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    理美容店や飲食店などの、いわゆる「生活衛生業種」をする場合には、知事の推薦書や保健所の
    許認可など融資の手続きも一般のものより多少、複雑になってきます。

    また、それにともない、融資申請をする際の段取りや、注意すべき点なども違ってきます。

    そこで、ここでは飲食店開業で最大の融資を獲得するための融資の秘訣をお教えします。



    1.「生活衛生関係営業」とは?

     生活衛生関係営業とは、厚生労働省が所管する法律「生活衛生関係営業の運営の適正化及び
     振興に関する法律」(昭和326月法律第164号、略称:生衛法)で規定する飲食業、理・美
     容業などの総称をいいます。 今回対象となる「飲食業」もこの中に含まれます。

     なお、日本政策金融公庫では、これらの業種を「生活衛生業」と位置づけ、通常の事業とは
     異なる種類の融資で対応しています。

      

      飲食業

     1 すし店  2 めん類店(そば・うどん店)  3 中華料理店  4 スナック・バー

     5 料理店(料亭など)  6 喫茶店その他の飲食店(食堂・レストランなど)


        サービス業

     1 理容店  2 美容店  3 興行場(映画館)  4 クリーニング店  
      5 
公衆浴場(銭湯)  
6 ホテル ・旅館  7 簡易宿泊所  8 下宿営業

      販売業

     1 食肉販売店   2 食鳥肉販売店  3 氷雪販売業(氷屋)





    2. 「飲食店」と一般事業との融資の違いは?

     「飲食業」で開業資金の融資を受ける場合には、一般の事業の場合と違って次のような特色
     があります。

    ① 知事推薦書の取得 (対象:日本政策金融公庫)

          飲食業」の営業を行おうとする方が、日本政策金融公庫の融資を受ける場合には、事前
       に生活衛生営業指導センターが発行する知事の推薦書を取得し、これを融資申込書に添え
       て提出しなければなりません。


           ただし、申込み額が300万円未満の場合には、センターの証明書は不要となります。


       ② 多額の融資額が必要となる

           一つの金融機関のみの融資では限度額や、自己資金の問題などがあるため十分な額を借
        りられず、必要な資金が不足することが多くなります。

        そのため多額の開業資金が必要となる場合には、日本政策金融公庫と制度融資(信用保証
        協会の保証付融資)の併用が必要となる場合もあります。



       ③ 店舗の不動産関連費(保証金、契約金等)が多額となる

           通常、事務所テナントの保証金が36ケ月程度であるのに対し、飲食店のテナントでは
        保証金は610ケ月と多額になるのが一般的です。


           また、保証金以外にも礼金(1~2ケ月分)・仲介手数料(1ケ月分)・当月分の家賃(1ケ月分)
        や、ケースによっては翌月分の家賃も契約時に支払わなければならないこともあります。



         ④ 個人契約不可の物件が比較的多い

           オーナーにもよりますが、テナントによっては法人契約のみで、個人事業者の入居が認
        められないことがあります。



       ⑤ 営業許可の取得が必要

           法人、個人を問わず、飲食店の営業をする場合には、必ず保健所の検査を受けて営業許
        可を取得しなければなりません。


           この許可の取得のためには、工事完成予定の10日前までに許可申請書を提出する必要が
        あります。
 また、許可を取得するまでは、営業を開始することができません。

            営業許可が必要な業種(東京都八王子)

     http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/kyoka/kyoka_0.html

            営業許可申請の手引き(東京都八王子)
              http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/kyoka/files/syokuhinntebiki.pdf


       ⑥ 食品衛生責任者の資格取得が必要

            飲食店の営業をする場合には、保健所の許可と同じく、営業施設ごとに食品衛生責任者
        またはこれに類する資格※1 を持つものをおくことが義務付けられています。


           この管理責任者の資格は、1日の講習に参加すれば取得できますが、地域によっては講習
        の回数が多くなく、講習の受講まで約1ケ月近くかかる場合もあるので、事前に開業予定
        日とのスケジューリングが必要となります。


         ※1 栄養士、調理師、食品衛生管理者他
         食品衛生責任者講習リンク  http://www.toshoku.or.jp/shikaku/training_a.html
       



    3.知事推薦書取得のための必要書類

必要
  書類

推薦書
交付願

借 入
申込書

営 業
許可書

設備内容がわかる書類

従事証明書

法人の登記簿謄本

不動産契約書

見積書

平面図

新 規
開 業

独 立
開 業

   1新規開業    設備資金の2分の1が融資申込み限度額となりますが、経営相談をした方に限り、
              設備資金の全額が融資申込み限度額となります。
                相談の際には、「創業計画書」(日本政策金融公庫で配布)が必要となりますので

              記入の上、ご持参ください

  
   2独立開業  新規にお店を開業される方が、
              a)現在の店に継続して6年以上従事している人
            
  b)同業種の仕事に通算10年以上従事している人
              のいずれかの場合には、設備資金の全額が融資申込限度額として取り扱わます。
              ただし、雇用主の資本の額(
出資の総額)及び従業員数によっては、独立開業になら
              ない場合があります。





 4.飲食開業者のための融資のポイント

   ① 営業許可の取得時期について

     日本政策金融公庫で創業者が融資を受ける場合には、営業許可が必要となりますが、その取得
   時期については、融資の振り込み後であってもかまわないものとされています。


     これに対して、制度融資(信用保証協会の保証付き融資)の場合では、原則、融資前に許可を
   取得することが求められ、許可取得の確認ができない間は融資が行われません。

     ② 融資の対象となる項目とならない項目

         日本政策金融公庫・制度融資いずれにおいても、融資の申込み前に支払ってしまった費用
      ついては、これを融資対象として申込みできません。


         しかし、日本政策金融公庫の場合では、このような事業に関して申込み前に支払ったもの
      ついては、これを「自己資金」の一部として認めてもらえます。


         これはどういうことかといえば

         たとえば、Aさんが会社設立時に資本金(これが自己資金に該当)500万円持っていたが、
      その10日後にBという設備を購入するために、ここから100万円を使ったとします。


         そして、その翌日に日本政策金融公庫へ融資の申込みを行ったとすれば、この時点での通帳
      残高は400万円となりますが、このような場合でも、Aさんの自己資金は400万円ではなく、
      当初の500万円として計算されます。

      したがって、この場合にAさんが「新創業融資」を申込むとすると、その限度額は500万円の
      2倍の1,000万円ということになります。


         ただし、Aさんはすでに100万円分の設備を購入してしまっていることから、今回の融資では
      このBという設備を購入するという理由での融資申込みをすることはできなくなります。

      このように融資の申込み前に資金を部分的に使ってしまっている場合には、融資の限度額を計
      算する際の「自己資金」としては使用がなかったものとして計算することができますが、その
      購入してしまったものについては、今回の融資では「融資の使い道」として計上することはで
      きないということになります。


         
       ③ 利用できる融資の種類
   
      飲食業で開業しようとする方が日本政策金融公庫へ融資を申込む場合には、通常は「生活衛生
      貸付(一般)」という種類の融資を利用することとなります。

      また、融資の申し込みにあたって担保や保証人がない場合には、この融資にあわせて「新創業
      融資」(1,000万円まで無担保無保証)を利用することができます。

      ただし、この「新創業融資」を利用するには、その創業者が開業前または開業後1期を過ぎて
      いない場合には、創業にかかる事業経費全体の1/3以上の自己資金が必要となります。


           ※ 「新創業融資」の自己資金についての詳しい内容はこちら

         このように一見すると、飲食業の方については「生活衛生貸付(一般)」と「新創業融資」と
      いう2つの融資制度を別々に利用するかのように思われますが、そうではありません。

      本来、「新創業融資」はこれ単独で存在する融資制度ではなく、何か別の融資制度にオプショ
      ン的に付加することができる制度です。


         そのため、飲食店を行う場合でいえば、「生活衛生貸付(一般)」にこの「新創業融資」を組
      み合わせて、最大1,000万円まで無担保無保証で融資を受けるということになります。(あくま
      で、ベースとなる融資は「生活衛生貸付(一般)」です)

      これを図にすると、以下のようなイメージとなります。
        



         とはいえ、もととなる「生活衛生貸付(一般)」は設備資金についてしか利用できないため、
      運転資金も必要な場合にはさらに「一般貸付」を利用することが必要となります。


         つまり、仮に、飲食店の開業融資で設備資金600万円、運転資金400万円の計1,000万円につい
      て無担保無保証融資を希望する場合には 

        

        という形になります。

        一方、制度融資については、これを扱う各都道府県や市町村により融資の要件がさまざま
       なので、ひとくくりにはできませんが、通常は各々の自治体ごとに創業融資枠が設けられ
       ているので、これを利用することになります。




    5.飲食店の場合の融資実行までの標準的な流れ

 日本政策金融公庫(生活衛生資金貸付)融資の手続きの流れ

「推薦書交付願の提出」および「経営相談(新規)」

各地区の生活衛生営業指導センター

                ↓(当日~翌日)

推薦書の発行
各地区の生活衛生営業指導センター

     (財)東京都生活衛生営業指導センターでは、衛生水準・設備の近代化などについて審査します。
       したがって、推薦書の交付が融資の決定ではありません。
              ↓

融資の申し込み
日本政策金融公庫

                   ↓(1週間~10日)

融資内容についての面談
日本政策金融公庫

                  ↓(面談から12週間)

融資内容についての現地調査
日本政策金融公庫

                  ↓(1週間~10日)

融資見込額についての連絡
日本政策金融公庫

                  ↓(面談から110日)

融資の決定・実行
日本政策金融公庫

            ※ 日本政策金融公庫の新創業融資を利用する場合でも、最終的に飲食業の許可は必要となりますが、この
             場合には営業開始前までのいずれかのタイミングで取得すればよいということになります。

              ※ 営業にあたっては、事前に衛生管理責任者の資格を取得していることが必要です。


制度融資(信用保証協会の保証付融資)の手続きの流れ ※東京都の場合
        

         窓口となる金融機関の決定

              ↓

         金融機関への融資の申請

              ↓

     保健所への営業許可申請・・・内装、設備、水周り等

              ↓ 

        保健所による営業許可の決定

              ↓

        保証協会による現地の内見調査

              ↓

     保証協会から金融機関への保証承諾の通知

              ↓

           申請人の口座への入金


    ※ 制度融資では、許可を取らないと融資が振り込まれないため、時間的なロスをなくすためには、先に許
      可取得の手配をしておいた方がよいということになります。

    ※ 融資にあたっては、事前に衛生管理責任者の資格を取得していることが必要です。





    6.飲食店の事業計画書作成の注意点

      飲食での開業の場合も他と同じように、創業融資を利用するためには必ず「事業計画書の作
      成」が必要となります。
      しかし、飲食事業の融資では、他と比較して注意しなければならない特有のポイントがいく
      つかあります。
      そこでここでは、日本政策金融公庫の「新創業融資」を申込むことを想定した場合の事業計
      画書の書き方のポイントについてご説明いたします。

       
       

     【 経 歴 ・ 雇 用 】

      新創業融資を利用する場合には、ある程度の事業に関する経歴と他人の雇用が条件となってい
      ます。

      経歴について

         ・ 本人に3年以上の飲食事業での経験があるのが理想的です。
      ・ この経験がない場合には、「十分な経験のある従業員などと一緒に始める」、「FCに加
        盟してシッカリしたトレーニングをうける」などの方法により経験不足を補う必要があり
        ます。

      雇用について
      ・ 雇用するのは正社員だけでなく、パートやアルバイトでもかまいません。
      ・ また、実際に雇用したかどうかを後日に証明するなどの手続きもありません。
        ただし、他人を雇用するとした場合には、この者をどの程度の時間使用し、どの程度の賃
        金を支払うのかをはっきりとさせることが必要となります。     



     【 資  格 】

      飲食店を開業する場合には、最低でも保健所の許可と食品衛生責任者の設置が必要となります。
      また、日本政策金融公庫を利用する場合には知事の推薦書が必要となる他に、深夜に営業する
      場合には警察に対して深夜酒類提供の届け出をしなければなりません。


      ・ 食品衛生責任者の資格は、できるだけ営業許可とともに事前に取得しておくようにします。
      ・ 日本政策金融公庫では、許可取得は融資後でも可とされていますが、信用保証協会付融資
        の場合には、許可の取得が確認できない間は、融資が実行されません。



     【 目 的 ・ 動 機 】

      事業の目的や動機については、制度融資よりも日本政策金融公庫の方がシッカリしているかどう
      かを聞かれます。
      

      ・ 「自分がその事業をしたかったから」ということよりも、「料理やサービスを通じて皆に喜
        んでもらいたいから」という公のための動機を考えるようにしましょう。



     【 仕 入 先 】

      ・ すべての材料を一つの業者に発注するのではなく、できるだけ材料ごとに適切な業者へ発
        注することを考えましょう。
      ・ また、何かの理由で仕入れができない場合のことを考え、できれば最低2社以上(安い方
        をメイン、高い方をサブ)を候補としてあげられるようにしましょう。 


     【 その他 】

      (損益対照表関連)


      ・ 売り上げ
        標準的な飲食店の売り上げは、「坪 15万円」前後となります。
        これが10万円では経営的に苦しく、また、20万円ではかなり好調となります。
        したがって、事業計画書ではまずは「坪 15万円」を目標とし、さらに返済利益が出るか
        を考える必要があります。

      ・ 原 価
        一般的な飲食業の場合では、原価率は約30%が平均です。
        これを目安に極力、原価率を下げる仕組みを考えてください。

      ・ 人件費
        人件費は売り上げの30%以内に収まるようにするのが理想的です。
        複数名のパートなどを時間帯ごとに分けて利用する場合には、シフト表を作り、これにも
        とづいた賃金計算をする必要かあります。

      ・ 家 賃
        飲食店における標準的な家賃は、売り上げの8~10%程度が限度となります。
        管理費が別途にかかる場合には、これも家賃の一部として計算します。

      ・ 保証金
        最近の飲食店の保証金は、家賃の6~10ケ月程度が相場です。
        しかし、実際にはこれ以外にも当月分家賃、仲介手数料、礼金などで5ケ月分程度が余分
        にかかりますので、前もっての準備が必要です。
        なお、信用保証協会付融資の場合には、保証金やこれら諸手数料は融資の対象外とされる
        ことがありますので注意が必要です。

      ・ 原価率
        一般的な飲食業での原価率は30%程度とよく言われますが、実際には業種によってかなり
        のバラ月がありますので、その業種にあわせた設定をすることが重要です。

      ・ 返済資金
        金融機関が重視する指標として、返済原資というものがあります。
        これは「税引き後利益+減価償却費」であらわされる額をいい、これが約定した返済額より
        少ない場合には、返済ができなくなることを意味します。


      (貸借対照表関連)


      ・ 設備資金
        設備資金とは、基本的に減価償却がされるものをいいます。
        したがって、保証金や内外装費、什器、家具、テーブル、特許権などがこれに該当します。
        これらを融資の対象として計上する場合には、それぞれについての見積もり書を提出する他
        、減価償却期間を調べた上で減価償却費を算出する必要があります。

      ・ 運転資金
        運転資金とは設備資金以外のものをいい、具体的には、仕入れ代、人件費、家賃、水道光熱
        費、営業費などが該当します。
        融資の審査の際に認められる一般的な運転資金は、約3ケ月分です。
        しかし、仕入れから入金までの期間が恒常的に長いなどの理由がある場合には、これ以上で
        あってもかまいません。
          

                         

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