金融機関から融資や資金調達をするためには、決算書上の利益が黒字となっていることが
求め
られますが、中小企業ではチョットしたことでも赤字となってしまいがちです。

赤字決算の場合の銀行対処法しかし、赤字だから絶対、融資が受けられないかといえば、そんなことはなく、その赤字の中身がどのようなものであるかによって結果は大きく変わってきます。
つまり、赤字を出してしまっても、見せ方によっては挽回のチャンスがあるということです。

ここでは赤字のなかでも「良い赤字」、「悪い赤字」の他、赤字を出してしまったときに金融機関に対して取るべき行動についてご説明します。

 

「良い赤字」と「悪い赤字」

1. 金融機関が気にする2種類の赤字とは?

みなさん、会社の赤字には「良い赤字」と「悪い赤字」の2種類があるというのはご存知
でしょうか?

このようにいうと
 「赤字に良いも、悪いもない。 赤字は悪いに決まっているだろう」 
とおっしゃる方がほとんどだと思います。

確かに赤字はよくないことかもしれません。
しかし本当に問題となるのは、その中身なのです。

特にこれから融資を受けたい、資金の調達をしたいと考えるのであれば、その中身が「良
い赤字」なのか、それとも
「悪い赤字」なのかにより、金融機関の対応も大きく変わるこ
とになってしまいます。

 

たとえ赤字であっても、その内容が「良い赤字」と認めてもらえるならば、まだ、融資を
けられる可能性は十分にあります。しかし、それが「悪い赤字」と見られたのなら、そ
の見込みは低くなってしまうで
しょう。

このように同じ赤字でも、その中身が「良いか・悪いか」により、その後の資金調達の結
果は大き
く変わってしまいます。

したがって、よりスムーズに融資を受けるためには、金融機関に対してその赤字が「良い
赤字」であることをどれだけ印象
づけられるか?ということが、結果を左右する要因とな
ります。

 

2.「良い赤字」について

では、「良い赤字」や「悪い赤字」とは、どんなものなのでしょう?

同じ赤字であっも、金融機関があまり問題としない赤字があり、いわばこれが「良い赤字」
ということになりますが、これには以下のようなものがあります。

 ① 経営本体に与える影響が少ないもの。

  ・赤字の金額が少ない
  
大きな設備の除却や土地の売却損などにより生じた赤字である」(「特別損失」)
  
どがこれに該当します。

  また、その赤字が単発的なものであり、その後の経営にあまり影響を与えない程度の
  ものである場合には、金融機関はさほどこれを問題とはしません。

                          
   しかし、これを「良い赤字」であると認めてもらうためには
   ・ 今後の売上げや入金の見込みが立っている
   ・ 近いうちに黒字化できるという根拠がある
   などの、経営の立て直しができることを売買契約書や受注書、資金繰り表などの資
   
料で示せることが必要となります。

 ② 創業時の赤字

   創業時には誰でも資金の調達や売り上げの確保が難しいことから、赤字になりやす
   いというこ
とは金融機関も承知しているため、創業時期の赤字については大目に見
   てもらいやすい傾向にあります。

   とはいえ、いつまでも無制限にこれを認めてもらえるというわけではなく
   
黒字化できるまでの期間がおおむね5年以内であり、かつ売上高と
     経常利益が
当初の事業計画の約70%程度の水準を確保できるものであること
   
という目安をクリアーできる必要があります。

   したがって、創業時にあまり過大な計画を立てるのは、後々、自分の首を絞めるだ
   けでなく、赤字になった場合の救済も難しくなる可能性があるので注意が必要です。

 ③ 減価償却により生じた赤字

   車両や設備などを購入した場合にはその価格に見合った減価償却を行う必要があり
   ますが、こ
の減価償却とは、これを計上しても実際の現金が外に出ていかない、
   いわば「会計の上の損
失」ということになります。

   そのため、減価償却をしたことにより表面的には赤字となっても、融資審査の判断
   において
はその減価償却分のマイナスがなかったものとして見られます。

   たとえば損益計算書で、最終的な利益が100万円だったとしても、その会社が200万
   円の
減価償却を行っている場合には、その会社の返済余力は100万円/年ではなく、
        200万円 + 100万円 = 300万円/年
   として判断されます。

   そのため、この会社が仮に5年で返済することを条件として借り入れをする場合、
   この会社は

       300万円/年 × 5年 = 1,500万円
   の借り入れができる可能性があるあるということになります。

 ④ 新規事業や研究開発に伴う赤字

   同じく金融機関に対する言い訳の立ちやすいものとしては、「新規事業や研究開発
   によっ
て生じた赤字」があります。

   しかしこの場合には、それが単なる場当たり的なものではなく
   
・ 初めから創業計画書でその赤字の見込みが明らかとなっている。
   ・ その額が今後の売り上げにより、比較的短期間で回収できる。
   
というものであることが望まれます。


以上のような事由により生じた赤字であれば、それほど大きな影響ないものといえます。

 

3.「悪い赤字」について   

一方、「悪い赤字」の例としては、次のようなものがこれに該当します。

 ① 2期以上、連続した赤字

   上記のような理由がない中で、2期以上継続して赤字を計上している場合には、財
   務内容に
ついて金融機関から警戒して見られることになります。

   また、同時に銀行格付けも引き下げられることから、その後の資金調達にも悪影響
   を与える
こととなります。

 ② 会社の利益を生活費や遊興等に補てんしていることが疑われる赤字

    会社の利益は当然、会社のものであり、たとえ社長といえども、これを自由に使う
   ことはでき
ません。

    しかし、実際には経営者にこの点についての分別がなく、仮払金などの処理によっ
   て利益を
生活費等の補てんに充て、その結果、赤字となっているケースが少なくあ
   りません。

    このような理由による赤字がある場合には、納得のできる説明できない限り、金融
   機関の融資
は消極的となります。

 ③ 今後、2年以上にわたり、繰越損失が解消できないような規模の累積の赤字

   単年度だけで見れば黒字となっていたとしても、それまでの長期間にわたり赤字を
   計上して
いる場合には、「多額の繰越損失」が発生しているのが普通です。

   また、このような状況では同時に債務超過となっている場合も少なくありませんが、
   債務超
過の場合にはまず先にこれを解消しないと融資をうけることはできません。

 

「悪い赤字」を出してしまった場合の対処法

では、「悪い赤字」を出してしまったら、どうすればよいのでしょうか?

本来であれば、利益を出してそれにより赤字や債務超過を解消していくというのが王道的
対策となります。

しかし、それが難しいからとこの状態を放置していたのでは、債務者区分や銀行格付けが
引き下げられ、最終的には
下記のような負のスパイラルにはまり込んでしまいかねません。

  「 赤字による銀行格付けの低下 」
         ↓

  「 ますます融資が出にくい状況となる 」
         ↓

  「 事業が回らず、ますます、売上が落ちる 」
         ↓

  「 さらに、赤字になりやすくなる 」

 

しかし、このような悪い赤字を出してしまった場合でも、挽回できる可能性があります。

それが 「金融検査マニュアルに従った経営改善計画の作成」 です。

赤字の中小企業であっても、金融検査マニュアル※などを参考にして、有効な経営改善
画を作成し、これを金融機関に認めてもらえば、格付けの低下を食い止めたり、また
は新
規の融資の獲得に非常に有効となります。

ではなぜ、経営改善計画にそのような効果があるのでしょう?

それは、金融検査マニュアルに「金融機関はこのような計画を作成した企業に対して、積
極的に協力をすべき旨」が記載されているからです。
※ 金融検査マニュアル事例11他など

 

赤字企業を救う「経営改善計画」の作り方

ここまでで、たとえ「悪い赤字」をだしてしまった場合でも、経営改善計画を作って提出
できれば、まだ銀行に見捨てられず済むということがおわかりいただけたと思います。

では、そもそも、この「経営改善計画」とは一体どんなものなのでしょう?

よく、会計事務所などでは、「企業をよくするために経営改善計画書を作りましょう!」
などとPRをしていますが、ここでいうところの経営改善計画はそれとはまったくの別物だ
とお考えださい。

確かに、どちらの計画も経営を改善するという目的は同じですが、この両者には決定的に
異なるところがあります。

それは、
「ここで説明する経営改善計画は、金融機関の評価UPを目的に作られるものである」
ということです

これに対して会計事務所が作成する計画は、同じように経営の改善やコストの見直しを図
るものではありますが、銀行対応を意識したものではありません。

したがって、目的を定めずに安易に「税理士に作ってもらえば安心」などと考えていたの
では、
見当違いなものができてしまいますのでご注意ください。

金融検査マニュアルが認める、効果のある経営改善計画とは、以下の条件を満たせるもの
となります。

 

【金融機関向けの経営改善計画書の条件】

 ① 金融機関等の支援を前提として策定されたものであること

 ② 経営改善計画等が合理的で、実現可能性が高いと判断されるものであること

 ③ 経営改善に努め、1年を経過した時点で計画比8割以上の実績で推移していること

 ④ 2年後には約定弁済が見込まれるなど、業況の改善がほぼ計画に沿って進捗する


ちなみに、以上の条件のうち③と④については、計画が始まった後の問題となりますので、
とりあえず計画の作成時にクリアーすべき条件としては、①と②ということになります。

 

さらに、この点について詳しく見てみると次のような内容となります。

条件①「金融機関の支援を前提として策定されたものである」こと
 
 金融機関向けの計画を意味あるものとするためには、ただ単に作成した等だけではダメ
 で、その中身が金融機関の立場や考え方を反映したものとなっていることが必要です。

 このようなものでなければ金融機関の支援は受けられません。

なお、ここで金融機関の立場や考え方を反映したものとは、どういうものかといえば
その計画に合理性と実現可能性があり、この点について金融機関の理解を得られる内容
 であることを意味します。

 また当然に、金融検査マニュアルの内容も反映されたものである必要があります。

 

条件②「経営改善計画等が合理的で、実現可能性が高いと判断されるものである」こと

 経営改善計画等が「 合理的である 」とは、つまるところ「企業側ができる最大限の努
 
をキチンと計画で示せているか?」ということを意味します。

 この場合の、最大限の努力とは、その企業や状況によってさまざまですが、たとえば
 
・ 遊休地があるような場合には、それを売却して返済に充てる
 
・ 不要在庫については早期に処分して現金化する
 
・ 余剰人員についてはリストラや早期定年性を実施する
 
・ 社員給与や代表者給与の引き下げを行う
 
・ 新規顧客の獲得策を実施する
など、ある程度、企業側としても身を切る覚悟をしたものであることが求められます。

また、「実現可能性が高いと判断される」とは、「計画が本当に現実的に実行できる内
容となっているか?」ということを意味します。

たとえば、ただ単に頑張る、努力するなどではなく、
「どのような方法で営業力を改善し、売上げの増加に結びつけるのか?」
「数値目標はどの程度に設定するのか?」
「計画の進捗管理は誰かするのか?」
「具体的なアクションとしては、どのようなことをするのか?」
といったことについて数字で明確になっていなければ、「実現可能性が高い計画」とは
評価されにくいでしょう。

 

金融機関の納得を得られる「経営改善計画」の実例

先ほどご説明した、金融機関を納得させる経営改善計画書の条件は、以上のことを考え
た場合、下記のように言い換えることができることになります。

金融機関が求める経営改善計画の中身

① 金融機関等の支援を前提として策定されたものであること
   - 金融機関の考えや意向を取り入れた内容であること。

② 経営改善計画等が合理的で、実現可能性が高いと判断されるものであること
    - 企業がなしうる最大限の経営努力をし、かつその内容が具体的に実行可能なレベルに
      まで落とし込まれていること。
③ 経営改善に努め、1年を経過した時点で計画比8割以上の実績で推移していること
   -  計画の進捗状況が実績との対比で明確になっていること。
     1年を経過時点で計画比8割以上の実績で推移できるものであること。

④ 2年後には約定弁済が見込まれるなど業況の改善がほぼ計画に沿って進捗すること
   - 2年後には、計画の結果が目標と比較してほぼ達成できていること。

以上の内容を具体的なスキームの形で説明すると下記のとおりとなります。

 

119番資金調達NETの「経営改善対策計画」スキーム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上をご覧いただければこの経営改善計画が、一般的なものと比べて、根本的に違って
いるものであることがおわかりいただけるのではないかと思います。

この経営改善計画の作成に必要なのは、「金融機関の考えの理解と改善の努力」です。

金融機関がその計画をどのように見るかという考えなくしては、どれだけ体裁のよいも
を作ったとしても効果は見込めませんし、また、協力の得られる内容でなければ、そ
もそも作る意味がありません。

もし、これから銀行へ経営改善計画書の提出をお考えの方は、ぜひ、この考えを計画に
映させてください。

 

これらについて具体的にご相談されたいという方は、下記の無料相談窓口までご連絡
下さい。

経営改善計画等サポート無料相談 03-6240-9671

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