「もし、信用保証協会から代位弁済の通知が来た後の流れとその時に取るべき対応につい
ては、前回
のコラム『代位弁済の流れとその後の対応』でご説明しました。

代位弁済の交渉「交渉成功のポイント」
そして信用保証協会の理解と協力を得るためには、「真摯な対応と努力を示すこと」が重要であると申し上げました。

しかし、それだけですべてが解決するかといえばそうではなく、交渉では現実的な勝機のための計算も頭に入れて対応しなければなりません。

そこでここでは、交渉を成功に導くためのポイントについてご説明いたします。

 

返済交渉のポイントは何か?

交渉で有利に立つために必要なのは、やみくもに頭を下げることでもなく、また、相手の言
いなりになることでもありません。

大切なのは、いかに自分にとって現実的な勝機を手に入れられるかということであり、また
そのための計算を事前にしておくことです。
ちなみに、ここでいう「現実的な勝機のための計算」とは、債務者側にとって金銭的に得か
どうかという
ことではなく、

 「信用保証協会に、こちらの提案を飲む方が無理に取り立てるよりも得だ。」

と思わせるだけの戦略があるかどうか?ということを意味します。

もし、信用保証協会との交渉で、相手にこれを認めさせることができれば、交渉はこちらの
有利となりますが、そのためには現在の自分の状況についての整理・分析が必要なのは当然
ですが、それとともに信用保証協会の考えを理解することが重要となります。

 

解決の糸口 「回収の極大化」とは?

そのためにも、知ってっておいてもらいたいのが、

  「 回収の極大化 」

という、キーワードです。

「回収の極大化」とは、簡単にいえば、いろいろある回収手段の中でどれを選べば最終的に
回収できる金額を最大にできるか?ということです。

これは信用保証協会に限らず、債権の回収をするすべての金融機関に共通する命題であり、
一般的には、金融機関側はこの可能性が高い方を重視します。

 

この「回収の極大化」をわかりやすい例で説明します。

A社はB銀行に対して6,000万円の残債がある時点で、信用保証協会へ代位弁済をされたとし
ます。担保としては、代表取締役Cの所有する工場(時価3,000万円)だけです。

この場合、代位弁済後にA社が返済できる金額は、これまでの50万円/月➙10万円/月になる
とした場合、信用保証協会がこの工場を売却したとしてもここから回収できる額は3,000
万円だけということになります。

そのため、回収できなかった残りの3,000万円については無担保・無保証の債権となってし
まいますが、さらに売却により工場がなくなってしまうのでA社は廃業となってしまい、こ
の3,000万円については事実上、回収ができなくなってしまう可能性が高まります。

しかし、もし、このままA社を存続させておき、毎月25万円ずつでも返済を受け続ければ、
年間で300万円、5年では1,500万円の回収ができることになります。

また、代位弁済によりA社では新規の借入れはできないこととなりますが、毎月25万円の返
済が猶予されるので資金繰りを大幅に改善することが可能となります。

この結果、A社ではその後のやり方次第では、経営を大きく改善できるかもしれませんし、
もっと早い時期に25万円/月以上の返済もできるようになる可能性も十分に考えられます。

 

もちろん、回収のためにどれだけの手間や時間が必要かということも大きなファクターと
なりますが、やはり

「 より多くの金額を回収する 」

という考えがその基本にあるので、代位弁済における対応や交渉もこの考えに沿ったもの
となりやすくなります。

つまりは、その時の状況に応じて回収可能性が最大となる選択をすること
これが「回収の極大
化」ということの意味です。

しかし、これを実行するためには、キチンと計算された「現実的かつ実現可能な計画を作
って
交渉する」というプロセスが欠かせないこととなりますので、結局、代位弁済の交渉
を有利に解決するためには、

「 いかに信用保証協会にとって回収が極大化できるような計画を提出できるか? 」

ということが最大のポイントとなります。

 

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