ガイドラインと東京ルールとは?
「ガイドライン」と「東京ルール」
ガイドラインとは、正式名称を「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」といい、国土
交通省が作成した賃貸住宅の退去時における原状回復について費用負担等の適正な考え方を
まとめた手引書です。 (平成12年2月改正)
これに対し、東京ルールとは、正式名称を「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に
係る条例といい、国土交通省のガイドラインをもとに、同様の内容を東京都の条例という形
で定めたものです。 (平成16年3月31日公布、10月1日施行)
両者の違いについて
ガイドラインも東京ルールも、基本的な内容はほとんど同じです。
ただし、次の点で異なります。
(ガイドライン)
・単なる指針であり特別な強制力を持たない。
・ガイドラインは民間の賃貸借の全般に適用される。
(東京ルール)
・違反した宅地建物取引主任者に対して、報告義務や是正の指導、勧告、公表をす
ることができる。
・適用があるのは、以下の賃貸借に限られる。
① 宅地建物取引主任が仲介等を行う都内の居住用の賃貸住宅
② 平成16年10月1日以降に重要説明を行う新規の賃貸借契約
※ 注 意
店舗・事務所等の事業用である場合や、貸主と直接契約を結ぶ場合には平成
16年10月1日以降の契約であっても更新契約については、東京ルールは適用
されません。
東京ルールによる規制の対象
東京ルールでは、上記の適用がされる賃貸借について、宅地建物取引主任が仲介等を
する場合には、次に掲げる事項を記載した書面を交付の上、説明をすべきことを義務
づけています。
① 退去時における住宅の損耗等の復旧については原則、賃貸人が行うこと。
(特約がある場合または賃借人の責めに帰すべき事由による場合を除く)
② 住宅の使用収益に必要な修繕については原則、賃貸人が行うこと。
(特約がある場合または賃借人の責めに帰すべき事由による場合を除く
③ 賃貸借契約の中で、借主の負担としている具体的な事項
④ 設備の修繕及び維持管理等に関する連絡先
原状回復等による原則
ガイドラインと東京ルール(以下、ガイドライン等という)において、賃借人は以下
の3つのいずれかがあった場合にのみ、これによって生じた部屋の損耗・毀損を賃借
人が自らの負担で復旧すべきものとしています。
① 賃借人の故意、過失があった場合
② 善管注意義務違反があった場合
③ 通常の使用を超えるような使用があった場合
つまり、このいずれにも該当しない場合には、
住んでいた年数により多少、部屋の傷み 部屋を退去する際に敷金から
があったとしても、賃借人はこれについ = 補修費を引かれない。
て責任を負わなくてもよい。 (引いては「いけない。」)
ということになります。
では、「上記の①~③に該当する場合」(賃借人が責任を負うものとされる場合)と「そ
れ以外の場合」(賃借人が責任を負わなくてもよい場合)は、それぞれどんな場合なのか
その一部をご説明します。
※ 詳しくは次章「借主の責任となる場合・ならない場合」を参照ください。
賃借人の負担となる場合、ならない場合
賃借人が責任を負うものとされる場合
1.賃借人の故意、過失があった場合
賃借人がわざと(故意)または不注意(過失)により、部屋のクロスを汚した。
床にキズをつけてしまった。 など
2.善管注意義務違反があった場合
(そもそもの損傷自体は賃借人の責任で生じたものではないが、その後の賃借人の
管理が悪かったせいで、損傷が拡大したような場合)
普通に使用していたら発生したカビを放置したことによって、カビの範囲が拡がっ
てしまった。 など
3.通常の使用を超えるような使用があった場合
トイレのタオルかけに重量のあるものをかけて破損してしまった。 など
賃借人が責任を負わないとされる場合
1.賃借人が通常の住み方、使い方をしていても通常、発生するものと考えられるキズや
汚れ(「通常損耗」といいます。)
2.建物や設備の自然的な劣化(「経年劣化」といいます。)