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今日この頃の金融機関との付き合い方
現在、事業をなさっている方は、そのほとんどが何らかの形で(商売上)金融機関とお付き合
いをされていると思います。
でも、それってどんなおつきあいでしょうか?
「お互いを信じあえる、いい関係?」それとも「肩のコルもの?」
ウチはいい関係だと言い切れる企業の方はすばらしいと思います。
しかし、意外と多くの方が、「金融機関の機嫌を損ねたら一大事」、「金融機関に内情がばれ
たら融資が下りなくなるかも」と考え、当たり障りのない範囲で付き合っているというのが現状
ではないでしょうか?
しかし、ここで問題なのは、その「お付き合い」の中身なのです。
現在でも、金融機関上層部との定期的なゴルフや昼食を欠かさず、預金協力に対してもホイ
ホイ協力している社長さんをたまに見かけます。
会社にとっても良かれ、と思って付き合うその努力には涙ぐましいものさえありますが、おそら
く、その社長さんは金融検査マニュアルのことや格付けのことを何も知らないのでしょう。
なぜなら、彼のこの努力は、現在では全く(融資の借入れを有利化するという点においては)
「無意味」なものだからです。
貸してくれないそのワケは?
それでは、金融機関との「正しい付き合い方」とは何なのでしょう?
その前に、それを理解するためには、最近の金融機関における情勢の変化についてお話して
おく必要があります。
1999年7月に金融庁から金融検査マニュアルが示されて以来、金融機関の多くがこの内容に
沿った貸出しを行なっています。
このマニュアルは、本来、金融機関に査定を行う金融庁の職員が検査を行なうときに使用す
るものでした。
しかし、このマニュアルの中で
「各金融機関とも、一定の部分の貸出についてはこのマニュアルに従った(整合的な)もの
でなければならない。」
との指示があったため、各金融機関がこれに習い、債務者のランク付けに利用するようにな
りました。
そしてこれにより、金融機関から融資を受けている事業者は、「正常先」〜「破綻先」までの6
区分に分類されることととなったのですが、この際に金融機関は、一定水準(要注意先)以下
の債務者については、「担保で保全がとれているもの」、「信用保証協会の保証があるもの」、
「正常な運転資金の一部」を除き、その水準に応じて企業の倒産に備えるための「引当金」を
積むことが必要となりました。
つまり、金融機関としては、リスクの高い客に貸せば貸すほど多くの引当金を積まなければな
らなくなったのです。
これにより、貸し先の選別には最善の注意をし、いいところにはどんどん貸すが危なそうなと
ころからは引き上げるといった、いわゆる「貸し渋り」や「貸し剥がし」が始まったのです。
本当の正しいお付き合いとは?
このような状況の中で、これまで慣例的に行なわれてきた接待的な付き合いや預金への協力
は何の意味も持たなくなりました。
なぜなら、金融検査マニュアルでは、このような行為を一切格付けに反映していないからです。
それでは、現在、金融機関は取引先に対して何を一番求めているのでしょうか?
それは第一に、「正しい企業情報の開示」です。
実際、金融機関の職員の大半は、中小企業から提出された決算書の中身をほとんど信じて
はいません。
だいたいの企業で、何らかの数字の操作や間違いがあると思ってみています。
また、企業から提出される資金繰りや資金計画についても同様です。
というよりも、これについては職員が聞き取りをしながら作っているのが現実です。
このような状況が当たり前となりつつある昨今では、彼らが企業を信じないというのも、ある意
味当然の反応ともいえるかも知れません。
ですら、これからは、金融機関の信用を得るためには、まず第一に、自分の会社の決算書の
中身を正しいものとし、それを金融機関に信じてもらえるようにすることが必要となります。
そして二つ目に必要なのが、これら書類の作成や計画を経営者自らが金融機関へ説明でき
るだけの「会計的な能力」を持つことです。
決算書はもって来たのは良いけれど、中身を聞いても何も応えられないという会社は全く珍し
くありません。
また、これが多くの中小企業の現実だと思います。
確かに、これが分からないからといって、すぐに仕事がなくなるわけではありませんし、仕入
れができなくなるわけでもありません。
しかし、対金融機関との付き合いを考えた場合、今後はこれがクリアーできなければ融資が
出にくくなるのは間違いない事実です。
金融機関の人間は、税理士や会計担当からではなく、社長自身からの説明を待っています。
ですから、せめて今後、社長さんは次の3点だけは実行するようにしましょう。
・ 最低、3ケ月分の資金繰りを帳簿につける。
・ 融資が必要な場合には6ケ月前に、簡単な事業の見通しを作るようにする。
・ 金融機関への説明等は、全て社長自身が出向いて行なう。
どうでしょう?
ご自分の会社のことなので、そんなに難しいことはないと思います。
ただ、単にチョット面倒なだけなのです。
しかし、これをするか、しないかだけでも金融機関のその企業を見る目は確実に変わります。
そして、何より社長自身が、金融機関と対等に話せるようになるはずです。
それでは、金融機関は中小企業をどう見るか?
それでは一方、金融機関は中小企業をどう見ているのでしょうか?
シビアな話ですが、金融検査マニュアルが導入されて以来、貸出しを受けている企業につい
ては、決算の内容次第でそのランクが決められてしまっているというのが現実です。
現在、全ての貸出先はここの金融機関の規定により、その企業の体力や実績に応じて格付
けがされています。
詳しいことは別の項(「金融機関による企業格付けとは?」)をご参考いただくこととして、最近
の企業の格付けは、主に会社の規模(資本金等)と実績(決算内容)のみで行なわれているとい
っても過言ではないくらいシビアになっています。
しかし、これを何とかしようとしても、今まで、資本金1,000万円の会社がいきなりこれを倍にし
たり、利益を倍にするというのは、現実的にムリな話です。
では、どうすればよいか・・・。
それには、早い段階で決算の中身を少しでもよくするように対策を行なうのが最も効果
的です。
これは、いってみれば、「これまでの税金対策や税務署用対策の決算書を少し見直し
て、もっと資金調達(つまりは金融機関)を意識した決算をしましょう。」ということです。
税務署のスタンプが押されてしまってからでは、アウトです。
最低でもその前に(できれば6ケ月前ぐらいから)できることはやっておきましょう。
※ 対策のポイントについては次項「金融機関はここを見る」を参照。
これまで、税金を払うのがいやだからといって、税理士さんに頼んで利益を過小に申告してき
た社長さん。
今後、融資が受けたいのなら、もうやめましょう。
その行為は、気づかないうちに自分の会社の首を絞めているも同然なのでから・・・。
今の金融機関は、税金を支払わない企業にお金を貸してくれるほど、甘くはありません。
ですから、これから金融機関とうまくつきあっていく究極の方法があるとすれば、
それは 「利益を出す」 決算書を作る ことなのです。
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