりに検討を重ねた結果、○○FCが事業コンセプト、将来性、
販売方式の斬新さ、営業店に対する指導力等の点から、自分のやりたいと考える事
業のイメージに最も適した内容であったことから、今回、フランチャイジ-として
参加、開業することとしました。

また、今回の開業にあたり○○線○○駅から徒歩2分という立地的に好条件の店舗
が確保できたことも大きな理由の一つです。

3. 創業する事業の経験

今回のFCに参加するまでの間、販売に関する経験はありませんでしたが、開業に
いたるまでの間FC直営店での開業研修並びに実地でのアルバイト経験を1ケ月以
上行い基本的な店舗経営を学ぶとともに、接客対応についても身をもって経験でき
たため、不安なく始めることができました。

また、同FCの他店舗の視察、意見交流などを行い、他店の店長から現実の運営に
もとづいた意見や問題点を教えてもらうことできたため、イメージとのギャップの
ないスタートを切ることができました。

4. 強みやセールスポイント

従来の古書店や中古販売店にはない明るくきれいな店内、POSシステムによる売
れ筋商品の把握と供給体制、わかりやすい価格、多面的な商品構成により、低年齢
層から女性でも利用しやすい店づくりであること。

近隣に大学(○○大学)や学習塾が存在することから、これらの学生に的を絞った
集客ができるとともに、独自の商材(教科書や参考書等)を扱うことが可能なこと。

最寄駅から徒歩2分という乗降客に認知されやすい好立地にあるため、効率的な集
客が可能なこと。

店舗がある程度の裁量をもって商品の仕入れをすることができるため、状況に応じ
た品揃えに対応できること。

5.補足説明

・ 前職:会社員(経歴については別添資料を参照)

・ 必要な知識、技術の習得については(3)の内容のとおり

・ 事業協力者の有無:妻(専従者として勤務) 本 部(定期の巡回指導あり)

・ 必要許認可等:古物商許可取得済み(平成20年5月10日 第○○○号)

(今後の営業の展開予定について)

開業時から約3ケ月間については、「買取り」および「現場での運営シミレーショ
ン」、「顧客のデータの取得」を中心的な課題として行い、集客や営業の基盤づく
りに注力するとともに、本部から集客案や営業についてのチェックを受ける。

開業3ケ月以降は、顧客の嗜好や来店頻度、エリアなどについて集積したデータの
分析および改善点の洗い出しを行い、商品構成や方向性についての見直しを行う。

基本的に3ケ月ごとにセールや催事を行うことを目標とし、リピート客の育成・
獲得に努めることにより、周辺住民の認知度の向上と促進を図る。

※ 取引先および創業時の投資計画の詳細は、別紙「収支計画書」の通り。

 

→ トップページに戻る