これから創業される方の中には「法人それとも、個人のどちらで開業しようか?」と
お悩みになる方が多いと思います。

法人と個人。得なのはどっちか?

確かに、法人と個人では単なる名称の違いだけでなく、その後にかかる費用や効果などにも大きな違いがあるだけでなく、融資などの資金調達をする場合に影響を及ぼします。

そこでここでは、法人と個人のメリット・デメリットや、融資の場合における違いについてご説明いたします。

法人設立のメリット・デメリット

一般的に法人を設立すると、次のようなメリット、デメリットがあるとされています。

【メリット】
● 社会的信用が作れる。
● 優良な人材が確保しやすい。
● 決算期を自由に選択できる。
● 倒産した時に出資した範囲のみで責任を負う。
 (但し、代表者が連帯保証人となっている場合には、法人と同じ責任を負います)
● 税金面に有利な場合がある。
 (「赤字を10年間繰り越せる。個人は3年分」、「自宅の一部を事務所として利用
   する場合に、一部を経費とすることができる」
など)
● 会社と個人の財産を明確に分けることができる。
● 法人でないと取引先との取引や口座の開設ができない場合がある。

【デメリット】
● 会社設立に費用と時間がかかる。
 (株式会社の設立では、自分で手続きをした場合でも25万円程度の費用)
● 赤字の場合でも最低の税金(法人住民税の均等割-年間7万円程度)がかかる。
● 記帳や決算書の作成を専門家に頼まなければならないことが多い
● 従業員の数に関係なく、各種社会保険への加入義務がある。
● 決算以外にも、法的な各種の手続きが必要。
 (役員変更手続きや、目的等変更時の登記手続き、社会保険の届出など

このうち、起業したばかりの人にとってとくに負担となるのが「設立費用」と「税理
士への支払い」、それと「保険料の支払い」
の3つです。

「会社の設立費用」や「税理士への支払い」などは、単なる支払い行為であり、これ
により、何か
見返りがあるわけではありません。
また、法人は社会保険料や厚生年金に強制的に加入しなければなりませんが、社員の
負担分の半分は会社がこれを支払わなければなりません。

 

個人事業のメリット・デメリット

個人事業によるメリットとデメリットとしては、ほぼ法人の場合の逆となります。

 

融資におけるメリットとデメリット

融資や資金調達の場合でも、原則として法人だから有利とか個人だから不利というこ
とはありません。融資の審査の面においても、最近に至っては、法人か個人かという
ことは問題にならなくなっています。

ただし、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を利用する際には、法人の場合には
代表者が連帯保証人にならなくともよいという特典があります。
その場合には、代表者を連帯保証人とした場合と比較して金利が0.1%高くなりますが
このような制度は、創業者向けの融資としては唯一のものとなります。

 

会社の設立によるコストの違い

会社を設立する場合でも、どのような会社を作るかによりコストに大きな差が出ます。
株式会社を設立した場合と合同会社を設立した場合とでコストにどれだけの差が出る
かの違いについては以下の通りです。(専門家費用は含みません)

株式会社の設立の場合           合同会社の場合

定款認証の公証人手数料  5万円        な し
定款印紙税        4万円※1       4万円
登録免許税         15万円           6万円
その他          2万円※2                     2万円 
    計       26万円           12万円

※1  電子定款の場合には不要。
※2 印鑑代1万円、諸雑費1万円として算定。

 

法人か?個人か? は最終的な目的により決まる。

結局、「法人と、個人どっちがトクなのか?」についての回答は「わからない。」と
いうことになります。

なぜならば、最終的な結論は「その人がどのような部分にメリットを感じるか?」に
よって変わってくるからです。

もし、あなたが新創業融資制度を使って、連帯保証を免れたいというのならば法人の
方がよいでしょうし、また、できるだけスタート時にお金を使いたくないというのな
ら個人でされることをお勧めします。

 

しかし、現在は個人でも近いうちに法人化したいというお考えを持っているのなら、
はじめから法人でスタートする方がよいでしょう。
なぜなら、個人事業から法人にした場合には「それまでの履歴が切れる」からです。

一般的に、社歴の長い会社の方が信用があるわけですが、法人成りをした場合には
それまでの個人事業の履歴は法人に反映されません。

また、事業に許認可を必要とする場合には、個人の許認可は法人には引き継がれな
いため、法人になったときに再取得する必要があります。
特に、免許番号や更新回数がモノをいう業種(例えば、建設業や不動産業など)に
ついては初めからこの点を予定しておいた方がよいでしょう。

以上の点を参考にして、法人か?個人か?を決めていただければと思います。


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