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赤字決算の場合の対処法



     
良い赤字と悪い赤字
    

    
 赤字には「良い赤字」と「悪い赤字」の2種類があるというのはご存知でしょうか?

     もちろん、決算は黒字であることが望ましいのですが、たとえ赤字を計上してしまった場合でも、その中身

     によっては、大きな問題とならない = 「融資を受けられる」 場合があります。


     金融機関から融資を受けているすべての企業は、その経営内容に応じてランク付けをされており、これが

     以下の「債務者区分」に反映されることとなります。


         債務者区分表
債務者区分 債   務   者   の   状   況
 A 正  常  先
 業績が良好であり、財務内容にも特段の問題がない債務者
 B 要注意先  業績低調、延滞など、今後の管理に注意を要する債務者
 おおむね、
赤字先のイメージ
 B´要管理債権先  要注意先のうち、要管理債権(注)をもつ債務者
 おおむね、繰越欠損先のイメージ
 C 破綻懸念先  現在は経営破綻の状況にないが、経営難の状況にあり、今後、
 破綻が懸念される債務者

 おおむね、債務超過先のイメージ
 D 実質破綻先  法的・形式的な経営破綻の事実はないが、実質的に破綻に陥っ
 ている債務者
 E 破  綻  先  法的・形式的な経営破綻の事実(破産、清算、取引停止処分な
 ど)が発生している債務者

     
          【要管理債権】

            要注意先のうち、以下のいずれかに該当する債権を言う。
              ・ 元本または利息の3ケ月以上の延滞
              ・ 貸出条件の緩和(債務者を再建又は支援する目的で金融
                機関が債務者に有利な一定の譲歩を与える旨の約定変更)
                をすることを約した債権

            これがあると、単純な要注意先よりも格付けが1ランクダウンする。



     そして、通常はこの区分に従えば、赤字である場合にはそのほとんどが「要注意先」以下の分類に区分さ

     れてしまい融資を受けにくいこととなってしまいます。

     しかし、次の2つの場合には金融検査マニュアルによれば、これを理由に格付けの引下げを行なわないも

     のとされています。


            「 一過性の赤字である場合 」       「 創業時の赤字である場合 」
 




     
「良い赤字」について


     
一過性の赤字

      
これは、企業の直接的な業績によるものでなく、設備の除却損などの損失により赤字となった場合をいい

      ます。

      損益計算書の中でいえば、経常利益部分までは黒字だったものの、先ほどの理由等により「特別損失」を

      計上したことにより、最終利益が赤字となったような場合をいいます。

      ただし、その額が多額で、

            「 その赤字のため今後2年以上にわたり、繰越損失が解消できない 」

      ような場合には、「一過性」の赤字とは認定されず、通常の赤字として扱われます。




    
創業赤字

     もうひとつの問題のない赤字と見られるのが、創業時の赤字です。

     しかし、これが「良い赤字」として見られるためには、単に創業期における赤字であるということだけでなく、

     当初に金融機関に提出した事業計画と比較して、業績に大きな乖離がないということが必要です。

      その目安としては

       ① 黒字化までの期間がおおむね5年以内であること

       ② 売上高及び経常利益が、事業計画の約70%程度確保できること

      以上の2点をクリアーする必要があります。
    




   「良い赤字」に該当する場合の対処方法
  


    もし、あなたの会社が上の2つのいずれかに該当するならば、まだ融資を受けられる可能性はあります。

    しかし、ただ単に「良い赤字」に該当するというだけでは、問題の解決にはならないかもしれません。


    なぜならば、これについて何もPRをしない場合には、金融機関はこれを見過ごしてしまうかも知れないか

    らです。
   

    ですから、もしあなたが「良い赤字」のどちらかに該当する場合には、積極的に金融機関に対してこれを

    アピールする必要があります。



    そして、その場合に有効な方法が

                       
経営改善計画を作って説明する

    という方法です。


    この場合でも、金融機関の担当者に対しては「なぜ、赤字になったか?」についての説明をする必要があ

    りますが、この際には決算書(または試算表)だけの説明では、担当者に十分な説明はできません。

    なぜなら、決算書には、将来の計画は書いていないからです。

    そのため、決算書の提出の際には、これにあわせて、今後の方針を「経営改善計画」という形で説明する

    のが最良なのです。



    また、この経営改善計画を作成した場合には、次のようなメリットがあります。

     ① 
赤字先に限らず、債務者区分の向上につながる!
      
        経営計画の作成は、赤字の説明だけに先に使えるわけではありません。

        実は「もうちょっとで格付けが上がりそう」という場合や「あと少しでランクダウンするかも」というにも、
        大きな効果があるのです。

        「もうちょっとで格付けが上がりそう」な場合

        なかなかこれという決め手がなくて、いつもBクラスのトップで終わってしまっている企業については、
        これを提出することにより、Aクラス入りの可能性が大いにあります。
        なぜなら、金融機関としても、あえて格付けを下げておきたい理由はないからです。
     

        「あと少しでランクダウンするかも」という場合

        このような企業には特に、この計画の作成をお勧めします
        なぜならば、このような企業については、
経営改善計画を提出した場合には、「ランクダウンをさせ
        ない」ということを金融検査マニュアルが認めている
からです。

        特にこのような企業については、経営改善計画に基づいて金融機関へ説明することには、大きな
        効果が期待できます。



     ② 
今後の融資や資金調達に転用できる。

       確かに経営計画の作成などというのは、面倒なものです。

       しかし、一度これを作ってしまえば、業績に大きな変化がない限り、あとは小さな見直しだけで済むと
       というのも事実です。

       また、今後、融資を受ける場合には、この計画に基づいて融資の申し込みをすればよいので、そのた
       びごとに計画を作成する手間が大きく省けることになります。
    



     ③ 
頭の中の漠然とした計画を周囲にキチンと示せる。

        計画作成の主な理由は、「金融機関に対して経営姿勢の証を示す」ということにあるのは当然です
        が、さらにもう一つの活用法があります。
     
        それは、その
「企業の従業員に対しても経営内容をキチンと説明するために使える」ということです。

        大企業では当たり前の感のある経営方針説明やⅠR活動ですが、これが中小企業となると実行
        しているのは、だいぶ少なくなってしまいます。

        特に、同族で経営している企業などでは、皆無といってもよいかも知れません。

        しかし、これでは、従業員の方は自分の仕事に展望を持つことが出来ません。
        
        経営計画は何も金融機関のためだけのものではありません。
        本来は、会社自身のために作るものです。
  
        これをうまく活用すれば、従業員の信頼の獲得にも大いに役立ちます。
     

  

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