第1回 「補助金・助成金」の仕組みと注意点

最近、巷で「補助金・助成金」に関する話題が盛んですが、本当に補助金や助成金ってそんな簡単にもらえるのでしょうか?

このブログでは、一期行政書士事務所の引地が、過去に「ものづくり補助金」審査担当だった
時の経験
を生かして、補助金・助成金の基礎的な内容から、有利なもらい方の他、そのときど
きの旬な補助金
・助成金のご紹介をしたいと思います。

 

補助金・助成金獲得のためのキーワード

最近よく、さまざまなサイトやブログなどで取り上げられている補助金や助成金ですが、意外
とその中身をしっかりとご存知の方は少
なく、たいていは「ただでもらえるお金」ぐらいの認
識しかされていないことが多いようです。

これはこれで間違いではないのですが、「補助金・助成金」をもう少し詳しく説明すると
「 政府が直接または間接的に公益上の必要がある場合に、民間や公共団体などに対して交付
する金銭的な給付」

ということになります。

これだけだと「だから、それが何なんだ!」といわれそうですが、ここで注意して欲しいのは
補助金・助成金が支給されるのは「公益上の必要があるもの」についてであるという点です。

ですから、自分の会社や一部の人間の利益のためだけでは、原則として、これをもらうことは
できな
いということになります。

この公益的であるかどうかについては、特に新技術や開発系の補助金の審査では、特に厳しく
見られるポイントの一つです。

したがって、補助金・助成金をもらう際に重要なのは「公益的」であるかどうかということが
重要なキーワードということになります。

 

補助金・助成金の種類と特徴

それでは、補助金・助成金には、どんな種類があるのでしょうか?

これについては補助金・助成金について取り決めた法律「補助金適正化法」にも、具体的な決まりはないのですが、一般的には次のように大きく分類されています。

〇 人の雇用や労働環境の改善に関する補助金・助成金
    → 主に厚生労働省が管轄

〇 
技術やサービスの研究開発や改善に関する補助金・助成金 

    → 主に厚生労働省以外の省庁(経済産業省など)が民間団体が管轄・主催        

このうち厚生労働省が管轄するものについては、業務として行えるのは社会保険労務士だけと
なりますが、それ以外のものについては、誰が行ってもよいことになってい
ます。

また、従業員が会社のためにこれらの申請をする場合も、資格がなくとも違法とはなりません。

ただし、企業がこの厚生労働省の補助金等を受給するためには、最低でも雇用保険に加入する
ことが要件
となっています。

 

補助金・助成金には次のような特徴があります 

 〇 厚生労働省系のものは要件に該当し申請すれば、原則として誰でも
   受給できる。
   これに対し、それ以外のものは審査やコンテストに合格しなければ
   受給できない。
 〇
 返済不要でもらえるお金である。
 〇
 補助金等としてもらった給付金は原則、非課税扱いとなる。

   ー ただし、公益法人(NPOを含む)がこれを受給した場合には、それが収益事業に充
     てられるものである時には、課税対象となります。(土地の取得など一部例外あり)

 

補助金・助成金受給の注意点

補助金等についてはメリットだけでなく、次のような注意点もあります。

  補助金・助成金にかかる費用は、事業者がその全額を立替え払いしなければならない。
   - 補助金・助成金は「先払い、あと支給」が原則です。
     ですので、仮に上限額が200万円、補助率が1/3の補助金を全額もらおうおうとすれ
     ば、
600万円の事業費を立替えられるだけの資力が必要ということになります。

  受給までの時間が長い
   ー 補助金等は、通常
      「申 請」→「審 査」→「交付決定」→「実績報告」→「確定通知」→「交付(入金)」
     という流れとなります。
      したがって、補助金の種類によっては、申請からお金が振り込まれるまで半年~1年
     近くの時間がかかります。

  一定額を返還しなければならない場合もある。
   ー 先ほどの説明の中で補助金・助成金は返還の必要がないと書きましたが、中には例
     外的
に返還をしなければならない場合もあります。

     その一つ目の例が「不正受給」をした場合です。
     例えば、本来しなければならないことをしていないにもかかわらず、これをやった
     ように報告したり、一定
の基準に満たなければ受給ができないのに、その基準を満
     たしているかのように報告す
る場合などがこれにあたります。
     このような不正受給がばれた場合には、補助金の返還だけでなく、一定期間の応募
     
の停止、さらに悪質なものについては刑事事件の対象となります。

     もう一つの例は「利益の返還がはじめから定められている」場合です。
     これは「その補助金をもらって行った事業につき、補助額を超える利益が出た場合
     には
補助額の一部を返還しなければならない」と定められているようなケースで、
     以前に人気になった
「地域需要創造型起業・創業補助金」などがこれに該当します。

 〇 必ずしも「予定額がもらえるものではない」
   ー 申請者の方の中には補助金等の申請が通り、その事業に対する「交付決定額」が通
     知されると、必ずその額
をもらえると思い込んでしまう人が結構いますが、これは
     大きな誤りです。

     「交付決定額」というのは、これから行われる事業について概算で最大の支給がさ
     れた場合の、いわば「受給可能な限度額」
です。
     したがって、出来上がった事業の中身や経費の使われ方に問題があればその分、支
     給額は削減されます。
     なので、
交付決定額は1,000万円であったとしても、事業の内容を精査した結果、
     支給できるのは700万円だけということも珍しくありません。
     このように
、補助金等を申請する場合には、「交付決定額」=「支給額」ではない
     というこ
とを念頭に置いておく必要があります。

  内容や要件が頻繁に変わる。申請期間が短いものが多い。
   ー 助成金や補助金は同じ制度が数年にわたって実施されることもありますが、1回切り
     でな
くなってしまうものも少なくありません。
     また、定期的に実施されているものであっても、その内容は頻繁に変更されます。
     さらに、申請期間は2~3週間や1ヶ月程度で締め切られてしまうものも多いことか
     らチョット見
逃すともう事業計画書を作る時間がないということになりかねません。

 

「簡単にもらえて返還不要」などと宣伝されることの多い補助金・助成金ですが、申請にあた
っては事前に
気をつけなければならない点も多いので、補助金・助成金の獲得を真剣にお考え
ならば、早い時期に専門家へご相談することをお勧めします。

 

 → 第2回に続く
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